1月2日。
朝ごはんを食べて、ムサビにいろいろ話を聞く。まず絨毯屋は「私の友達を名乗る人はいっぱいいるけどね、バーザールは交渉したらいきなり半額とかになるでしょ、変だよ。私ならエンケラーブ通りからヴァリーイェアスル通りを北に入ったところにある10件くらいのカーペット屋から選ぶね」だそうです。ちょうどその辺に行くつもりだったので、冷やかしてみるか。
このときはまだ、我が身にイラン最大の危機が訪れるとは、まだ知る由もなかった。
だんだん分かってきたこととしては、テヘランは北の山側が新市街で、南が旧市街なのね、ていうこと。東京の山の手と下町みたいなものか。で、下町にはコーヒーショップと言われるいわゆる喫茶店はほぼ無いので、山の手に行かねばならない。テヘラン大学のあるエンケラーブ通りあたりが、本屋が多く開けた地域のようだ。昨日ムハマドさんといったチボシというコーヒーショップも、エンケラーブ通りからカールガー通りを北に行くとある。とある知人に聞いた、劇場があるという話のダーネシジュー公園もエンケラーブ通り沿い。なので、そのへんを歩いてみる。
ホテルを出て、初めてのバス。テヘランはバスが全部ペルシャ語だし、バス停も微妙なのでハードル高い。ホテル前はいつも歩いているし毎日感じを見ていたし、何より目的地に行ったことがあるので、こんなかな、と思って乗ってみる。男性、後ろは女性。子どもが乗ってて可愛かった。イランの子どもは可愛い。エマームホメイニー広場到着。バスやタクシーは、なんとか広場とかいうと話が通りやすい。ていうか、だいたい広場と広場の間を移動している気がする。
そこから乗り合いタクシーで、ていうかテヘランのタクシーは基本乗合なんだけど、フェデロウシー通りを北上して、エンケラーブ通りとの交差点、フェルドウシー広場まで乗せてもらう。ちなみに、バスは2,000リアル5円、タクシーは5,000リアル14円、メトロはバスと同じくらい。テヘランの公共交通はとにかく安い。物価はなんでも安いけど。500のペットボトルの水5,000リアル、サンドイッチ30,000リアル、ケバブ丼60,000リアル160円、博物館は1~30,000リアル、コーヒーショップのコーヒー50,000リアルくらい、レストランの食事200,000リアル560円くらい。大体の目安ね。
エンケラーブ通りやフェルドウシー通りをそぞろ歩くと、おしゃれな洋服屋やコーヒーショップがいくつか見つかる。ひとの身なりもホテルのあるアミール・キャビール通りよりパリっとする。あちこちいいところをひやかして、ダーネシジュー公園到着。イランは庭園の国だけあって、公園はどこも美しい。劇場発見、ただペルシャ語だらけで何時に何が公演しているのかはさっぱりわからない。
公園からヴァリーイェアスル通りに入って、そろそろお昼にしようかと思いお店を物色するが、若者の街らしくピザ屋とかサンドイッチ屋ばっかり。イランでビザもねえだろうと思って、フラフラ歩いて、ターレガニー通りを西に行って、ようやっと地元っぽいキャバーブ屋に入る。英語は一切通じないけど、身振り手振りで注文。美味しかったです。
それから、ムハマドに教えてもらった現代美術センターへ行く。ここも美しい公園の中にあって、感じの良いミュージアムショップと、オープンカフェがあって賑わっていた。英語はほとんど通じないけど。劇場もあると利いていたので聞いてみると、今日明日はクローズらしい。残念だ。
テヘランのオシャレっぽいカフェでは、コーヒーにチョコレートがついてきて、かつ無料のWi-Fiが飛んでいることが多い。ここのパラダイスカフェもそうだった。テヘランで初めて見た、タバコを吸ってる女性、ガーデンパーティーをするオシャレピーポー達、そんな場所。
