梅雨ですね。いまも雑司が谷はしとしと降っていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
梅雨の晴れ間のサンシャイン60
時間堂共催「劇作家女子会!」無事終演したのです。足をお運びくださったみなさま、ありがとうございます。
そういうわけで、あることないこと振り返ったり振り返らなかったりしましょうかね。
の前に、こりっちにたくさんのご感想ありがとうございます。
http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_main_id=35060
togetterにも感想がまとめられています。ありがとうございます。
http://togetter.com/li/519803
開演前の舞台。美術伊崎瑞穂の壁画
母のような気持ちで演出しましたね。俳優に対してではなく、台本に。だって四作品あるんですから、それぞれいい子に育って欲しいじゃないですか。姉妹仲良く競い合っていい女になればいいなと思ってやりましたね。
オムニバス公演で作家がバラバラといえば4x1hっていう企画を5年前にやりましたね。このときの作家陣 [上野友之(劇団競泳水着)、篠田千明(快快)、冨士原直也、マキタカズオミ(elePHANTMoon)、中屋敷法仁(柿喰う客)、谷賢一(DULL-COLOREDPOP)] はなかなかいま見てもいい選球眼だったなーと思います。演劇で5年生き残るって大変なことだけど、この中の半分以上が生き残っているだけではなくて、当時よりも活躍しているって、すごいことだと思う。
そして、今回の劇作家女子会の4人もそうなると思うよ。
劇作家女子会のみなさま。左からオノマリコ、坂本鈴、黒川陽子、モスクワカヌ。ちなみに撮影は原田優理子。ブログから勝手にもらってきちゃったよ、ありがとう。
演出していて特別大変なことは特になかったです。大変なことはいつでも一緒だしね。ただ、台本を改善する作業で、ひとりの作家とやり取りするなら一対一だけど、それが四倍になるのは面白い経験でした。てか、四倍になるとお祭り騒ぎでした。
オノマリコさんの「Compassion」は、ベンチに座っている男に、女が「千円」と話しかけるはなし。
オノマリコさんの台本は「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」「テヘランでロリータを読む」につづいて3本目で、無理なく作品と向かい合えました。不条理劇とか、女性役がエキセントリックとか、よく言われましたけど、あんまりそういう風に思って演出しませんでしたね。「自分が思い描く最強に強まったカッコいい女性」だと思って演出してました。自分が理解しやすい台本は、かえってお客さまへの提示が不親切になりやすいので、そのへんは気をつけました。
坂本鈴さんは「親指姫」小学生がメール代筆で対決するっていうやつです。唯一の描き下ろしということで、二転三転しましたが、結果的にこの4本の中にあって良かったです。重めの作品が多い中、分かりやすいエンターテイメントが挟まると一息つけますからね。これ単品だとのってくれないお客さまも、今回の並びなら飲み込んでくれるとか、そういう意味でオムニバスの面白さを感じた公演でしたね。作ってる最中はウケるかどうかさっぱり分かりませんでしたが、連日お客さんがノリノリで良かったです。こういう作品に触れると、普段やらない演出をやるので、その機会は本当にありがたかったですね。好きですよこういうのも、演出するの。楽しいし。
黒川陽子さんは、美容室で同じ男の彼女同士が鉢合わせするという「彼女たち」を書かれました。4作品の中で一番間口が広く、喜んでもらいやすい作品でした。唯一、二幕構成だったので、最初と最後に配置して、公演全体の基調を作ってもらいました。黒川陽子さんは構造のひとだと思われがちな気がするんですけど、私は彼女の台詞が好きです。すっとぼけていて。
あと黒川陽子さんはこのブログが面白いです。女子会4人は女子力不足にあえいでいる、ということはほうぼうで語られていますが、まさかアレが未体験だったなんて。。。そしてそれなのにアレをナニするなんて。。。
http://gekisakkajoshikai.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
最後にモスクワカヌさん。女が配偶者の誕生日ケーキをつくる「バースデイ」の作家です。すでに露出していますが「人間は生まれてきたことが不幸じゃないですか☆」という名言を持つ彼女。作品は真っ暗でしたが、ご本人は陰気さを通り越してギャグになっていて、周囲に笑いを振りまくサザエさん的存在です。この作品が一番分からなかったですね。分からなかったので、一番色々試して、色々なバージョンが出来た作品でした。結局完成形は分かりませんが、上演版は面白くなったんじゃないかなと思います。過程で作ったやつもそれぞれ面白いんですけどねえ。なんでしょ、やっぱり関わりや対立が見えたほうがより面白かったですね。それに抑圧。そのへんがキーワードでした。
モスクワかわいいよモスクワ
でまあ、こんなふざけたタイトルの企画になんで乗っかったのかっていうと、ふざけたタイトルで中身を本気でやるっていうのが楽しかったからだね。女子会って。バカか、って思うじゃない。バカなこと全力で臆面もなく恥をかくこと上等でやるのって、カッコイイじゃん。だからこのタイトルにだまされて、来なかったひとは、残念でしたねーて思います。うーんそれはそれで結構残念なんだけど、でも、こういうのを女流劇作家短篇集、みたいなお固いパッケージにしても、素敵くない気がするのよ。それこそ十把一絡げになっちゃうというか、どんなに素敵なことをやっていてもぱっと印象に残らない。
だから、バカな感じで大変いいタイトルだと思います。ふざけすぎてるくらいがカッコイイし、それで観にきたお客さまにパンチをお見舞いするくらいで書いてほしいわね。
出演者に言及しようと思ったら作家でけっこうな分量になったので、今宵はここまでにしとうございます。
