私の劇団、時間堂で新劇団員を募集している。あと一週間後の6/18(月)〆切なので、ふるってご参加下さい。

さて。表題の本文。

劇団Aの劇団員Bと、その後輩の劇団員Cについて話してた。劇団Aは時間堂よりキャリアも動員も多い劇団。私とCは、Cが劇団Aに入るか入らないかくらいから顔見知り。

手短に言えば、Cは成長したよねえ、としみじみ話した。実際に3年を過ぎたあたりからメキメキ音を立てて伸びた。でも、そんなに伸びるなんて思っていなかったから、正直びっくりした。もちろん嬉しく思ったし、それを読みきれなかったのが悔しくもあった。

フリーの俳優として活動する道を否定はしない。一時期劇団というものが廃れて、プロデュース公演が流行った時期もあった。時間堂も1997年に活動をはじめてからしばらくは一人で活動している、いわゆるプロデュースユニットのようなものだった。だから、実際自分もそうだったので、フリーやりたい気持ちはよく分かる。

たしかに、劇団は面倒な事が多い。人間関係でも、運営でも、ひとりでならサクサク決められることが決められなかったり、やりたくない雑務や、さほどノリ気でない作品に出ないといけないこともあるだろう。しがらみは増える、自分の時間は減る、それは間違いない。

それでも時間堂を劇団にしたのは、同じ俳優と長時間過ごして密な共同作業をしないと、やりたい演劇に近づけないと感じたから。劇団としては、本気で取り組んでいて、劇団の方向を理解し、美しいと思うものを共有し、同じ言葉で演劇作りをする仲間は、とっても大事。技術や経験のあるなしは関係ない。そんなの経験を積めばつくから。
俳優としても、成長しようとおもったら、劇団に入って信頼出来る仲間と切磋琢磨する方が、フリーでいるよりはるかに効率的だと思う。

楽しちゃいけないと思ったんだよね。人と関わることに。演劇づくりを突き詰めたいならさ。いや、いらん苦労はしなくていいけど、苦労をゼロにすることは出来ないし、ならば苦労を他者と分かち合う歩み方をしたほうが、より大きな果実が手に入ると思うんだ。

で、ここから先が重要なんだけど、最低3年は一緒にやったほうがいいと思う。これはCの例を見てて思うことでもある。1年2年ではお互い分からないことが多すぎる。いい時期があって、うまくいかない時期があって、またいい時期があって悪い時期があって、を何度か繰り返して、ようやっとお互いに「成長したね」て共有できる場所に移動できるんだと思う。

俳優としての成長って、ドラクエみたいに経験値を貯めたら突然レベルが上がるって類のもので、コツコツ努力したら右肩上がりの斜め線で実力がつくもんじゃないと思う。ずっとずっと暗いトンネルを歩いていて、急に道がひらけるようなことが多いはず。経験のある俳優でも、方々で仕事をして、自分のスタイルを見失う時があると聞く。自分のホームといえる活動拠点は、あったほうがいいんじゃなかろうか。

Bは映像や商業演劇でも活躍している、いままさに上り坂のいい俳優。おちゃらけて見えるけど、演劇に対して、劇団に対して真剣で、何より愛がある。Cはいまでは劇団Aの中でも欠くべからざる存在として、Bも信頼を寄せている。

時間堂と黒澤世莉も、そういう出会いを待っている。一緒になるからには、面倒みます。


時間堂【次回公演出演者&劇団員】オーディション開催

2013年1月の本公演(台本 オノマリコ / 演出 黒澤世莉)
の出演者(A)、および今後の創作活動を共にする劇団員(B)を募集します。


【ごあいさつ】
私たちは、俳優至上主義の演劇をつくっています。演劇の最小構成要素は、俳優と観客です。
俳優同士の関係性、俳優と観客の関係性。
私たちにとって演劇とは関係性そのものであり、俳優の内部にも、観客の内部にもなく、
その間に生まれ、瞬間瞬間蜃気楼のように移ろうものです。

素舞台や古典など負荷の高い環境にも耐えうる俳優と、難しいけど奥深く魅力ある台本で、
シンプルでスタンダードかつ、ふつうの、すごい演劇。それが時間堂の演劇です。
書くのは簡単ですが、やるのは大変です。一朝一夕ではできない、時間をかけても追いつかない。
2ヶ月稽古して、作品を作り、1年ワークショップして演劇とは何かを考え、人生をかけて「演劇」になる。

