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黒澤世莉です。写真は7回目の稽古ココキタでの様子。時間堂の十色庵は貸出中だったもんで。

マイスタジオ持ってても、他所で稽古とか、するんですよ。うふふ。

【まとめ】黒澤世莉の演出ノート2016【随時更新中】
http://handsomebu.blog.jp/archives/52375688.html

その前に宣伝します。「しばいのまち」という、演劇人のための情報サイトに連載を持たせていただきました。親父の小言です。お時間あったらごらんください。
【連載企画】第1回:若い演劇人へのエールと叱責(時間堂・黒澤世莉)
http://shibainomachi.com/2016/06/28/0042/

演出助手について書こうかと思いましたが、演劇と音楽について書こうと思います。
稽古6回目7回目は、音楽の後藤浩明さんと一緒でした。後藤さん、この先スケジュールの都合で来られなくなるので、稽古の早い段階で詰めちゃおう、ということです。

さて、時間堂の演劇を観たことがありますか?

ご覧いただいた方はご存知かと思いますが、時間堂、基本的に音楽がありません。

正確には、音響というクレジットで、録音された音源を再生する、という役柄の方がいる時はほとんどありませんでした。

それは昔からそうです。なぜかというと、演劇に音楽って、ほんとにいるの?て思っているからです。

正解から言えば、ケースバイケースでしょ、て、面白くないやつになるんですが、ま、もうちょっと書きます。

音楽の後藤さんともよく話すんですけど、無駄な劇中音楽が多すぎる、と思うんですよね。極端な話、いい音楽を良いシーンでかければ観客は感動しがちなんですけど、それって演劇なのか音楽のなのか、もうよく分かんないと思うんですよね。でかいスピーカーでいい音楽聞くから感動、とどうちがうのか、分かんないような演劇も多い。

そこまで悪しざまに言わなくても、慣例的に音楽を使う演劇が多いから、私たちも出しましょう、くらいの、無意味な音響が多いんじゃないかな、て思ってます。

で、若いころそう思ったもんで、時間堂では1回公演から、音響スタッフについてもらったことは片手で数えるほどしかないです。

最近は、音場づくりをやってくださる音響の方や、音具を駆使する方と知り合ったので、もうちょっと考えの幅は広がりました。けど、基本的には、やっぱり

マイナスの美学

で演劇を作りたいなと、思っています。

で、今回の『ゾーヤ・ペーリツのアパート』のはなし。

なかり難解な戯曲です。書いてあることが分からないことはないけど、構造の意図が汲みきれない。で、音楽の指示もたくさんト書きに出てます。

後藤さんとの数度の打合せで、ひとまず結論めいた着地点は「リアリティを追求する必要はない」「とはいえまずは戯曲通りに入れてく」「余分が出たらカットしていく」というようなところでした。

録音より生演奏が好きなので、前田涼子さんという演奏の方に入ってもらい、演劇にしていきます。やっぱり演技が生なんだから、音の出処も生のほうがいいでしょ、て単純に思ってます。だから、時間堂では音響スタッフがいない場合でも、楽器や歌でナマの音を出すことがほとんどです。

べつに、音響を削ることが演劇を良くするとは思いませんが、なぜ音響が、音楽が必要なのか、について思考を巡らせたことが無い演出家がもしいたとすれば、そこは一考したら楽しいと思いますよ。

さて次回は「初めての通し稽古」について。演出助手については、そのつぎくらいかなあ。

____________________おしらせ____________________

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