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レパートリーシアターとやらを来年から始めるよと言い張っている黒澤世莉です。こまかいことは下の方に書いときます。

おおざっぱな話を書くよ。

演劇って、超前時代的な作り方しか出来ないじゃん。まあ、照明のLED化が進んだり、メーリスとかLINEとかのおかげで、連絡手段は比較にならないくらい楽にはなってるし、チケット管理とかも、便利なシステムいっぱいできてるから、文明の進歩の恩恵をまったく受けていないわけじゃない。でも、生身の人間が毎日舞台に立つ、生身の人間がそれを観るっていうところは、びっくりするくらいギリシャの頃から変わってないわけさ。ほんと、あとレストランと政治家と性産業くらいじゃないですかね。この代わり映えのなさは。

リハーサルも「じゃスカイプで」てわけにはなかなかいかず(たまにそういう話も聞くが極めて稀なケース)、生きている人間が雁首揃えて何週間やら何ヶ月やら過ごすわけです。

ま、それが演劇の良さっちゃ良さ。

でも、高コスト体質になってる要因でもあるよね。

そういう、高いコストをかけてつくった作品が、なんだかかんだか一週間やら一ヶ月位で終わっちゃうと。これが映画なら、一回作ったらずっと上映できるし、youtubeやらニコ動やらhuluやらで、何らかのお金をつくることも出来るかもしれないけど、演劇はそういうわけにはいかない。映画と違って、最初に作っちゃえばあとは資金の回収ね、てわけにはいなかいわけです。もちろん、公演動画を配信する観劇三昧 http://kan-geki.com/ みたいなサービスもある。けど、これって演劇にとっては二次的なサービスであって、メインは生の上演なわけです。

でまあ、一度つくった作品を、長く上演するためのシステムのひとつがレパートリーシアターなわけです。話が長い?ごめんね。ちないにロングランシアターてのもあって、これは長期間上演するやつ。

レパートリーシアターは、一度つくった作品を、定期的に上演する方式で、作ったらお客様がいる限り上演し続けられるわけです。上演すればするほど、稽古やスタッフワークなど、最初にかかったコストは下げられるわけね。これをやるには「俳優」と「上演会場」を持ってないと難しいのだけど、幸い時間堂はいま、どちらもあるので、可能になったわけです。

上演期間が長くなれば、作品も成長するし、お客さまの見る機会も増やせるし、いいコトずくめなような気がしてます。いまはね。やってみたら、また問題点も見えてくると思うんだけど。とりあえず、今年中に10作品作るのが目標です。出来るかなあ。いや、やるだろ。

レパートリーシアターは「toiroan 十色庵」でやっていく予定です。2016年から毎週金曜の夜、ていう形式から、週末全部とか、場合によっては一ヶ月連続とか、そういうことが出来るといいですね。

toiroan 十色庵はバーカウンターがありますので、終演後は、観客と作り手がお酒を飲みながら語らう時間も提供したいなと思ってます。日本だとSPACとか絵空箱とかd倉庫とか利賀村とか、あと京都の地点のアンダースロー http://chiten.org/under-throw/ なんかでそういうことやってますよね。とくにアンダースローはレパートリーシアターもやってるし規模も近いので、ずいぶん参考にさせてもらいました。

これは静かな革命の実験です。大劇場で消費される演劇ではなく、小劇場で持続可能な関係性のなかで続いていく演劇。それが可能かどうかの実証実験。

あんまり時間堂や黒澤世莉のことをそう言ってくれないですけど、けっこう革命的でパンクなことやってると思うんですよね、うちら。作品としても活動としても。まあ、そういうのは生き残れば後世が評価してくれるでしょうから、地道にがんばります。

誰かの声に乗っかるのもいいけど、自分の道を道のないところに開いていくのって、意外と楽しと思うのよねえ。まあ、青年団と平田オリザなどなど、頼りになる先行者がいるんで、あんまりいうとおこがましくなっちゃうんですけども。

自分も後世にバトンを繋げるひとになっていたいと思いますよ。

ヒザイミズキとヒザイJrが、レパートリーの見どころを語ってます。

ま、しのごの書きましたが面白い演劇やるので、遊びに来てくださーい。

時間堂レパートリーシアター・ワークインプログレス

「演劇を観る・作る・体験する面白さをすべてのひとに」のコンセプトを体現する「毎週末に観られる演劇、終演後のバー付き」レパートリーシアターは2016年スタート予定。それにさきがけて創作途中の中間発表会を開催します。演劇の粋な楽しみ方を体感してください。

日程
2015年9月26日(土)15:00〜17:00/19:00〜21:00 ※開場は30分前/途中入退場自由


会場
toiroan 十色庵(〒115-0043 東京都北区神谷2‐48‐16 カミヤホワイトハウスB1)

演目
A.チェーホフ『熊』
イトウワカナ(intro)『言祝ぎ』
オノマリコ(趣向)『やぎさんと永遠』
など予定
公開演出つき

出演者
菅野貴夫・直江里美・ヒザイミズキ・阿波屋鮎美・穂積凛太朗・ほか

入場料
500円(1ドリンク付き)/1回+投げ銭(お好きにお値段おつけください)

ご予約
http://goo.gl/forms/VFhVDJdGiK

お問い合わせ
E-mail  info@jikando.com
TEL/FAX 03-6454-4308


____________________おしらせ____________________

俳優:演技集中クラス[2015年9月] ※締切延長8月31日(月)24時まで
http://jikando.com/workshop/486-201509syutyu.html

ワークショップ情報
http://jikando.com/workshop.html

[演技:ベーシッククラス]
9月 7日(月) 19:00〜22:00
9月 12日(土) 13:00〜16:00
9月 14日(月) 19:00〜22:00
9月 21日(月) 19:00〜22:00

[演技:アドバンストクラス]
9月 19日(土) 19:00〜22:00

[だれでも:演劇体験クラス]
9月 19日(土) 13:00〜15:00

黒澤世莉 (時間堂・演出家) のプロフィールはこちら
http://jikando.com/member/seri.html

【演出します】高校生と創る演劇「赤鬼」
2015/11/7~8 at 穂の国とよはし芸術劇場PLAT
http://www.toyohashi-at.jp/event/performance.php?id=189

時間堂がつくった、演劇をみるつくる体験する場所「toiroan 十色庵」リノベーションの記録。気軽に遊びに来て下さい
https://note.mu/jikando