「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

November 2016

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宣伝から入りますよ黒澤世莉です。

十色庵でロケを行った片桐仁さん主演「GAKUYA 〜開場は開演の30分前です〜」が今日から放送です。フジテレビTWO ドラマ・アニメ/フジテレビTWOsmartにて。
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2016/161007-i274.html

おなじみの人たちが出てます。

十色庵は映像や演劇に貸出もしてますので、興味を持ったら観に来てくださいね。
http://toiroan.tumblr.com/

宣伝終わり。

『ローザ』稽古9回目。本作は革命家ローザの物語です。政治のこととは切っても切り離せません。そこで、
いまの日本の政治、どちらかといえばいい。イエスかノーか、その理由も教えてね。
て宿題をお願いしました。

「酒場では支持政党とフットボールの話はするな」て意見もありますけどねー。稽古場ならいいんじゃない。

イデオロギーはなんでもいいし、考えの浅い深いもなんでもいいです。とにかく話す。

で、その話ている様と、とあるシーンをレイヤーにしてみる実験をしました。「ただでさえ現代の日本と繋がる話なのに、こんな演出にしたらわかり易すぎる」て意見も出ましたねえ。

でもまあ、構造は不条理で、めっちゃわかり易い、ておはなしでもないので、ま、そういうシーンが有ってもいいのかなー、て思ってます。


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貴夫がモテモテふう。

この日はシーンの稽古をたくさんしました。なにしろ、毎週日曜は通し稽古、て決まったので、週の稽古でシーン進めないといけなくなった。しかもダブルキャストだし。大変だ。仮の舞台美術にも馴染んできましたね。

でも、基礎的なコンタクトインプロもやったよ。基礎も大事。

演劇はこの日も面白かったです。次は日曜日なので、ちょっと長めにできる。そして通しが出来る。ワクワクしますねー。




____________________おしらせ____________________

●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52390095.html続きを読む

むしろ面白いかもよ、て書こうかな、黒澤世莉です。

「時間堂のすゝめ」ていうwebサイトがあって、そこで時間堂の解散に寄せていろいろお言葉頂いております。

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時間堂のすゝめ

集めてる趣旨がアレなんで、コレ読んじゃうとやっぱ感傷的になっちゃうんですけど、ま、それはさておき嬉しいです。コメント寄せてくださったみなさま、心からありがとうございます。

さて、小林タクシーさんはこんなお言葉を寄せてくださってます。

http://jikandonosusume.tumblr.com/post/153327163623/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E6%B0%8F-%E4%BF%B3%E5%84%AA%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%96%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BCzokky%E4%B8%BB%E5%AE%B0%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BCmore

「やる気を失った」私の公演を「ざわつきながら見守」ったり、してくれてる。劇団あてに谷賢一さんからも、情熱を持った人間がいないって公演できるの?ていう趣旨のお言葉を寄せていただいきました。

たぶん、タクシーさんや谷さんは、親切だから直接伝えてくれたんだと思います。きっと数多くの人が「黒澤世莉情熱失ったんでしょ?観たくないよ、それじゃ」て思われてるんだろうな、て思います。

私は、むしろ情熱を失ったって認めたあとのほうが、いい作品がつくれれそうな気がしています。

それは、余計なこだわりや、無駄な不純物を除けて、純粋に作品と向かい合えるから、です。

演劇作家は、大なり小なり、理想と現実の間で葛藤していると思います。たとえば、情熱がある状態と、その情熱が失われた状態もそうです。理想のキャスティングと、客の呼べるキャスティング、とか、そういうことで悩むこともあるかもしれません。すごいイリュージョンがやりたくても、予算には限界があります。

その情熱に関わる部分で、多かれ少なかれ、嘘をつかないといけないときはあると思います。集団をひっぱっていくリーダーには必要なことです。それを責める気持ちはありません。

私もがんばっていました。嘘はつかないまでも、5ミリくらいの情熱を、42キロくらいに言ったこともあると思います。

そういう、リーダーの義務や責任から自由になったいま、創造力や発想力は伸びやかになった、気がします。これからもっと面白い演劇がつくれそうな気がしてますよ。

あ、過去は否定してないからね。いままで27作品、時間堂の作品も全部好きです。たくさんの愛情をかけて育みました。そして、その一作一作の積み重ねが、次の作品、次の作品への経験になっているのです。

