ENBUゼミではサンフォード・マイズナー・テクニックの講座を受け持ってます。ずっと師匠のアシスタントやってたのですが、自分がメインでリーダーをやるのは初めてです。
うちの師匠は柚木佑美といって、本人も俳優をやりながら、NHKや新国立劇場演劇研修所で講師をされてます。またアクターズワークスというグループがワークショップを企画してますので、興味があったら見学したり受講したらいいと思います。身内贔屓するわけじゃないですけど、柚木佑美は日本で一番の俳優指導者の一人だと思ってますし、柚木さんがやってるかぎり、私がやんなくてもいいと思ってます。アクターズワークスに興味があったら、以下のリンクをレッツクリックだよ。
http://actorsworks.blogspot.com/
でも、マイズナーテクニックはとても良い演技技術だと思うし、それに触れられるチャンネルが増えるのはいいことだと思いました。ENBUゼミさんからお話を頂いて、私でお役に立てることがあるならばと、引き受けることにしました。
マイズナー・テクニックは、最近ではいろいろなところでやられているみたいです。チャンネルが増えるのはいいことだと思うんですが、気をつけて運用しないと誤解を与えて終わっちゃうのが怖いなあと思います。
たとえばリピテション [repetition] という練習方法があるんですけど、これの本質を捉えて運用するのは困難なことだと思います。私は、人に明快に伝える場合、最低でも25時間のプログラムでないとやりたくありません。表面だけさらっとなぞるなら短くても可能ですけど、そんな紹介に意味があるとも思えない。
自分がリピテションの本質に気づいたのが、マイズナーテクニックに出会ってから3年くらいしてからでした。もちろん、多くの人は私よりも性能がいい演劇人でしょうから、もっと早く本質を掴んでくださるとは思うのですが、より効果的な技術修練のため、主催側も受講者側も、ある程度の時間は確保して望んでほしいなと思います。
リピテションは、マイズナーテクニックの入り口にすぎません。リピテションが自由にできる、つまり、自分の感情を過不足なく相手に表現し、相手の感情を研ぎ澄まして受け取れる、お互いの関係性が明確で濃密に出来るところが、スタートです。その基礎を共有して、役作りや戯曲読解に入って行きます。なので、アクターズワークスのクラス受けるなら、エクササイズクラスを受講して向いているやり方だと思ったり、ここには何かあると思ったら、キャラクタークラスとシーンクラスは受講して下さい。そこまでやらないと、あんまり意味ないと思います。
もちろん、鋭い俳優諸氏ですから、エクササイズクラスだけでもうまく生かせるでしょうが、マイズナーおじさんは「感情の開放」とか「一人で泣きわめく俳優」を作りたくて、彼の方法論を生み出したんじゃないってことは、覚えておいて欲しいです。
なんでこんなこと書いたのかというと、マイズナーにしろリピテションにしろ、「オレ分かったぜ」風に語られると「はぁ、あんたほんとに分かってんスカ」みたいに思うからです。私も本質をつかもうとして、触れては離れてを繰り返している身です。
「これで分かった」とか思ったら、全然分かってないって証拠です。そういうの見聞きすると、私腹立つので、書いておきます。これはマイズナーに限らない、技術全般のことだと思いますけど、態度の問題じゃなくて、心からの技術、実力に対する自信と、それゆえの謙虚さがないと、ほんとダメだと思います。
今日もクラスで、ある受講生の一言にはっとさせられました。何気ない発言が、自分の血肉になるような響きになるんですよ、演劇のクラスっていうのは。でも、「分かってる」て思ってるひとは人の話聞いてない、だから素敵な言葉や体験が交換されていてそれに気づかない。傲慢ゆえに人の話聞かないひとはホント嫌いです。
クラスによってはそもそも受講者同士の対話の時間がない場合もあって、それもダメだと思います、受講者の気づきや言葉に含まれている熱意や感動が、どれだけ受講者の技術に生きるヒントが含まれているのか、それが指導する側の糧になるか。また成長がどこまで進んでいて、または進んでいないのか、饒舌に語ってくれるか。私はその情報を元にしないと、俳優指導なんてとてもじゃないけどできないです。
