「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

May 2016

18
写真は新宿のH。ほんと脈絡ないです。黒澤世莉です。

自転車の後輪が壊れた話に続く人気記事になりつつある、こちらの記事。やっぱり演劇の記事は人気があるっていうのと、お金のことはみんな、考えていても聞いたり言ったりし難いってのもあるんでしょうね。

いま演劇をやっていて悩む、芸術とお金の事情
http://handsomebu.blog.jp/archives/52370447.html
なにぶん狭い世界の見聞で書き散らかしておりますので、間違っている部分もあるかと思います。読者諸賢のご助言、ご意見など、お待ちしております。


て書いたら、ほんとに諸賢からいろいろ反応がありました。ありがとうございます。すごいなSNS、とそのシステムの向こう側にいる生身の人間たち。

全部を紹介したいところですがスペースの都合もありますので、いやないけどwebだから、一部を紹介させていただきます。Fb上で諸賢が語らうコメントは、直接こちらをご覧ください。
https://www.facebook.com/seri.kurosawa/posts/1153280261391480

あと、自分とこの劇団の宣伝をさせてください。時間堂「ゾーヤ・ペーリツのアパート」公演情報が公開になりました。お得な先行販売や、創作過程が見られるワーク・イン・プログレスの情報も乗っていますので、チェックしてくださいね。
http://handsomebu.blog.jp/archives/52370530.html

では、いきますか。







「お金ちょうだい」ていう伝え方もコンテンツですね。

たとえば1万円の価値って、わたしのような清貧星人にとっては「半月分の食費だ」みたいな発想になりますけど、年収1,000万を超える方々にとっては「晩ごはんにはこれくらい使いますよ」てな額になるわけですよ。

で、この両者が劇場に存在した場合、ていうか必ず存在するわけですよ劇場には、チケット代は等価であるわけです。ここで傾斜をつけることもありますが、まあ、そこは置いとく。で、その舞台にすごい価値を見出していて、もっとお金使える人がいる確率は低くない。

そういう人が、気持よくお金を払える仕組み、ていうのは、もっと工夫してもいいかもしれませんね。とくに小劇場は。大衆演劇や商業演劇は、さすがにそのへん練りこまれてます。

時間堂で言うとソシオとかがその発想としては近いですかね。あと毎公演「おひねり」をおねだりしているのもそれです。それがコンテンツの域まで高められているかは分かりませんけども。


こういうATMを上手に使えばいいわけです。いやATMってすげえ現代的な表現だな。

でも、「お花」ていう表現も、江戸時代には「ATM」的な感覚で使われてたのかもなあ。けっこう日本人の言語感覚って、ここ400年くらい変わってないんじゃね?て思うと、面白いですね。

OJさん 文化経済学なる学問がありましてですね、ボウモル=ボウエンの『舞台芸術』が定番の教科書とされておりますが、ここで「舞台芸術の赤字化は必然(だから公的支援は不可欠)」という答えが出ております。

私自身は今は舞台で食っていますが、「舞台で食っていきたい」と自ら望んだことは一度もありません。それが逆に幸いしたのかもしれませんし、単に運が良かっただけかもしれません。しかし、いつ食えなくなってもおかしくないと思ってるので、いつでも副業を本業に転換できるように、用意はしてあります。もともと「舞台一筋」タイプではないからでもありますが。

ちなみに私も、おっしゃるような「営業活動」は基本的にやりません。面倒臭いし、自分を安売りしているみたいだし。ただ、毎回クライアントの期待を上回る結果を出すということだけ心がけてます。営業より評判で商売したいですよね。

seri 不勉強なもので助かります。ありがとうございます。さっそく資本主義の権化Amazonにてポチろうとしたところケタが一つ違うのでおとなしく図書館で借りてきます。

「毎回クライアントの期待を上回る結果を出すということだけ心がけてます。」は、本当に見習わないと行けないですね。肝に銘じます。

ひゃーでも、Oさんのように「演劇で食える」という状況自体はあるわけで、「演劇で食えない」て簡単に断じちゃいけませんね。気をつけます。
頭いい方いっぱいいるなー、の方の筆頭です。まだまだ不勉強だなあ、私は。

公共からお金をいただく、ていうのは一つの方法ですよね。

一方で、公共の力によらずなんとか出来ないかなあ、て思いが実はずっとあるんです。前回のエントリを書きながらベースにあったことのひとつは「演劇人がもっとお金払いが良くなれば、演劇自体のお金周りが良くなって、結果的に稼ぎが良くなるんじゃない?」て考えです。

絞る方にばっかり意識が行きがちだと思うんですよね、演劇人は。ていうか、日本人全般の傾向かもしれませんが。でも、使うとこに使わないことが貧困の要因なんじゃね?て気もします。人件費を絞ることばっかりに意識が行っちゃうからさ、末端に対して必要なお金も払われない文化が横行するんじゃね?て。

