「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

カテゴリ: 映画

ほぼ週刊黒澤世莉です。雨ですねえ。春ですねえ。春ということで、あちこちの演劇活動も本格化してきました。そのことはまた後日。

さて、毎度おなじみ、National Theatre Liveのちょうちん記事です。いや、提灯記事じゃないです、だってなんももらってないもん。お金払って観てます。

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というわけで、もろもろスケジュールの合間を縫って、幸運にも観に行けた『ハングメン』の感想を書きます。

ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/




マーティン・マクドナーはイギリス人の作家。アイルランドのことばっか書いてるけどイングランド人。

日本での上演を観ても、あんまりピンとこなかったけど、『ハングメン』を観て腑に落ちた。

マクドナーの作品には、笑っちゃうくらいクズしか出てこない。『ハングメン』もクズしか出てこないんだけど、そのクズさが、非常にアイリッシュというかブリティッシュというかイングリッシュというか、とにかく日本人の気質からは「理解は出来るけど肌には馴染まない」部類のもの、なんだと思う。

品のある異文化を演劇化することより、下品な異文化を演劇化するほうが、難しいのかもなあ、て思った。あんまり深く言語化してないです。

でまあ、『ハングメン』は気持ちよくチンコチンコ言ってるクズどもが、ヒドイ目にあったりヒドイ目に合わせたりするさまを堪能しました。

ラストの幕切れも好き。最後の最後に、時代に取り残される心細さを一瞬だけ垣間見せるなんて。きっとマクドナーも演出もシャイなんだろうなー、て思った。

そんなこと言うとふくれっ面をされそうですが。

というわけでマクドナーの面白さを教えてくれてありがとうございますな上演でした。でも自分で演出は、いいや、とも思ったよ。

どっちにせよオススメです。関東関西愛知福岡の方は、観られるから観てください。

それではみなさま、また来週。




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黒澤世莉マイズナーテクニックによる俳優ワークショップ4/29土[大阪]

https://www.facebook.com/events/1646047855703739/



「演劇の街」下北沢に「演劇グッズ専門店」【観劇三昧下北沢店】がオープン:毎日いますよ(11:00〜20:00/水曜定休)
http://entre-news.jp/2016/12/35282.html

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「幸せなひとりぼっち」が面白かった黒澤世莉です。

いやー、義務感から解き放たれると気分がいいですね。ここ数年で一番ブログ書くモチベーションがありますよ。




と、いうわけで困ったときの名画座です。ふだんは早稲田松竹に行くことが多いのですが、今回は演目と時間がちょうどよかったので、ギンレイホールです。

飯田橋ギンレイホール
http://www.ginreihall.com/index.html

「幸せなひとりぼっち」「手紙は憶えている」のじいさん主人公映画二本立てを4月14日(金)までやってます。観てほしいなー。

私は特に「幸せなひとりぼっち」をオススメします。

私、お年寄り映画って(そんなジャンルあるか知らんけど)あんま好きじゃないんですよね。どっちかっつったら。敬老精神薄い方だし。関係ないかそれは。まあとにかく、自分から進んでは観ない。

「幸せなひとりぼっち」は、バカバカしく、身につまされて、心温まり、笑える映画です。主人公オーヴェはそうとう偏屈ですが、そのうちそれが可愛く見えてくる不思議。

孤独な男の心を開くのが、移民の女やゲイの若者ってのもいい。

サーブとボルボの国産車合戦も楽しい。

嫁ができすぎた女なのも、思い出と思えば納得できる。

ペルシャ人とブルガーコフとスペインが出て来る当たり、猛烈に俺得。たまにフィンランド語と似てる言葉出てくるしね(基本的にはぜんぜん違う)。スウェーデン行きたいなーと思った。

唯一気に入らないのは「ハートウォーミング映画ですよ」感を強く押し出しすぎてる邦題かなあ。。。逆に言えば、それくらいしかケチの付け所がないっす。

「幸せなひとりぼっち」、おすすめ。

と、いうわけで今週のブログはこちらで。また来週お会いしましょう。




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黒澤世莉マイズナーテクニックによる俳優ワークショップ4/29土[大阪]