ひとりでも多くの人に、サンフォード・マイズナー・テクニックが、シンプルで有効な演技技術として理解されますように。
うちの師匠は柚木佑美といって、本人も俳優をやりながら、NHKや新国立劇場演劇研修所で講師をされてます。またアクターズワークスというグループがワークショップを企画してますので、興味があったら見学したり受講したらいいと思います。身内贔屓するわけじゃないですけど、柚木佑美は日本で一番の俳優指導者の一人だと思ってますし、柚木さんがやってるかぎり、私がやんなくてもいいと思ってます。アクターズワークスに興味があったら、以下のリンクをレッツクリックだよ。
http://actorsworks.blogspot.com/
でも、マイズナーテクニックはとても良い演技技術だと思うし、それに触れられるチャンネルが増えるのはいいことだと思いました。ENBUゼミさんからお話を頂いて、私でお役に立てることがあるならばと、引き受けることにしました。
マイズナー・テクニックは、最近ではいろいろなところでやられているみたいです。チャンネルが増えるのはいいことだと思うんですが、気をつけて運用しないと誤解を与えて終わっちゃうのが怖いなあと思います。
たとえばリピテション [repetition] という練習方法があるんですけど、これの本質を捉えて運用するのは困難なことだと思います。私は、人に明快に伝える場合、最低でも25時間のプログラムでないとやりたくありません。表面だけさらっとなぞるなら短くても可能ですけど、そんな紹介に意味があるとも思えない。
自分がリピテションの本質に気づいたのが、マイズナーテクニックに出会ってから3年くらいしてからでした。もちろん、多くの人は私よりも性能がいい演劇人でしょうから、もっと早く本質を掴んでくださるとは思うのですが、より効果的な技術修練のため、主催側も受講者側も、ある程度の時間は確保して望んでほしいなと思います。
リピテションは、マイズナーテクニックの入り口にすぎません。リピテションが自由にできる、つまり、自分の感情を過不足なく相手に表現し、相手の感情を研ぎ澄まして受け取れる、お互いの関係性が明確で濃密に出来るところが、スタートです。その基礎を共有して、役作りや戯曲読解に入って行きます。なので、アクターズワークスのクラス受けるなら、エクササイズクラスを受講して向いているやり方だと思ったり、ここには何かあると思ったら、キャラクタークラスとシーンクラスは受講して下さい。そこまでやらないと、あんまり意味ないと思います。
もちろん、鋭い俳優諸氏ですから、エクササイズクラスだけでもうまく生かせるでしょうが、マイズナーおじさんは「感情の開放」とか「一人で泣きわめく俳優」を作りたくて、彼の方法論を生み出したんじゃないってことは、覚えておいて欲しいです。
なんでこんなこと書いたのかというと、マイズナーにしろリピテションにしろ、「オレ分かったぜ」風に語られると「はぁ、あんたほんとに分かってんスカ」みたいに思うからです。私も本質をつかもうとして、触れては離れてを繰り返している身です。
「これで分かった」とか思ったら、全然分かってないって証拠です。そういうの見聞きすると、私腹立つので、書いておきます。これはマイズナーに限らない、技術全般のことだと思いますけど、態度の問題じゃなくて、心からの技術、実力に対する自信と、それゆえの謙虚さがないと、ほんとダメだと思います。
今日もクラスで、ある受講生の一言にはっとさせられました。何気ない発言が、自分の血肉になるような響きになるんですよ、演劇のクラスっていうのは。でも、「分かってる」て思ってるひとは人の話聞いてない、だから素敵な言葉や体験が交換されていてそれに気づかない。傲慢ゆえに人の話聞かないひとはホント嫌いです。
クラスによってはそもそも受講者同士の対話の時間がない場合もあって、それもダメだと思います、受講者の気づきや言葉に含まれている熱意や感動が、どれだけ受講者の技術に生きるヒントが含まれているのか、それが指導する側の糧になるか。また成長がどこまで進んでいて、または進んでいないのか、饒舌に語ってくれるか。私はその情報を元にしないと、俳優指導なんてとてもじゃないけどできないです。
ひとりでも多くの人に、サンフォード・マイズナー・テクニックが、シンプルで有効な演技技術として理解されますように。