だから、過去の演劇づくりにも悔いはないです。その過程があったから、今の気づきがある。ちょっとがんばりすぎちゃったから、燃え尽きちゃったので、ちょっと冷却期間いただきまーす。はい。

で、その前に、時間堂のまわりにいてくれる仲間と、時間堂を楽しみにしてくれてるファンのみなさまに、お別れのご挨拶を、最高の作品という形で共有したい。

そこに愛があるからね。

そう。情熱の有無と、愛情の有無は、全然別のことなんです。

そもそも、演劇を作る集団を継続していく情熱を失った、てことなんだと思います、私に起きたことは。演劇つくるの楽しいよ。これはもう、演劇はじめたころから一瞬たりとも変わらない。

だから私は、私が演劇を愛している以上に、演劇に愛されてるんだろうな、て思います。愛情は返さないとだから、ずっと楽しいんだろうな、て思ってます。

あと、尽きせぬ情熱をもって演劇を作り続けている演劇人の皆様には、本当に尊敬の念を抱いています。すごいです。

末筆ですが、タクシーさんと谷さん、直接書いてくれてありがとう。

まあそんなわけで、『ローザ』お楽しみに、ですよ。




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●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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黒澤世莉です。

前回の稽古で、出演者が「キャラクターをしっかりつくろうよ」て動議が出まして「採用!」と即レスして、キャラクターを深めた稽古だよね。

うちの劇団ごっついストレートプレーばっかやってるので、役柄の人物造形にはうるさい方だと思います。台本にないところまで作り込む。

舞台の上は氷山の一角みたいなもので、水面の下の氷塊があるからどっしり安定するわけでね。

でまあ「キャラクターの身体で歩く」「キャラクターでインタビューする」を、このタイミングでやりました。いつもはもっと早くやるんですけどね。

『ローザ』は、「仕事にするぞ」とか「すごい作品にするぞ」みたいな気負いを一切捨ててつくってます。なので、稽古も「オレたちいかに遊ぶよ?」みたいなことが中心になってます。

『ローザ』台本構造自体が、ふつうのドラマ演劇ではない、一種の不条理劇です。だから、その不条理をどうやったら遊べるか、楽しめるか、作品として豊かになるか、そんなアプローチばっかやった末「やっぱキャラクター大事じゃね?」てなったわけですねえ。

で、キャラクターを耕すようなことをして、そのあとはシーンの稽古をすすめました。そろそろはしゃいでばっかりいないで、どういう作品にするのか、枠組み作らんといかんしね。

はー、楽しい稽古でした。

というわけでスタッフワークなんかも決めんといかんですねー。風呂敷を広げるのは好きだけど、たたむのは面倒だぜ。やるけど。

面倒や失敗も、味わいだと思えば美味しいものです。




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花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
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黒澤世莉です。

バーナード・ショーなんてやってくれるなんて、ナショナル・シアター・ライヴは分かってらっしゃる!と思いながらスケジュールの都合で観に行けなかった『人と超人』。中の人が読んでいたら声を大にしていいたい。

6日間は短すぎる。

なんならもっと大きい声で言いたい。

観劇三昧で配信させて。

それはともかく、大人文化の殿堂Bunkamura様で再上映していただいてつかまつり申し上げられていたので(間違った日本語)、拝見して参った次第でござる。グッジョブ東急。

「なしょなるなんとかってなに?」というかたはこちら。イギリスの面白い演劇を映画にしているんだよ。
ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/

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渋谷はクリスマスであった。

何年か前に『聖女ジョウン』を4~5人で上演したっていう外国のカンパニーの記事が出てて、そりゃすげえやってのと、そんなの私もやってみたいって思っていたジョージ・バーナード・ショー。『マイ・フェア・レディ』の原作になった『ピグマリオン』でも有名ですね。ショーを公演としてやっているのを初めて観せてくれるってことだけでも、満足です。

作品集も面白い。おすすめ。

でまあ『人と超人』です。3時間40分。本はもちろん、俳優も演出もいいと思います。

ただ、ショーの戯曲が根本的に持っている個性の「饒舌な人物の長大な物語」というのは、今回は弱点に傾いているんじゃないかなあ、て思った。単純に「一日働いてくたびれたひと」が仕事帰りに観るもんじゃないなあ、て思った。