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「演劇の街」下北沢に「演劇グッズ専門店」【観劇三昧下北沢店】がオープン:毎日いますよ(11:00〜20:00/水曜定休)
http://entre-news.jp/2016/12/35282.html

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黒澤世莉です。

バーナード・ショーなんてやってくれるなんて、ナショナル・シアター・ライヴは分かってらっしゃる!と思いながらスケジュールの都合で観に行けなかった『人と超人』。中の人が読んでいたら声を大にしていいたい。

6日間は短すぎる。

なんならもっと大きい声で言いたい。

観劇三昧で配信させて。

それはともかく、大人文化の殿堂Bunkamura様で再上映していただいてつかまつり申し上げられていたので(間違った日本語)、拝見して参った次第でござる。グッジョブ東急。

「なしょなるなんとかってなに?」というかたはこちら。イギリスの面白い演劇を映画にしているんだよ。
ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/

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渋谷はクリスマスであった。

何年か前に『聖女ジョウン』を4~5人で上演したっていう外国のカンパニーの記事が出てて、そりゃすげえやってのと、そんなの私もやってみたいって思っていたジョージ・バーナード・ショー。『マイ・フェア・レディ』の原作になった『ピグマリオン』でも有名ですね。ショーを公演としてやっているのを初めて観せてくれるってことだけでも、満足です。

作品集も面白い。おすすめ。

でまあ『人と超人』です。3時間40分。本はもちろん、俳優も演出もいいと思います。

ただ、ショーの戯曲が根本的に持っている個性の「饒舌な人物の長大な物語」というのは、今回は弱点に傾いているんじゃないかなあ、て思った。単純に「一日働いてくたびれたひと」が仕事帰りに観るもんじゃないなあ、て思った。

ただでさえ論理的に高度ニアリーイコールへりくつを並べ立てる登場人物の減らず口を楽しむのがショーの台本だと思うんですが、逆にい言えば「ずっと喋ってるひとたち」を観るわけで、これはライブならともかく、映像ではどんなに工夫しても厳しい。絵が面白くなりにくい。

かつ、論理的に込み入ったことを字幕で処理するので、読書をしているような頭の使い方をする。本来演劇って声で聞くから分かりやすいんだけど、字幕で4時間近く追っていくのは映画見ながら読書するようなもんだからね。。。

なので、決して観やすいとか、4時間息もつかせぬ、て作品ではなかった。ただ、ときどきぼんやりしつつも、引っかかるとこだけ面白がる、みたいなことでも、十分愉快ではあります。

エンリーが、好き。

重ねていいますが、観て良かったです。ラストの二人のやりあいとか、見応えある。

ネタバレは続きを読むの先に。続きを読む

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黒澤世莉です。タイトルの通りなので、ほかあんまり言うことないです。くわしくは下の公式Webで。

ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/

あと14-16の3日間。東京近郊では、六本木、日本橋、川崎でやってます。

マペットたちがとってもいい演技をします。ガチョウかわいいよガチョウ。

もちろん、人間もいい演技をします。

無駄なことしてないんだよなー。無駄なことしない、てことが、なかなか出来ない。同じNTLでも、作品によっては無駄があるなー、て思うので、そういう意味でも『戦火の馬』はとても良かったです。

第一次世界大戦前夜から、渦中のヨーロッパのお話。ちょうどいま稽古している時間堂『ローザ』と重なる時期です。当時の独仏英の関係が垣間見えるだけでもオレ得です。

モーパッサンとか読んでも思うけど、ドイツ人のインテリは、フランスに攻め込むの、ほんとやなんだろうな。て描かれ方をよくされてて、そういうひと多かったのかしら、て思った。

あとはネタバレになるので、続きを読むから先をどうぞ。

やー、『人と超人』も楽しみだなー。バーナード・ショー観るの初めてだしなー。ショーは死ぬまでにやりたいなー。楽しみだなー。




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●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52381543.html続きを読む

