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黒澤世莉です。写真はロシア勉強会3回目「ロシアNOW」の一コマ。田代紀子さんありがとうございました。

というわけで、演出ノートの5回目は台本の読み方についてです。いままでのまとめはこちら。

【まとめ】黒澤世莉の演出ノート2016【随時更新中】
http://handsomebu.blog.jp/archives/52375688.html

8回4時間のプレ稽古を経て、8時間の稽古を3回消化しました。実は、3回目に振り付け、ムーブメントの小林真梨恵さんの時間があり、これから書く4回目には、音楽の後藤浩明さんの時間があります。

『ゾーヤ・ペーリツのアパート』は音楽劇、のような演劇で、歌って踊るシーンがいくつもあります。いわゆる「演劇のシーン」づくり以外にも、やらなきゃいけないことがたくさんあるわけですね。わー、大変。みんな、がんばってねー。

さて。

そうは言っても、台本の読み方、です。振付や音楽について、あるいはそことのコラボレーションについては、おいおい書きますよ。

まずは軽く勉強会について触れます。

ロシアやソ連のことを学びたい人は、みんなウェルカムなんだぜ [ロシア勉強会で学んじゃおう!]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52371311.html

台本の読み方、ていうと、戯曲の読解法かと思われるかと思うのですが、それは半分あたりで半分はずれです。いま私がお伝えしたいのは、稽古場でどう台本を読むのか、ていうお話。

読解についても時間があれば書きますが、そこはそれだけで新書一冊分いけちゃうからねえ。。。まあ、折を見て。ただひとつ言えるのは、読解の前に、取材を卓さんした方がいいですよ、とはいえます。以前も書きましたが。そういう部分の補完で、勉強会もやってるわけです。

戯曲そのものも大切ですが、戯曲の背景や舞台を知ることも、大きな助けになります。ていうか、必要です。

ロシア勉強会は、実はまだ開催日程が残ってます。7月1日(金)19:30〜21:30に最終回を開催します。はじめて来る人も大歓迎ですよ。文章では記録に残せない、あんなことやこんなことが、聞けるらしい、ですよ。記憶に残しましょう。

で、本題。

演劇の稽古は、台本にはじまり台本に終わる、と言っても過言ではありません。演出家がいなくても、俳優と台本さえあれば稽古は出来ますが、台本がないと稽古も出来ません。

え? 稽古初日に台本がないって?

しらんわ。

じゃ、気を取り直して。稽古初日から台本があるものとします。

「本読み稽古」とか「テーブル稽古」と呼ばれる稽古があります。これはその名の通り、台本をまずはテーブルにおいて読んで見る、みたいな稽古ですね。

これの回数は、場所によって様々なんだと思います。1回読んだら立つところもあるし、時間をかけてじっくり取り組むところもあるでしょう。

私の認識としては、これは予め配布された台本を読み込んできて行うもので、この時から台本を読みだすものではない、です。もちろん、台本の配布が稽古初日、みたいな場合は、そのとき初めましてになるわけですけど。それはまあ、仕方がないにしろ、どんな舞台の作品かは分かっているから、ある程度の取材はできているはず、ですよね。

で、そういうところから、俳優たちが声を出してみることで、はじめて「脳内の相手役ではない、生身の相手役の出方」を体験します。ああ、スリリングですね、稽古初期って。書いててもドキドキします。

はー、こうくるんだーとかね。こうなんだーとかね。

で、こっから先は、色んな読み方があるよね、て話です。演劇ってスタイルが多様だから、たぶん、正解は一つじゃない。だから、自分のベストを持っていった上で、その現場で求められることに柔軟に対応していく、ていうのが、まあ演劇に関わる者すべてがやることなんでしょうね。

いろんな本読みがありますけど、時間堂の場合、劇団でやる時は、一番最初は「台本を持って立って好きに動きながら色を付けずに読む。相手との関係性は取りながら、中身が動いたらそれを声に乗せていく。台詞は明瞭に、句読点ははっきり意識する」て感じでやります。

これのどこが本読みなんじゃい、て思われるかと思います。やりたいことは色々有りますが、もう時間がないので箇条書きにすると、

・本や役を決めつけるのではなく、柔軟に出会う
・可能性を拡げる
・呼吸や滑舌や日々の意識を高めることでしか公演時に結果が出せない
・他人からの影響をなかったコトにしない
・身体の意識を高く保つ


みたいなこと、をやろうとしてるんですね。

わたしの演出の主義ですが、答え合わせはつまらん、と思っています。

全然予測もしていなかったアイディアに、その場にいるもの全員の思いもよらない方向にジャンプする瞬間。いい台本といい俳優には、そういうものがきっとある。そう信じています。

そして、それが演劇の醍醐味で、それを見つけるための、本読みの仕方です。ウチ流のね。

次はたぶん「スタッフとのコラボレート入門」です。たぶん。

____________________おしらせ____________________

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http://handsomebu.blog.jp/archives/52361098.html


【演出します】2016年の時間堂は7月の本公演とレパートリーシアターの【12ヶ月連続上演】

時間堂レパートリーシアター8月20日(土)『夏だ!一番時間堂まつり』
at 十色庵



【次回本公演】「ゾーヤ・ペーリツのアパート」
2016年7月29日(金)〜31日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
http://handsomebu.blog.jp/archives/52370530.html
【ご利用受付中】静謐な演劇空間「toiroan 十色庵」
http://toiroan.tumblr.com/


【ワークショップ情報】6月
http://handsomebu.blog.jp/archives/52369376.html

【演出家/俳優:参加者募集】ファシリテーターしますよ:ディレクターズワークショップ [大阪][8/15~18]
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