ただでさえ論理的に高度ニアリーイコールへりくつを並べ立てる登場人物の減らず口を楽しむのがショーの台本だと思うんですが、逆にい言えば「ずっと喋ってるひとたち」を観るわけで、これはライブならともかく、映像ではどんなに工夫しても厳しい。絵が面白くなりにくい。

かつ、論理的に込み入ったことを字幕で処理するので、読書をしているような頭の使い方をする。本来演劇って声で聞くから分かりやすいんだけど、字幕で4時間近く追っていくのは映画見ながら読書するようなもんだからね。。。

なので、決して観やすいとか、4時間息もつかせぬ、て作品ではなかった。ただ、ときどきぼんやりしつつも、引っかかるとこだけ面白がる、みたいなことでも、十分愉快ではあります。

エンリーが、好き。

重ねていいますが、観て良かったです。ラストの二人のやりあいとか、見応えある。

ネタバレは続きを読むの先に。続きを読む

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黒澤世莉です。

『ローザ』稽古7回目。客席や舞台美術を試してみたりしました。さんざん遊び倒してますけど、キメるところは決めないとねえ。

たんなるおためしでやったことが、けっこういいじゃんって公演まで続く、なんてこともよくある話です。

宿題は「登場人物の好きなエピソードを教えて下さい」です。史劇なので、調べればいろいろ面白い資料が出てきますからね。

この宿題はフィクションでも、エピソードを考えたり出来るので有効かなと思います。

一つのエピソードをピックアップして、ディバイジングでシーンに組み込んだりしました。公演に使うかどうかは分かりませんが、なかなか面白いなーと思いました。

時間堂の公演では、「俺の屍を越えていけ」[2006][王子小劇場プロデュース]、「ピンポン、のような」[2007]、「月並みなはなし」[2007]の話をしました。他者の戯曲を演出初めて、時間堂2007計画を初めて、シネマプライスシアターとかね。ていう時期です。なんだそりゃ、て方はこちらのリンクを御覧くださいよ。

時間堂2007計画
http://jikando.com/past-information/80-2007.html
時間堂は、2007年4月から2008年3月までの1年間を、 「時間堂2007計画」という年間計画にそって活動します。
年間計画は「深呼吸の出来る演劇」という基本的な考え方の元、 「年間ワークショップ」と「シネマプライスシアタープロジェクト」の二つの行動を軸にしています。
一年間の活動を通して、参加者とともに積み重ねを続け、より深く演劇を理解します。 そして、より面白い演劇をみなさまにお届けします。
その成果は、2007年の公演はもちろん、2008年初旬に予定されている公演で確認できでしょう。


ここから、やっぱり腰を据えてアンサンブルをつくりたいわ、と思って2009年の劇団化に進んでいくわけですねえ。

あとはシーンの稽古をこつこつと。基礎練やりたいけどシーンも楽しいなあ。

日々遊んでいます演劇で。




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●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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撮影:保坂萌
【12/20new】黒澤世莉です。明日公演です。いまも世界中で人が殺されてます。そんな中、わたしたちは真剣に平和をつくろうとしたローザのおはなしをお見せします。

以下が観やすい会です。他のステージはご予約お早めに。12/22(木) 15:00 國:横山氏・20:00 菅:市原氏 23(金) 18:00 國:山下氏 24(土) 14:00 菅:小平氏 25(日) 18:00 國:広田氏

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ドイツ革命を駆け抜けたローザのドラマと、彼女が愛した世界を描きます。それは輝くようなかけがえのない希望という縦糸と、吐き気を催すおぞましい憎悪という横糸が織りなす、美しい織物です。

わたしたちの十色庵でお待ちしています。

時間堂最終公演
ローザ
2016年12月21日(水)〜30日(金) at 十色庵


http://jikando.com/
ドイツの革命家ローザ・ルクセンブルク。
彼女の死後、墓前に訪れた因縁の4人が繰り広げる、ローザと過ごした記憶の再現劇。
「想像しろ。ローザの顔、ローザの声、ローザの身体。想像しろ、死の瞬間を。」

俳優の身体と観客の想像力だけで世界を立ち上げる、「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」最終章。


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【随時更新】解散にあたってのコメントをいただきました
時間堂に縁の深い皆様からたくさんのコメントをいただきました。
『時間堂のすゝめ』にてご紹介していきますのでぜひこちらもご覧ください。
http://jikandonosusume.tumblr.com/tagged/comment2016