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イーストウッド監督大好き、黒澤世莉です。

『アメリカンスナイパー』に続く史実もの。まあとにかく観てよ。

責任の話だと思いました。責任を取る人、決断をするひとは損するな、と思いました。でも、損する以上の得るものもある。それがノンフィクションだからうれしいよねー。

トム・ハンクス演じるサーリー機長の決断について。なぜあのような緊急事態で、的確な決断が出来たのか。思ったのは、彼は日頃から決断をしなれているのが良かったんだろうな、ということ。

決断力って、ピンチのときにいきなり獲得できない。判断力もそう。日々、ちいさなことでも、判断、決断することでしか、成長させられない。

そうして日々、この結果を受け入れること、それが責任を取る、ていうことなんだろう。

そして、パイロットに限らず、会社の役員でも演出家でも、家族のまとめ役でも、リーダーという人間には、そういう経験が必要なのだね。

だから、彼はあの瞬間だけよい判断力、決断力を持てたわけではない。40年間の積み重ねが結実した結果、たまたまあの日も「いつものように」よい判断、決断が出来た、てことなんだろう。

サーリー機長は、よいリーダーだったんだね。あの人が機長でほんとに良かったね。

わたしは、自分ではなーんも決断しないでブーブー文句ばっかたれる、みたいなひとが嫌いです。なんで、この映画はリスク撮って決断した人が報われる話で、清々しく見られました。

クリント・イーストウッド監督の描写は、いつも通り淡々としていてドライ。その中に悪夢のシーンが入り込んでくるんだけど、その塩梅も的確。

原題の方が好きかな。SURLY。

出演者に、当時の本人がいると聞いて驚いた。追体験したかったそうです。いいと思う。




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●演出作品 Plays
時間堂は解散します。解散シリーズをご覧ください
:『驟雨』[9/10~12]・『言祝ぎ』[10/14,15]・『ローザ』[12/21~30]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52381543.html

●ワークショップ Workshop
仙台のみなさん、ひさびさに伺いますよっ:俳優養成演劇ワークショップ舞台の入口・黒澤世莉ws[10/23(日)]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52385199.html

大阪で共同演出をする公演のワークショップオーディションだよ:tocotocoしょうとくりぃむプロデュースワークショップオーディション&説明会[10/26(水)]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52384998.html続きを読む

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黒澤世莉です。時間がないので簡単な紹介のみで。

まず観ましょう、話はそれからだ。英国選りすぐりの演劇作品を映像化して届けてくれる、ファン大感謝のNTLです。

ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/

『ハード・プロブレム』は、ナショナル・シアター・ライブの作品でも、初めての方におすすめしやすいです。

1)時間が2時間(いつもは3時間コース)
2)現代劇(古典も多いからね)
3)主人公がカワイい(オリヴィア・ヴィノールたんカワイい。個人的には『スカイライト』のキャリー・マリガンより好き(演技が。キャリー・マリガンもいい))

戯曲に興味のある人は、トム・ストッパードの戯曲を堪能しましょう。劇場で見られない方はハヤカワ演劇文庫で。全集出てないからねえ、出してほしいねえ。



個人的には、アジア人が重要なキャストを多く担っていることが嬉しかったです。

10/5水までやってるので、万難を排して観ましょうね。
ネタバレは続きを読む、の先に。





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●演出作品 Plays
時間堂は解散します。解散シリーズをご覧ください
:『驟雨』[9/10~12]・『言祝ぎ』[10/14,15]・『ローザ』[12/21~30]
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●ワークショップ Workshop
仙台のみなさん、ひさびさに伺いますよっ:俳優養成演劇ワークショップ舞台の入口・黒澤世莉ws[10/23(日)]
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大阪で共同演出をする公演のワークショップオーディションだよ:tocotocoしょうとくりぃむプロデュースワークショップオーディション&説明会[10/26(水)]
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「映画演劇を2日で11本観ると、くたびれる」という世紀の大発見をした黒澤世莉です。