政治家の無駄遣いうんぬんするより、その政治家がどんだけ税収上げて良い政治ができるのか、てことにフォーカス当てたほうがよくね? で、その発想、考え方のほうが、末端のぺーぺーにも金払おうって話になりやすいんじゃね? 結局、人件費を絞る、って発想自体が、貧困の原因になってる気がする。

もちろん、無駄遣いしすぎは言語道断ですけどね。限度を超えて私腹を肥やせっていう意味じゃなくて、正当な対価は支払われてしかるべき、てはなし。てか、効果のあるお金の使い方もすべきだし、必要最低限のお金は絶対支払うべき。そうでないとおかしい。

次で最後です。音楽の方。
安西 創さん
なかなか面白い記事でした。音楽も似てる気がする。「1日2万のギャラで10日働いても年収240万円」はなかなかリアルな試算。フリーでやってると、2万の仕事が10日あるのかって話しですし、もしかしたら2万を割る仕事ばかり20日間かもしれないし、ゼロかも知れないし。だから「うわー、聴いてみたい!ちょっと弾いて!!」なんて言われると、飲食店に入って「無銭飲食させてー!」って言われて食べさせてるのと同じ気分になります。量が少ないと「もっと!」とか「えー?もう終わり??」とか言われるし。音楽家だってなんとか稼働させる為に値段つけてありますからねー(苦笑)

パフォーミングアーツはどこも同じ悩みを抱えてますねえ、と謎に勇気を頂きました。

そして「10日稼働するの?」説は、ほんとにその通りです。。。30日連続で稼働する時と、100日夏休みと。。。あまり考えたくないですが、不安定ですからねえ。

ありがとうございました。

他、いろいろあるのですが、今回のご紹介はこのへんにしておきます。具体的なお仕事(の種)の申し出を2件もいただきました。

こういうこと、書いてよかったです。

____________________おしらせ____________________

【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
http://handsomebu.blog.jp/archives/52361098.html続きを読む

jtc27_flyer_front
【20160730更新】
【ネタバレ注意】時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』7/29~31東京芸術劇場シアターウエスト:感想まとめ
http://togetter.com/li/1005905

東京芸術劇場シアターウエストは池袋駅から地下通路で直結ですので、雨の日でも紫外線の強い日でも、傘いらずでお越しいただけます。安心ですね。

全ステージ当日券のご用意はあります。当日券10席しかない1,500円のZ席ただし見にくいよ、初日は5枚残ってましたので、節約派は要チェックです。

【20160727更新】黒澤世莉です。開幕まで後2日、おかげさまで7/29金13:30プレビュー【完売御礼!】ありがとうございます。

まだまだ、29日金18:30、30土13:30ゲスト:七字英輔氏、玉置玲央氏/18:30、31日12:00ゲスト:秋月準也氏/17:00はお席ございますよー。

ご予約はこちらから、公演の3時間前まで受付中
Livepocket[支払方法:カード・コンビニ・携帯キャリア]
http://t.livepocket.jp/t/za201607

【20160625更新】今度は歌って踊って最後は脱ぐブラックコメディです。いままでのファンのみなさま「そ、それ時間堂のイメージとぜんぜん違うやん。。。」て声も伺いましたが、大丈夫。ご安心ください。骨の髄まで時間堂の作品です。

生演奏が入ろうが、ダンスが入ろうが、狂った仕掛けを入れ込もうが、時間堂は時間堂です。俳優同士のシンプルなやり取りの中に浮かび上がる生々しい物語をご堪能ください。

東京芸術劇場でお待ちしております。

【元記事】本日情報公開されたので、いよいよ公演記事を上げます。

今日はひとまず、速報ってことで。

ヒトコト言うなら、面白いし、面白いだけじゃ終わらないお話だから、楽しみにしててください。

時間堂:次回公演情報
http://jikando.com/nextstage.html

【チケット好評発売中】 ご予約はこちらから→http://jikando.com/nextstage/274-ticket.html

時間堂 シリーズ発掘02
ゾーヤ・ペーリツのアパート
作:ミハイル・ブルガーコフ Mikhail BULGAKOV
演出:黒澤世莉 Seri KUROSAWA
翻訳:秋月準也 Junya AKIZUKI

2016年7月29日(金)〜7月31日(日)
東京芸術劇場 シアターウエスト


●出演:
菅野貴夫 Takao KANNO
鈴木浩司 Koji SUZUKI
直江里美 Satomi NAOE
ヒザイミズキ Mizuki HIZAI
阿波屋鮎美 Ayumi AWAYA
松井美宣 Minori MATSUI
尾崎冴子 Saeko OZAKI
國松卓 Taku KUNIMATSU
(以上、時間堂)