時間堂の解散についてはこちら
時間堂からの大切なおしらせ [2016]など
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/2026520.html
http://handsomebu.blog.jp/archives/52382067.html

2009年に時間堂が劇団化した最初の公演『花のゆりかご、星の雨』と、最終公演『ローザ』との共通点は、花にまつわるシーンがあることです。『ローザ』初演時は「世界と戦う物語」だと思ってましたが、今は「世界と遊ぶ物語」かなと思います。両端の燃える蝋燭のような人生を駆け抜けたローザの人生を祝福する物語であり、ある人物の安らかな眠りを願う物語です。

花束で抱きしめるような体験を、あなたのために。
おやすみ。

黒澤世莉


台本・演出
黒澤世莉 Seri KUROSAWA

出演
 菅野貴夫 Takao KANNO *★
 直江里美 Satomi NAOE
 ヒザイミズキ Mizuki HIZAI
 尾崎冴子 Saeko OZAKI
 國松卓 Taku KUNIMATSU *☆
*★☆:ダブルキャスト

公演日程+トークゲスト
 2016年12月21日(水)〜30日(金)
 ダブルキャスト日程…菅野貴夫/國松卓
 混雑状況:☓:完売御礼・△:売り切れ間近・○:余裕あり

△ 21日(水)20:00 ★ 相内唯史氏(インディペンデントシアター 劇場プロデューサー)
○ 22日(木)15:00 ☆ 横山拓也氏(劇作家・iaku主宰)
○ 22日(木)20:00 ★ 市原幹也氏(演出家・のこされ劇場≡主宰)
△ 23日(金祝)14:00 ★ 坂本鈴氏・黒川陽子氏・モスクワカヌ氏(劇作家女子会。)
○ 23日(金祝)18:00 ☆ 山下由氏(脚本家・演出家・Pityman主宰)
○ 24日(土)14:00 ★ 小平伸一郎氏(俳優・ケイエムシネマ企画所属)
△ 25日(日)14:00 ★ 西海石みかさ氏(演出家・ダンサー)+黒住尚生氏(『衝突と分裂、あるいは融合』出演者)
○ 25日(日)18:00 ☆ 広田淳一氏(劇作家・演出家・アマヤドリ主宰)
○ 26日(月)20:00 ☆ 時間堂劇団員
○ 27日(火)20:00 ★ 辻村優子氏(俳優・芹川事務所所属)
☓ 28日(水)15:00 ★ 谷賢一氏(作家・演出家・翻訳家・DULL-COLORED POP主宰)
△ 28日(水)20:00 ☆ 田中圭介氏(演出家・ワークショップファシリテーター・ドラマターグ)
△ 29日(木)16:00 ☆ 越寛生氏(演出家・脚本家・俳優・(劇)ヤリナゲ主宰)
☓ 29日(木)20:00 ★ 小栗剛氏(脚本家・演出家・俳優・キコ/qui-co.主宰)+百花亜希氏(俳優・DULL-COLORED POP所属)
△ 30日(金)11:00 ☆ 得丸伸二氏(俳優・演出家・文学座所属・TBスタジオ主宰) 渡邊りょう氏(俳優・悪い芝居所属)
☓ 30日(金)16:00 ★ 酒巻誉洋氏(俳優・フォセット・コンシェルジュ所属)
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黒澤世莉です。日曜日はちょっと長めに稽古出来てうれしいですね。

というわけで「話がなげえよ」というコンプレを真摯に受け止め、マイズナーテクニック基礎からやりました。概念復習、リラクゼーション、リピテーション、感情準備。特定の感情を準備する練習は、表現の幅を広げる役に立ちます。

何年やっても発見がある。どれだけ真摯に遊べるか。

だと思います。出来ると思った時点で止まるのが成長。自信を持つことは、出来る部分を認識できることであり、出来ない部分も承認できることです。

これが機能している人は、とっても魅力的に見えますね。立ってるだけでチャーミングです。

でまあ、そこに向かうためには、コツコツやってくのが一番楽しいですよ。こけつまろびつ、ヒントは最小限に、結果オーライは最大限に。

宿題は
目に見えているはずなのに、意識に入っていないもの、なーんだ? を考えてきてください。音や匂いでもいいです。そこにあるのに、気づかれない、みたいなもの。

分かりにくいとふたたびコンプレ頂きました。さーせん。

みなさんのご意見で言えば、例えば道路標識って普段意識してますか? あらためて道路標識あるんかいな、て思って歩いてみると、家から駅までの道すがらとか、結構あるもんです。とくに車運転してない人なんかは、「見えているけど、意識に入ってない」可能性が高い。