来週は2日で14本に挑戦。君は生き延びることができるか。

さて本題。日本人は、とか、日本の文化は、とか、そういう話は根拠のない思い込みの定型文が多いので、あまり好きではない。

でも、これは日本の人ほんと好きよねー、というか、そういう性質よねー、て思うとがあるので書きます。

日本人は感傷的な話が大好き

物語があったとして、同情心がかきたてられれば、倫理的におかしくても、論理的に間違っていても、問題が解決してなくてもオッケー。

「可哀想な人」が「努力」して「優しさ」に触れればオッケー。なぜ可哀想なのかとか、努力に意味はあったのかとか、優しさに動機が含まれているかとか、ノーケア。

みたいな話を、映画館や劇場ではよく観 るな、て思ってます。

それ自体が悪いとは思わないんだけど、感傷的なものより、ドライなものの方が、より深く人間を描けるのではないかと思っています。

感傷は時として、主題への思索を鈍らせて、安易な感動ポルノへの一本道へ突き進める。怖いのは、観客もそれを求めているから、これでいいのだと認識してしまうこと。

一番気持ち悪く思うのは、感傷には往々にして愛がないこと。

感傷は具体的な行動はなく、愛はつねに行動を伴う、と私は考えている。

愛のない視点で困難な状況にある人間を描くと、本当に気持ちの悪い感動作モドキが出来上がる。そして、そういう作品は人気が出たりもするのだ。

感傷は悪くない。ただドライな視点と両輪で持つべきだし、その面倒臭さを支えるのは、愛なんだと思う。

感傷は、ひとを気持ちよくさせるけど、それはお酒や麻薬みたいに麻痺させる類のものです。気をつけて。

写真は10/1結局天一の日ということで二年連続天一食べました。




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●演出作品 Plays
時間堂は解散します。解散シリーズをご覧ください
:『驟雨』[9/10~12]・『言祝ぎ』[10/14,15]・『ローザ』[12/21~30]
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●ワークショップ Workshop
仙台のみなさん、ひさびさに伺いますよっ:俳優養成演劇ワークショップ舞台の入口・黒澤世莉ws[10/23(日)]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52385199.html

大阪で共同演出をする公演のワークショップオーディションだよ:tocotocoしょうとくりぃむプロデュースワークショップオーディション&説明会[10/26(水)]
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動画はあんまり観ない黒澤世莉です。

時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』のご予約を絶賛承り中ですが、そんな中、太っ腹なイベントがはじまりました。時間堂の過去の上演を無料配信するよ。

これは、時間堂がお世話になっている「観劇三昧」のご協力のもと実現した企画です。ありがとうございます。

スマホ・タブレットが劇場に!定額制演劇動画配信アプリ「観劇三昧」
http://kan-geki.com/

無料配信に関する、劇団の公式webはこちらです。

演劇動画配信アプリ「観劇三昧」にて、時間堂全作無料配信【期間限定】
http://jikando.com/past-information/579-kangekizanmai2016sp.html

「で、どうやんの?」というかた。私も実際試してみたので簡単な3ステップをご紹介します。題して無料動画までの3ステップ

1)スマフォを手に取り「観劇三昧」アプリをダウンロード
iPhoneアプリ https://itunes.apple.com/jp/app/kangekizanmai/id674187853?mt=8
アンドロイドアプリ https://play.google.com/store/apps/details?id=net.dkmobile.kangekizanmai&hl=ja

2)アプリから時間堂を検索して、無料になってる動画をチェック
2016年6月30日(木)23:00~7月14日(木)23:00『森の別の場所』
2016年7月14日(木)23:00~7月28日(木)23:00『ローザ』
2016年7月28日(木)23:00~8月4日(木)23:00『衝突と分裂、あるいは融合[東京版]』

3)心ゆくまでお楽しみください

いかがでしょうか。できました?出来なかったら言ってください。出来る範囲で対応します。

面白いなーって思ったら、『ゾーヤ・ペーリツのアパート』も観に来たら良いよ。歌って踊るブラックコメディていう、3本とは全然違うじゃねーか、て作品ですから。
公演情報 http://handsomebu.blog.jp/archives/52370530.html