あ、時間堂次回出演者オーディションが明日6/21〆切だよ。まだ間に合うので興味のある方はwebをチェックだ。 http://jikando.com
梅雨の晴れ間のサンシャイン60
時間堂共催「劇作家女子会!」無事終演したのです。足をお運びくださったみなさま、ありがとうございます。
そういうわけで、あることないこと振り返ったり振り返らなかったりしましょうかね。
の前に、こりっちにたくさんのご感想ありがとうございます。
http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_main_id=35060
togetterにも感想がまとめられています。ありがとうございます。
http://togetter.com/li/519803
開演前の舞台。美術伊崎瑞穂の壁画
母のような気持ちで演出しましたね。俳優に対してではなく、台本に。だって四作品あるんですから、それぞれいい子に育って欲しいじゃないですか。姉妹仲良く競い合っていい女になればいいなと思ってやりましたね。
オムニバス公演で作家がバラバラといえば4x1hっていう企画を5年前にやりましたね。このときの作家陣 [上野友之(劇団競泳水着)、篠田千明(快快)、冨士原直也、マキタカズオミ(elePHANTMoon)、中屋敷法仁(柿喰う客)、谷賢一(DULL-COLOREDPOP)] はなかなかいま見てもいい選球眼だったなーと思います。演劇で5年生き残るって大変なことだけど、この中の半分以上が生き残っているだけではなくて、当時よりも活躍しているって、すごいことだと思う。
そして、今回の劇作家女子会の4人もそうなると思うよ。
劇作家女子会のみなさま。左からオノマリコ、坂本鈴、黒川陽子、モスクワカヌ。ちなみに撮影は原田優理子。ブログから勝手にもらってきちゃったよ、ありがとう。
演出していて特別大変なことは特になかったです。大変なことはいつでも一緒だしね。ただ、台本を改善する作業で、ひとりの作家とやり取りするなら一対一だけど、それが四倍になるのは面白い経験でした。てか、四倍になるとお祭り騒ぎでした。
オノマリコさんの「Compassion」は、ベンチに座っている男に、女が「千円」と話しかけるはなし。
オノマリコさんの台本は「解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」「テヘランでロリータを読む」につづいて3本目で、無理なく作品と向かい合えました。不条理劇とか、女性役がエキセントリックとか、よく言われましたけど、あんまりそういう風に思って演出しませんでしたね。「自分が思い描く最強に強まったカッコいい女性」だと思って演出してました。自分が理解しやすい台本は、かえってお客さまへの提示が不親切になりやすいので、そのへんは気をつけました。
坂本鈴さんは「親指姫」小学生がメール代筆で対決するっていうやつです。唯一の描き下ろしということで、二転三転しましたが、結果的にこの4本の中にあって良かったです。重めの作品が多い中、分かりやすいエンターテイメントが挟まると一息つけますからね。これ単品だとのってくれないお客さまも、今回の並びなら飲み込んでくれるとか、そういう意味でオムニバスの面白さを感じた公演でしたね。作ってる最中はウケるかどうかさっぱり分かりませんでしたが、連日お客さんがノリノリで良かったです。こういう作品に触れると、普段やらない演出をやるので、その機会は本当にありがたかったですね。好きですよこういうのも、演出するの。楽しいし。
黒川陽子さんは、美容室で同じ男の彼女同士が鉢合わせするという「彼女たち」を書かれました。4作品の中で一番間口が広く、喜んでもらいやすい作品でした。唯一、二幕構成だったので、最初と最後に配置して、公演全体の基調を作ってもらいました。黒川陽子さんは構造のひとだと思われがちな気がするんですけど、私は彼女の台詞が好きです。すっとぼけていて。
あと黒川陽子さんはこのブログが面白いです。女子会4人は女子力不足にあえいでいる、ということはほうぼうで語られていますが、まさかアレが未体験だったなんて。。。そしてそれなのにアレをナニするなんて。。。
http://gekisakkajoshikai.blog.fc2.com/blog-entry-65.html
最後にモスクワカヌさん。女が配偶者の誕生日ケーキをつくる「バースデイ」の作家です。すでに露出していますが「人間は生まれてきたことが不幸じゃないですか☆」という名言を持つ彼女。作品は真っ暗でしたが、ご本人は陰気さを通り越してギャグになっていて、周囲に笑いを振りまくサザエさん的存在です。この作品が一番分からなかったですね。分からなかったので、一番色々試して、色々なバージョンが出来た作品でした。結局完成形は分かりませんが、上演版は面白くなったんじゃないかなと思います。過程で作ったやつもそれぞれ面白いんですけどねえ。なんでしょ、やっぱり関わりや対立が見えたほうがより面白かったですね。それに抑圧。そのへんがキーワードでした。
モスクワかわいいよモスクワ
でまあ、こんなふざけたタイトルの企画になんで乗っかったのかっていうと、ふざけたタイトルで中身を本気でやるっていうのが楽しかったからだね。女子会って。バカか、って思うじゃない。バカなこと全力で臆面もなく恥をかくこと上等でやるのって、カッコイイじゃん。だからこのタイトルにだまされて、来なかったひとは、残念でしたねーて思います。うーんそれはそれで結構残念なんだけど、でも、こういうのを女流劇作家短篇集、みたいなお固いパッケージにしても、素敵くない気がするのよ。それこそ十把一絡げになっちゃうというか、どんなに素敵なことをやっていてもぱっと印象に残らない。
だから、バカな感じで大変いいタイトルだと思います。ふざけすぎてるくらいがカッコイイし、それで観にきたお客さまにパンチをお見舞いするくらいで書いてほしいわね。
出演者に言及しようと思ったら作家でけっこうな分量になったので、今宵はここまでにしとうございます。
あ、時間堂次回出演者オーディションが明日6/21〆切だよ。まだ間に合うので興味のある方はwebをチェックだ。 http://jikando.com