ドラえもんの道具で言うと「石ころ帽子」ですね。かぶれば、消えたわけじゃないけど、そこにいるって気づかれなくなる。

人間の意識ってけっこう抜けがあって、自分で把握できていると思っていることが把握できていなかったりする。それは見えているものもそうだし、聞こえるもの、におえるものでもそう。自分や他人に対する認識もそう、わかったつもりになってるけど、わかっていないことって多い。

そういう「人間の認識の罠」を使って、演劇で遊べないかねー、なんてことを話しました。

だからわたしもベルトを会社に忘れても仕方がないですよね。

時間堂の歴史としては2005年の「月輝きながら太陽の照る」は高山早苗(青年団)さん作、初の外部作家の作品ですね、と2006年「vocalise」の話をしました。「vocalise」は渡邊一功さん作、リュカ.との合同公演で、時間堂2009年メンバーの、鈴木浩司、雨森スウ、サキがはじめて出てくれましたね。

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台本では、最初の義勇軍から、ローザが死ぬ直前のシーンをやってきました。なんかわりと普通の演劇の稽古でした。

楽しいですねえ。




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黒澤世莉です。タイトルの通りなので、ほかあんまり言うことないです。くわしくは下の公式Webで。

ナショナル・シアター・ライブ
http://www.ntlive.jp/

あと14-16の3日間。東京近郊では、六本木、日本橋、川崎でやってます。

マペットたちがとってもいい演技をします。ガチョウかわいいよガチョウ。

もちろん、人間もいい演技をします。

無駄なことしてないんだよなー。無駄なことしない、てことが、なかなか出来ない。同じNTLでも、作品によっては無駄があるなー、て思うので、そういう意味でも『戦火の馬』はとても良かったです。

第一次世界大戦前夜から、渦中のヨーロッパのお話。ちょうどいま稽古している時間堂『ローザ』と重なる時期です。当時の独仏英の関係が垣間見えるだけでもオレ得です。

モーパッサンとか読んでも思うけど、ドイツ人のインテリは、フランスに攻め込むの、ほんとやなんだろうな。て描かれ方をよくされてて、そういうひと多かったのかしら、て思った。

あとはネタバレになるので、続きを読むから先をどうぞ。

やー、『人と超人』も楽しみだなー。バーナード・ショー観るの初めてだしなー。ショーは死ぬまでにやりたいなー。楽しみだなー。




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演劇はあなたのことを愛しているから、あなたは安心して自信を持って演劇と遊んでください。

必死になって握りしめなくても、演劇はあなたから離れません。ボロボロになるまで稽古しなくても、演劇はあなたと観客をつないでくれます。

私は、演劇に愛されていると思います。だからきっと、みなさんも同く愛されています。だってわたし、そんなに熱心に演劇をやってないですから。

私から見たら、みんな私よりよほど情熱的に演劇を愛してますから。そんなみんなが演劇に愛されないわけがない。

意地の悪い言い方になりますが、人間なんかよりよっぽど当てになりますよ。裏切らない。赦してくれる。時間をかけた分だけ返してくれる。

だから、安心して、自信を持って、演劇をやってください。

稽古ではこんな話はしてないな。

なぜこんな話になったのかというと、奇しくも今年最後の公演を行ったトリのマーク(通称)の柳沢さんと紙風船をやったときの話からです。

いまでは『こぐま』というカフェをやってらっしゃいます。でも12年前したはなしは、「演劇をやってる時間がバイトより短いようなとき、自分を演劇人と言えるのかしら」みたいことでした。もううろ覚えだけど。

素直な私は、それもそうだと思って2014年は6本公演打ったんですね。アホかと。『画廊に人が来ないいくつかの事情』ルデコ、『気がついたときにはいつも』王子小劇場、『紙風船』王子小劇場、『甘いものを食べる。それが一番良い』ルデコ1階、『月並みなはなし』初演、王子小劇場、『おやつの時間堂』a-bridgeとまあ、よくやりましたな。