観劇三昧は、980円で演劇動画が見放題っていう、距離と時間を越えた演劇ファンのためのサービスなので、気に入ったら会員登録しちゃってくださいな。

スケジュール
2016年6月16日(木)23:00~30日(木)23:00
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『衝突と分裂、あるいは融合[東京版]』
配信ページ http://kan-geki.com/member/play.php?id=277
公演情報 http://jikando.com/past-works/408-tsunagaru2014.html

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『衝突と分裂、あるいは融合[福岡版]』
配信ページ http://kan-geki.com/member/play.php?id=325
公演情報 http://jikando.com/past-works/408-tsunagaru2014.html


2016年6月30日(木)23:00~7月14日(木)23:00
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『森の別の場所』
配信ページ http://kan-geki.com/member/play.php?id=184
公演情報 http://jikando.com/past-works/344-apotf2013.html


2016年7月14日(木)23:00~7月28日(木)23:00
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120229_jknd_rosa_ura
『ローザ』

配信ページ http://kan-geki.com/member/play.php?id=182
公演情報 http://jikando.com/past-works/203-rosa.html


2016年7月28日(木)23:00~8月4日(木)23:00
『衝突と分裂、あるいは融合[東京版]』

配信ページ http://kan-geki.com/member/play.php?id=277
公演情報 http://jikando.com/past-works/408-tsunagaru2014.html


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【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
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興奮している黒澤世莉です。

夜中に犬に起こった奇妙な事件[ナショナル・シアター・ライヴ]
http://www.ntlive.jp/curiousincident.html

観てきました。

もう一回みたい。

わたしもうすれっからしババアみたいになっていて、もう一回観たいなんて滅多に言うことないんですけど。

いやー、最後の最後にやられましたね。そういうことか、と。なんて美しく、華麗で、緻密に作られた作品なんだろう、と。あの台詞が戯曲段階からあったんだとしたら、作家に脱帽という他ない。し、あの台詞が演出発想であったんだとしたら、やっぱり演出家に脱帽です。

基本的には、私の好きな要素がたくさんありました。囲み舞台で舞台美術は無し。ハコを抽象的に使い回す美術、絞り込んだ小道具。そのわりに動物は使う。消え物は使ったり使わなかったり。コンタクトインプロ的要素を多様。息もつかせぬシーンチェンジ。

でもね、そういうことじゃないんですよ。俳優たちが役柄として、一つ一つ丹念に積み上げてきた物語が、最後の最後に集約して弾けるんですよ。本当に気持ちよかったなあ。しかも、あんだけ派手に演出しておいて、そこは俳優二人の地味な、しかし高密度なやり取りでみせるんだぜ。

最高か。

こういうカタルシス、大好き。

この先はネタバレにて。

この肩書も伊達じゃないねえ。みんないい仕事してました。以下引用。
2013年のオリヴィエ賞で作品賞を含む主要7部門(最優秀プレイ賞、最優秀演出賞(マリアンヌ・エリオット)、最優秀主演男優賞(ルーク・トレッダウエイ)、最優秀助演女優賞(ニコラ・ウォーカー)ほか)を独占し、ブロードウェイ公演では第69回トニー賞プレイ部門最優秀作品賞や最優秀演出賞などを受賞した。


わたし、NTLは好きですが、全部が全部を手放しで褒めてるわけじゃないです。あんまり好きじゃない作品もある。でも、これは本当に素敵でした。オススメです。ちなみに、いままでNTLでお気に入りは『欲望という名の電車』、あとNTLじゃないけどジュリー・テイモア『真夏の夜の夢』も良かったね。

ごちゃごちゃ重箱の隅つつけばいくらも言いたいことはあるんだけど、ま、そんなことどうでもいいや、て気分で劇場を後にしました。

7/1まで、シネ・リーブル池袋で19:30からやってます。これはどんとみすいっと。

以下ネタバレ

クリストファーに先生が問いかける最後の台詞。

「みんなの力で演劇になったのよ」

だけどクリストファーにはこの意味が届いていない。彼は自閉症であり天才であるが、他者の助けがないと生きていけないのだということが理解できていないのだ。

父親とのシーンも母親とのシーンも、ほんとうによく出来ている。それらのシーンでクリストファーが決して父親とも母親とも相容れないことを丁寧に描き切っている。そして母親の浮気相手の台詞まで、主題に深く関わっているのだ。