東谷英人 Eito AZUMAYA (DULL-COLORED POP)
綾田將一 Shoichi AYADA
五十嵐優 Yu IGARASHI
海老原恒和 Tsunekazu EBIHARA
大川翔子 Shoko OKAWA
木山廉彬 Yukiaki KIYAMA
佐藤幾優 Ikuma SATOU
白石花子 Hanako SHIRAISHI (劇団民藝)
中谷弥生 Yayoi NAKATANI
堀田創 So HORITA (ECHOES)

得丸伸二 Shinji TOKUMARU (文学座)


jtc27_flyer_back
198回も上演されるほどの爆発的な人気を誇りながら、
たった3年で発禁になったブルガーコフの超・問題作、日本初演。


1920年代、ソビエト連邦―個人の自由が厳しく規制され監視される世界。
革命により財産を失ったゾーヤは「縫製アトリエ」を開く。
その正体は、絢爛豪華なマネキン嬢が夜ごとに歌い踊る「娼婦の館」だった…。

元貴族、詐欺師、成金商人、麻薬密売人、汚職役人、死体男たちが入り乱れ、札束と裸体が飛び交う、狂騒と幻想のブラック・コメディ。

―すべては、突然破綻する。


[シリーズ発掘]
日本では知られざる世界の名作戯曲を、時間堂が勝手に発掘しスポットを当てるシリーズ。2013年のリリアン・ヘルマン作『森の別の場所』に続き、今回は『巨匠とマルガリータ』等の幻想的な小説で熱烈なファンを持つロシアの国民的作家、ミハイル・ブルガーコフの戯曲を発掘。秋月準也氏の清新な訳で、日本初演に挑む。


●公演日程 2016年7月29日(金)〜31日(日)
29日(金) 13:30/18:30
30日(土) 13:30七字英輔氏(劇評家)、玉置玲央氏(俳優)/18:30
31日(日) 12:00秋月準也氏(『ゾーヤ・ペーリツのアパート』翻訳家)/17:00

受付開始は開演の60分前、開場は30分前です。
上演時間は2時間45分(休憩10分含む)を予定しています。
プレビュー
ポストパフォーマンストーク


●会場
東京芸術劇場 シアターウエスト
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1−8−1
03-5391-2111
アクセス JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 「池袋駅」西口より徒歩2分
駅地下通路2b出口直結


●チケット
【チケット好評発売中】 ご予約はこちらから→http://jikando.com/nextstage/274-ticket.html
全席指定・税込

一般前売 4,500円(要事前決済)
当日精算 5,000

プレビュー★ 3,500円(前売・当日共通)
ペアチケット(2名様) 8,000円(要事前決済)
高校生以下 1,000円(前売・当日共通/要証明)

VIP席 10,000円(劇団販売のみ/要事前決済)選べる特典つき/臨場感あふれるお席です
Z席 1,500円(当日受付にておひとり様1枚のみ購入可/枚数限定)舞台が見づらい可能性のあるお席です

※未就学児の観劇不可

託児サービス「だっこルーム」あります
http://www.geigeki.jp/rent/kids/
〜1歳児:2,560円/2〜6歳児:2,160円
申込み・お問合せ:小学館集英社プロダクション 03-3981-7003(平日10:00〜17:00 *土・日・祝日休み)


●取扱い
Livepocket http://t.livepocket.jp/t/za201607
東京芸術劇場ボックスオフィス http://www.geigeki.jp/t/index.html
0570-010-296(10:00〜19:00/休館日除く)


ワークインプログレス、ロシア勉強会、VIP席のくわしい説明など、こちらをご覧ください。
大公開【ゾヤペを10倍楽しむ方法】6つの秘訣でディープ&ハッピーに
http://jikando.com/nextstage/578-jtc27howto.html


●お問合せ
時間堂 Jikando theatre company
http://jikando.com
info@jikando.com
TEL/FAX 03-6454-4308

【時間堂とは】
1997年演出家・黒澤世莉のユニットとして設立。2009年劇団化。
マイズナー・テクニックを基礎とし、国内外の古典から書き下ろしまで幅広い演目を「俳優の声と身体と関係性だけでシンプルに立ち上げる」上演スタイルが特長。
2014年、東京・赤羽にスタジオ「十色庵」を開設。2016年からは、飲食と観劇を楽しめる「時間堂レパートリーシアター」を毎月上演している。
『衝突と分裂、あるいは融合』で札幌劇場祭TGR2014 特別賞(作品賞)を受賞。
合言葉は「すごい、ふつうの演劇。ふつうの、すごい演劇」。

↑このページのトップヘ