そこから、ムハマドに教えてもらった監獄博物館に行こうとする。ここまでは歩ける範囲だったんだけど、監獄博物館はちょっと遠いし、周囲にめぼしい駅や広場もない。タクシーを拾おうとすると、普通の車がするする寄って来て乗れよというので、ホイホイ乗り込む。地図を見せて行くよ行くよと車を走らせる。イラン男性は身体に触れ合うことが多いので、やたら触れてくるけど郷に入れば郷に従えだなと行儀良くする。だんだんエスカレートしてきたので、あ、これは文化の違いじゃなくて性的嗜好の違いだなと分かり、貞操の危機を感じる。そんなに派手な行為はなかったけど、気分良くないもんだね。痴漢される気持ちが少し分かった。
場所には無事送り届けてくれて、気分的には命からがら車から転げ降りて、実際はふつうに車を降りて、監獄博物館へ。ここはすごく良かった。10年前まで監獄として使われていた施設で、2ヶ月前にオープンしたとのこと。案内の男性も非常に親切で、帰りのタクシーを拾って交渉までしてくれた。一般囚と政治囚に別れていて、政治囚のほうが過酷な環境だった様子。当時に思いを馳せると恐ろしい。1978の革命時の監獄のビデオ、政治犯が開放されているシーンがあって、今のテヘランでは観られない、ショールをかぶっていない女性がたくさん出ていて、複雑な気分になった。外ではサッカーに興じる若者たち、内部は一部改装されて謎のアーティスティックな空間にリノベーションされていたりして、そのズレも趣深い。案内の男性もサッカー好きで、鹿島アントラーズを知っていた。なぜだ。
ちょっと街から遠いので、タクシーを拾ってもらってエンケラーブ広場まで行く。「テヘランでロリータを読む」の登場人物たちも歩いたであろう、本屋街通りを歩く。英語版のジェイン・エアを見つける。通りのコーヒーショップでコーヒーを飲んで、街をそぞろ歩く。
地下鉄でホテルに帰り、就寝。
朝ごはんを食べて、ムサビにいろいろ話を聞く。まず絨毯屋は「私の友達を名乗る人はいっぱいいるけどね、バーザールは交渉したらいきなり半額とかになるでしょ、変だよ。私ならエンケラーブ通りからヴァリーイェアスル通りを北に入ったところにある10件くらいのカーペット屋から選ぶね」だそうです。ちょうどその辺に行くつもりだったので、冷やかしてみるか。
このときはまだ、我が身にイラン最大の危機が訪れるとは、まだ知る由もなかった。
だんだん分かってきたこととしては、テヘランは北の山側が新市街で、南が旧市街なのね、ていうこと。東京の山の手と下町みたいなものか。で、下町にはコーヒーショップと言われるいわゆる喫茶店はほぼ無いので、山の手に行かねばならない。テヘラン大学のあるエンケラーブ通りあたりが、本屋が多く開けた地域のようだ。昨日ムハマドさんといったチボシというコーヒーショップも、エンケラーブ通りからカールガー通りを北に行くとある。とある知人に聞いた、劇場があるという話のダーネシジュー公園もエンケラーブ通り沿い。なので、そのへんを歩いてみる。
ホテルを出て、初めてのバス。テヘランはバスが全部ペルシャ語だし、バス停も微妙なのでハードル高い。ホテル前はいつも歩いているし毎日感じを見ていたし、何より目的地に行ったことがあるので、こんなかな、と思って乗ってみる。男性、後ろは女性。子どもが乗ってて可愛かった。イランの子どもは可愛い。エマームホメイニー広場到着。バスやタクシーは、なんとか広場とかいうと話が通りやすい。ていうか、だいたい広場と広場の間を移動している気がする。