まあ、今年は11本打つんですけど。

変わってねえなあ。

でも変わったところもある。当時は場所や季節を活かしたいと思ってた。それで縛られてたところもあったと思う。今思えば、そういうことを菅間さんにたしなめられていたのだろう。

年をとると、若いころ言われた言葉の意味が分かる、あるいは解釈ができるようになります。これは楽しいことです。

稽古では「写真を読む」「本を読む」を、組み上げてみた舞台の上で演じる俳優とシンクロさせてみる、みたいなことをしました。

何言ってるか分からないと思いますが、言葉でかんたんに分かることなら、稽古やらなくていいじゃんね。

でも、前回よりはだいぶ、作品作りに近づきました。頭しか出来なかったけど。

あと昔話が長すぎる。て怒られた。せっかちねえ。

気持ちは分かる。けど、無駄かもしれないこと、やってみたい。




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Amazonの段ボール箱をアピールする川本さんと黒澤世莉です。写真は本文と関係ありません。

演出家という仕事柄、何かを書いてくれと頼まれることが多い。し、毎日このブログを更新しているように、頼まれもしないものも色々と書いている。書くことは好きなんだと思う。上手いかどうかは別として。

話ずれるけど、書く以外のことは、控えめに言ってほんとてんでダメです。音楽。運動。お絵かき。パソコン使った作業はまあ出来ないことはないですが、手や体を使った作業はほんとてんでダメですね。

だから、演出家になりたいあなた。手先のあらゆることが徹底的に不器用な私でも、演出家になれるんです。苦手なことがあっても諦めないでください。

閑話休題。

わたしは自分ではリベラルな気でいます。自由が好きだし、差別は嫌いです。性別、人種、セクシャリティ、生まれた地域や地位、国籍、年齢、職業、そういう「自分ではコントロール出来ないこと」において、人間は公平であるべきだと思っています。

でも、一方で、わたしは「実力や才能では、人間は差別していい」と考えていました。それは例えば、顔がいいとか悪いとか、スタイルがいいとか悪いとか、オシャレかダサいかとか、そういう「数値化出来ない個人の個性に属する部分」がそうです。

また、勉強のできるできないや、運動神経の良し悪しでも、差別していいと思っていました。もちろん、演劇的な努力も含みます。「創意工夫や努力で向上しうる部分」は差別されてしかるべきだ、と考えていたのです。

みなさんはどう思いますか?

「いやいや女性は男性より優れてるでしょ」とか「日本人は〇〇人より優れてる」みたいなひとは、そもそもちょっとお話するのが難しいので、この先は読まずに http://www.yahoo.co.jp に行ってください。

さて。

こんなことを書くからには、考えが変わってきたってことなんですけど。

たとえ、それが個性として自分の好みに合わなかったり、その場で求める実力に足りていない、ような状況であっても、それを差別してはいけないなあ、て思うようになってます。

これ説明難しいんですよね、自分でもうまく整理できてないので。

ただ、なんだろ。「罪を憎んで人を憎まず」みたいなこととか、「たとえ実力が少々足りないように思えても、個性の違う人物がいたほうが、潜在的リスクに対して多様性で対抗できるので、組織としての持続可能性は上がる」みたいなことに、近いんですけど。

誰かを排除するとか、どんな理由があれ、たとえ尊敬できない人格であっても、無為に罵倒するとか。そういうの、自分が損するんじゃないかなあ、て思ってます。

こういうこと書くと「また正しいことを、窮屈なやつだな」とか思われるかもしれませんが、なにもマザーテレサろうって話じゃないんスよ。人間博愛なんてなかなか無理。ちょいワルが好まれますからね、いつの時代も。正論によっちゃう自分が呪わしいわ。

でも、単純に、顔とか能力でひとを差別すんのは結構自分が損すんな、て思った、て感じ。わたしがそもそもそういうオレが劣ってるなーって思っちゃった人たちに興味や関心持てない、ていう根本的な要素があって、それ自体は解決されてないんですけど。

実は、今満たされないとか、上手くいってない問題があるとして、実はそういう「努力不足という名の差別主義」が、問題になってるんじゃないかな、私の場合は。て思っています。

ま、私に言わせりゃ日本のリベラルの半分はファシストなんで、そういうひねくれた考えをしちゃう根本は、なかなか直らない、し、直す必要もないかー、て開き直ってる部分も、あるんですけどねえ。

あー、普通が分からん。




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