冬至が好き。明日から日が日々長くなっていくんだな、ていう感覚が好き。
年末の冷え込みが好き。冬が来てから、もう一段階本気出した感じの冷え込みが好き。布団の王国からの脱出が困難になるのは困るけれども。
明日は新月。ないものがある、っていう新月の存在が好き。

書きたいことはたくさんあるような気がするし、なにもないような気もする。

公演に関わってくださるみんなに、感謝の気持ちを述べたい、なんて書くのはおこがましい気もするし、でもそう思う瞬間は多々あるのは本当。

腹に据えかねることがある。それを見据えていることが、発散することより重要な気がする。
疑うことは簡単で、信じることは難しい。だけど100%信じてしまうと、硬直する。99%信じて、20%疑う、という割合が、今自分が求めている感覚。

作品に貢献できているかどうか、が重要で、自分の意志とか自意識とか、ほんとうにどうでもいい。
台本と俳優の良さを愚直に引き出す、そこに妥協しない、自分が観たいものを見るために手段を選ばない。それだけ。

差し入れがヤバイ。何がヤバイってスタッフさんがジャンジャン持ってきてくださる。衣裳の阿部さんのカレーはカレーバカの私も唸る美味しさ。照明の吉村愛子さんは市販品かと見まごうクリスマスケーキをご持参くださった。マジか。加藤素子さんのチャーシューは貴重なタンパク源である以上に大事な心の栄養に。大森晴香さんの麻婆豆腐は身体も心もあたたまる味。小林農産さんにいただいたお米「宇田ひかり」は、炊きたてはもちろん美味しくて、冷えても美味しいおにぎりに。単に胃袋を掴まれただけみたいになってるが、いや、はい、そうだよ正直そうですよ悪いか、ほんとうに皆さんありがとう。

24日の公演では、ささやかななギフトをご用意しました。13時は黒澤世莉謹製「ペッパーハニーチャイ」、18時はオノマリコ謹製「ふんわり桜シフォン」。オノマリコさん、マジふんわり美味しかったですありがとうございます。

公演日程の前半では、終演後にポストパフォーマンストークというお話会をやってます。
23日13時のゲストは、倉迫康史さん(演出家/Ort-d.d)。「舞台の上に人情があるか」は面白い切り口でかっこよかったっす。現実に起こる出来事を、受容して進んでいく姿勢に共感、追いつきたいなと思いました。子を持つ父の、やわらかで強い姿勢は私には獲得し得ないものでした。

夜は窪田優、直江里美、ヒザイミズキの、新劇団員三人娘。ぐだぐだトークで心配ですが、楽しんでいただけたかしら。

24日昼のゲストは上妻絢子さん(主婦/郷土史研究家)に、昭和10年代の杉並についてのお話を伺いました。演劇の専門家ではない方とのトークは、とても新鮮で楽しいです。作品の周りにある昔の東京の風景をたくさん語っていただき、大満足でした。

夜のトークは野村政之さん(ドラマターグ/青年団)に、アゴラ劇場の姿勢や、ドラマターグだったらどんな対話をしたか、をお話いただきました。突っ込んで話したい部品の多さに、ドラマターグとしてひっぱりだこの発想力、ずらし方、柔軟性を感じました。野村さんのツイートを一部引用します。
https://twitter.com/#!/nomuramss
俳優のポテンシャルを信じようとする世莉くんのスタンスは、松井さんと通じるところがある。それでいうと、時間堂に出る俳優の人たちは、演出家のいうことをやるというよりは、自分の発想・創造性を最大限発揮する方向でやったほうが、作品を膨らまし、作品に貢献するすることができるような気がする。


倉迫さんとも野村さんとも話していて共感するのは、ロジックだけでなく身体性に注目しているところ。論理で組み立て切れない、解像度を上げ切れない部分をどう補填するのか。そこを生きている人間が埋めていくことが、演劇の魅力なんだってことかもしれない。

明日25日は、藤原央登さん(劇評家)をゲストにお迎えします。たぶんまた面白いお話を伺えるんだろうなあ。いひひ。

ほんとにみなさまみなさま、ありがとうございましすぎます。

毎晩劇場で打ち上げをやらせていただいてます。炊き出しの場所やグッズもお借りして。
ああもう。こまばアゴラ劇場は素敵な劇場です。感謝しかない。

19日(月)に小屋入りして、今日はもう25日(日)。一週間があっという間だった。やっと落ち着いたかなってところ。そう思うと、5月の趣向「アントニン・レーモンド建築 旧体育館の話」は5日間、キコ「Live forever」は6日間と、ほんとフラッシュして終わったようなスケジュールだったなあ。
じっくり作品作りに取り組めるのは、劇団公演の強みと言うか、自分はじっくりつくりたいので、劇団をやってるんだなあと思う。客演出ではスケジュールのわがままはきかないもの。
本当はもっともっとじっくりつくりたい。年単位で時間を書けたい。やりたいことと現実との乖離をどう埋めていくのか、それが仕事の能力なんだろう。

雨森スウが一着一着ちくちく縫ってくれた劇団Tシャツが好評。やっぱり一点物って、なんか気分が盛り上がる。うひゃーい。

吉田小夏さんの上演台本も好評。時間堂ではありえないくらい売れていて、作家力すげーなーって目を丸くしてます。友人MIにいたっては「吉田小夏さんの全部買っちゃったよー思わぬ散財だわ」って、それどんだけ気に入ってんねん。

やっぱり感謝です。関わってくれるみんなに感謝。来てくださるみんなに感謝。明日死んじゃうかもしれないんだから、きちんと生きます。

時間堂「星の結び目」明日25日(日)13:00当日券もございますので、お時間あったらお越しください。クリスマスに見るのも乙な、おおきな物語です。
公演情報はこちら。http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52046287.html
ご予約はこちら。http://ticket.corich.jp/apply/31802/001/

来てくださるあなたにも、来られないあなたにも、メリークリスマス。