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黒澤世莉です。

バーナード・ショーなんてやってくれるなんて、ナショナル・シアター・ライヴは分かってらっしゃる!と思いながらスケジュールの都合で観に行けなかった『人と超人』。中の人が読んでいたら声を大にしていいたい。

6日間は短すぎる。

なんならもっと大きい声で言いたい。

観劇三昧で配信させて。

それはともかく、大人文化の殿堂Bunkamura様で再上映していただいてつかまつり申し上げられていたので(間違った日本語)、拝見して参った次第でござる。グッジョブ東急。

「なしょなるなんとかってなに?」というかたはこちら。イギリスの面白い演劇を映画にしているんだよ。
ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/

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渋谷はクリスマスであった。

何年か前に『聖女ジョウン』を4~5人で上演したっていう外国のカンパニーの記事が出てて、そりゃすげえやってのと、そんなの私もやってみたいって思っていたジョージ・バーナード・ショー。『マイ・フェア・レディ』の原作になった『ピグマリオン』でも有名ですね。ショーを公演としてやっているのを初めて観せてくれるってことだけでも、満足です。

作品集も面白い。おすすめ。

でまあ『人と超人』です。3時間40分。本はもちろん、俳優も演出もいいと思います。

ただ、ショーの戯曲が根本的に持っている個性の「饒舌な人物の長大な物語」というのは、今回は弱点に傾いているんじゃないかなあ、て思った。単純に「一日働いてくたびれたひと」が仕事帰りに観るもんじゃないなあ、て思った。

ただでさえ論理的に高度ニアリーイコールへりくつを並べ立てる登場人物の減らず口を楽しむのがショーの台本だと思うんですが、逆にい言えば「ずっと喋ってるひとたち」を観るわけで、これはライブならともかく、映像ではどんなに工夫しても厳しい。絵が面白くなりにくい。

かつ、論理的に込み入ったことを字幕で処理するので、読書をしているような頭の使い方をする。本来演劇って声で聞くから分かりやすいんだけど、字幕で4時間近く追っていくのは映画見ながら読書するようなもんだからね。。。

なので、決して観やすいとか、4時間息もつかせぬ、て作品ではなかった。ただ、ときどきぼんやりしつつも、引っかかるとこだけ面白がる、みたいなことでも、十分愉快ではあります。

エンリーが、好き。

重ねていいますが、観て良かったです。ラストの二人のやりあいとか、見応えある。

ネタバレは続きを読むの先に。
読んだときから、ドンファンのシーンは謎だった。つなげようと思えば繋げられるけど「ほんとにいるの?」て思いながら読んでた。いらなくて?て。面白いけどね。

あのシーンの必要性を教えてくれる方、ご教授くださいませ。読んでも観ても分からなかったよ。

でも構造としちゃいちばん攻めてるっちゃ攻めてるよね。それがどんだけ効果あんのか正直わたしはわかりません。読んでる分には『聖女ジョウン』『ピグマリオン』のほうが面白いな、て思った。

演出家が『人の愛し方がテーマです』なんていってて、ほうそりゃいいじゃないかって思ってたけど、あんまりそういうふうには取らえられなかったなあ。

『ローザ』つくってる方としては、シエラ山賊たちの無政府主義者と社会民主主義者の対立が面白かったです。




____________________おしらせ____________________

●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52390095.html

【ご利用受付中】静謐な演劇空間「toiroan 十色庵」
http://toiroan.tumblr.com/


【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
http://handsomebu.blog.jp/archives/52361098.html