だからこそ、あのラストに説得力も出るのだ。

これは自閉症だとか天才だとか、そういう問題ではなく、人間全体に対する問いかけになっている。私たちは誰もが一人では生きていけないのに、しばしばそれを忘れてしまう。

「演劇をつくるって校長先生が提案してる」とか「カーテンコールの後にやったらどうかしら?」とか、メタ演劇的なこと差し込んでくるな―って思ったら、ドラマの核である「人は一人では生きていけない」ということと「演劇は一人ではできない」ということを、セリフ一つで統合させるなんて。いやあ、ほんと、あの瞬間は「演劇って素晴らしい」て思っちゃった。思わされちゃった。

そう、思い出させてくれて、ありがとうございます。

____________________おしらせ____________________

【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
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ナショナル・シアター・ライヴ大好きっ子、黒澤世莉です。

Pitymanやレパートリーシアターの方々やらと「あれどうだった?」て話が出たので、どうしようか迷ってるうちにお蔵入りになりそうでしたが、書きます。結論から言うと、私はあんまり好きじゃないです。面白くなかった。

そもそも、ナショナル・シアター・ライヴの作品全部が面白いわけない。ていうか、演劇ってそもそもそういうものでしょう。それでも私が毎回観に行って、かつ損したなって思わないでまた次も喜んで観に行くのは「品質」が担保されているからです。「味わい」は作品それぞれだけど、品質は必ず高い。だから「味わい」が好みに合わなくても、まあ、我慢できる。

たとえば、わたしカンバーバッチ様が出てるNTLの作品てあんま好きじゃない。「フランケンシュタイン」も「ハムレット」も。いやカンバーバッチ様はいい仕事してるよ、そりゃ。でもねー。なんだろ。演出がねー、スター様向けッて感じなんだよなあ。予算の使い方とかさ。それこそ「8月の家族たち」みたいなプロダクションにカンバーバッチが出てる、みたいなのを観たい。

まあ、これは好みです。スペクタクル重視な作品は「ふーん。で?」てなっちゃうの、わたくし。

でまあ「橋からの眺め」ですよ。わたしとっても期待していったんです。
・大好きなアーサー・ミラー
・大好きなヤング・ヴィック・シアター
・噂のイボ・バン・ホーベ演出


オープニングとか、舞台美術とか、裸足でアクティングとか、わたしの大好物っぽいの目白押しで期待高まる一方でした。

でねえ、あんまり好きじゃなかったのよねえ。最大の理由は、演出の読み筋が、わたしには納得しにくかったこと。

アルフィエーリってあんなにグイグイくる感じ?
一幕終わりの食事のシーン、あの間、不要じゃない?
ビアトリクスってもっとブサイクなおばさんじゃない?
マルコもっとごついおっさんじゃない?
最後のドバドバ出る演出、いる?

などなどが引っ掛かって、全然楽しめなかった。総じて余計なことをしすぎな印象。もっと削いだ方が、本の魅力も俳優の魅力も出るかと思います。ま、それ、たんに私の趣味ですが。

繰り返しになりますが、品質自体は高かったです。また、自分と解釈が違う物が見られたという意味で、収穫もありました。アーサー・ミラーへの取り組み方として、ひとつのヒントにはなったかと思います。

やっぱアルフィエーリの扱い難しいよな―、とかね。

いいところもあって、ロドルフォとキャサリンは大分イメージ通りだったと思います。それだけに、なんか、同じことを他の俳優でもやればいいのにな―、て思いましたよ。

これからもナショナル・シアター・ライヴを観るのは楽しみです。でも、全部を手放しで褒めるのは、なんだかよくわからないなー、て思います。まあ、私が偏屈なだけ、かもしれませんけどね。

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