そういう活動に興味があったら、一度会いに来てください。演劇で遊びましょう。

黒澤世莉


【公演情報】
『テヘランでロリータを読む(仮)』 原作:アーザル・ナフィーシー
日程:2013年1月19日〜28日 多少前後する可能性があります
会場:ミニシアター1010(各線北千住駅徒歩1分)
台本:オノマリコ(趣向)
演出:黒澤世莉(時間堂)
物語:
イラン・イスラム共和国。西アジア・中東のイスラム共和制国家。かつてペルシャと呼ばれた場所。首都はテヘラン。
彼女たちはスカーフを巻いていなかった。革命の前には、巻いてなかった。強姦をした男が鞭で打たれ、強姦をされた少女が死刑になる、そういう国になる以前には。
マネキュアの輝く指先をかくして、彼女たちはやってくる。小さな部屋で、ナブコフの「ロリータ」を読む。強姦された少女が殺される国。イラン。
現在も続くイランの抑圧的な法の下で苦しむ男女の恋愛を描く。

2011年5月KAAT大スタジオで上演された、趣向「解体されゆくアントニン・レーモンド建築旧体育館の話」。劇評サイト、ワンダーランド「振り返る私の2011」のベスト3に2人から選ばれた作品の、台本オノマリコと演出黒澤世莉のタッグで新作を上演。
瑞々しく鮮烈な演劇を立ち上げ高評価を得たコンビが、時間堂にホームを移して再び【光の演劇】を立ち上げる。


【出演条件】
チケットノルマ無し、販売数に応じてバック有り。


【募集人数】
 A:出演者 男4-6名、女2-4名
 B:劇団員 男1-2名、女0-1名
 A・Bどちらか、または両方に応募することができます。
 オーディションはA・B同時に行います。
 募集人数はあくまでも予定です。


【参加費】:1000円(2次審査のみ)


【応募条件】
・AB共通:職業人としての意識がある / 時間堂の作品又はDVDを観たことがある / オーディションに参加できること
・A:2012年11月下旬からの稽古・公演に参加できること / 他団体所属の場合は許可を得ること
・B:現在劇団に所属していないこと(事務所所属の場合は許可をとること)


【受付期間】2012年5月16日(水)〜2012年6月18日(金) メールのみ


【オーディション日程】


<1次審査:書類>
 2012年5月16日(水)〜6月18日(金)メールのみ・必着


<2次審査:ワークショップ+課題>
 ※以下の日程の中から1回参加
 ・7月1日(日)14:00〜17:00
 ・7月1日(日)18:30〜21:30
 ・7月2日(月)18:30〜21:30
 ・7月3日(火)18:30〜21:30
 ・7月4日(水)18:30〜21:30


<最終審査:ワークショップ+台本>
 ※2次審査合格者のみ
 7月7日(土)12:00〜20:00(途中休憩有り)
 予備日:7月8日(日)12:00〜20:00


<面談(Bのみ)>
 最終審査終了後、随時


【応募方法】
バストアップと全身の写真計2枚を添付し、下記をご記入の上、
[E-mail(2MB以内)]にてタイトルを「オーディション応募」としてお申し込み下さい。

【1】お名前(ふりがな)
【2】年齢
【3】性別
【4】電話番号
【5】メールアドレス
【6】住所
【7】俳優としての長所/短所
【8】観劇したことのある時間堂作品
【9】応募種別(選択してください)
 A:出演者 B:劇団員 C:両方
【10】2次審査希望日時(第2希望まで)
【11】最近の舞台出演等、特記すべき事項があればお書きください

[E-mail] info@jikando.com


◆お申し込み後、4日以上経過しても返信がない場合、通信事故が考えられますので、お手数ですがお電話にてお問合せください。
◆携帯メールからお申し込みのお客様は、「info@jikando.com」からのメールを受信できるよう、設定してください。


わたしたちは、たくさんの方と出会い、演劇の可能性を交換できることを切望しております。
ご応募、お待ちしております。

時間堂・一同