そこから乗り合いタクシーで、ていうかテヘランのタクシーは基本乗合なんだけど、フェデロウシー通りを北上して、エンケラーブ通りとの交差点、フェルドウシー広場まで乗せてもらう。ちなみに、バスは2,000リアル5円、タクシーは5,000リアル14円、メトロはバスと同じくらい。テヘランの公共交通はとにかく安い。物価はなんでも安いけど。500のペットボトルの水5,000リアル、サンドイッチ30,000リアル、ケバブ丼60,000リアル160円、博物館は1~30,000リアル、コーヒーショップのコーヒー50,000リアルくらい、レストランの食事200,000リアル560円くらい。大体の目安ね。
エンケラーブ通りやフェルドウシー通りをそぞろ歩くと、おしゃれな洋服屋やコーヒーショップがいくつか見つかる。ひとの身なりもホテルのあるアミール・キャビール通りよりパリっとする。あちこちいいところをひやかして、ダーネシジュー公園到着。イランは庭園の国だけあって、公園はどこも美しい。劇場発見、ただペルシャ語だらけで何時に何が公演しているのかはさっぱりわからない。
公園からヴァリーイェアスル通りに入って、そろそろお昼にしようかと思いお店を物色するが、若者の街らしくピザ屋とかサンドイッチ屋ばっかり。イランでビザもねえだろうと思って、フラフラ歩いて、ターレガニー通りを西に行って、ようやっと地元っぽいキャバーブ屋に入る。英語は一切通じないけど、身振り手振りで注文。美味しかったです。
それから、ムハマドに教えてもらった現代美術センターへ行く。ここも美しい公園の中にあって、感じの良いミュージアムショップと、オープンカフェがあって賑わっていた。英語はほとんど通じないけど。劇場もあると利いていたので聞いてみると、今日明日はクローズらしい。残念だ。
テヘランのオシャレっぽいカフェでは、コーヒーにチョコレートがついてきて、かつ無料のWi-Fiが飛んでいることが多い。ここのパラダイスカフェもそうだった。テヘランで初めて見た、タバコを吸ってる女性、ガーデンパーティーをするオシャレピーポー達、そんな場所。
そこから、ムハマドに教えてもらった監獄博物館に行こうとする。ここまでは歩ける範囲だったんだけど、監獄博物館はちょっと遠いし、周囲にめぼしい駅や広場もない。タクシーを拾おうとすると、普通の車がするする寄って来て乗れよというので、ホイホイ乗り込む。地図を見せて行くよ行くよと車を走らせる。イラン男性は身体に触れ合うことが多いので、やたら触れてくるけど郷に入れば郷に従えだなと行儀良くする。だんだんエスカレートしてきたので、あ、これは文化の違いじゃなくて性的嗜好の違いだなと分かり、貞操の危機を感じる。そんなに派手な行為はなかったけど、気分良くないもんだね。痴漢される気持ちが少し分かった。
場所には無事送り届けてくれて、気分的には命からがら車から転げ降りて、実際はふつうに車を降りて、監獄博物館へ。ここはすごく良かった。10年前まで監獄として使われていた施設で、2ヶ月前にオープンしたとのこと。案内の男性も非常に親切で、帰りのタクシーを拾って交渉までしてくれた。一般囚と政治囚に別れていて、政治囚のほうが過酷な環境だった様子。当時に思いを馳せると恐ろしい。1978の革命時の監獄のビデオ、政治犯が開放されているシーンがあって、今のテヘランでは観られない、ショールをかぶっていない女性がたくさん出ていて、複雑な気分になった。外ではサッカーに興じる若者たち、内部は一部改装されて謎のアーティスティックな空間にリノベーションされていたりして、そのズレも趣深い。案内の男性もサッカー好きで、鹿島アントラーズを知っていた。なぜだ。
ちょっと街から遠いので、タクシーを拾ってもらってエンケラーブ広場まで行く。「テヘランでロリータを読む」の登場人物たちも歩いたであろう、本屋街通りを歩く。英語版のジェイン・エアを見つける。通りのコーヒーショップでコーヒーを飲んで、街をそぞろ歩く。
地下鉄でホテルに帰り、就寝。