「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

June 2012

たびにっき
仙台の街に来ると、知っているところに来たなと感じるようになった。去年は全然そんな事感じなかったのに。静岡は風土がいるから馴染んでいるつもりだったけど、今回静岡の街を歩いてみて、まだ全然知らないところだなと思った。仙台はもう、10-BOXだけじゃなくて、国分町も仙台駅前もアーケードも定禅寺通りも分かるし、モーツァルトにもギャルソンにもホルンにも行ったことあるし、行ける。
10-BOXに行けばARC>Tのメンバーがいて、ミーティングスペースで勝手にくつろがせてもらったりしちゃえるし、みんなの顔を見ると元気でよかったなって思う。仙台はそんなところ。

ワークショップも充実したよ。これは時間堂ブログのほうで書くよ。
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/1755298.html

仙台が好きとかどうとかじゃなくて、知っている街になったな、て感じた。

これから大阪行きのバスに乗る。静岡も三重も仙台も、いいワークショップが出来た。大阪は今回のWSツアーで唯一3日間の日程を組ませてもらっていて、これはインディペンデントさんのご好意でありがたいことで、その分成果を出したいなと思うし、成果は結局来てくれる皆さんの力によるのだろうな、て思う。






黒澤世莉の俳優向けワークショップ[大阪]

俳優指導のスペシャリスト黒澤世莉によるオリジナルプログラム、俳優のための専門クラスを開催します。大阪に初登場です。

●日時
2012年6月
25(月)19:00〜22:00
26(火)19:00〜22:00
27(水)19:00〜22:00

定員 各回12名、先着順にて〆切
参加費 3,000円/1回 → 7,500円/3回[3回割引]
備考 1回からご参加いただけます。参加者には特典があります

【WS参加者限定販売】
Buy 1 Get 1 チケット
チケット1枚分のお値段2,000円で、時間堂「ローザ」公演のペアチケットがゲットできます。このチャンスをお見逃しなく。

●概要
俳優に必要な能力ってなんでしょう。「大きな声ではっきり喋る」「台詞を歌うように伝える」「切れ味のいい身体で舞台を駆け巡る」そういうことが必要な場合は、お勧めしません。
時間堂では「そこに居て、目の前の相手ときちんと関わる」ことが俳優の基本だと考えています。頭で考えることや、どう台詞を言うか、なんてことはその次の事。そんなの当たり前のことでしょうか。当たり前のことをしっかりやるというのは、なかなか難しいことです。
このクラスでは、まず身体を使います。自分の身体を意識して、深い呼吸をします。相手の呼吸を感じて、相手の身体を意識します。言葉にすると簡単そうでも、やってみると難しい。演劇はそんなことの連続です。
一度体験してみてください。一度で俳優として上達する約束はできません。全然合わないと思われるかもしれません。
けれど、私たちが大切にしているものを身体で感じていただいて、少しでも役立つものを手に入れてもらえれば嬉しいです。時間堂では、このWSの内容を、出演者一同とひたすら繰り返してきているのです。
怖くないですよ。楽しい演劇の時間がモットーです。

●講師 黒澤世莉
演出家。佐藤佐吉賞優秀作品賞、演出賞受賞。スタニスラフスキーとサンフォードマイズナーを学ぶ。新国立劇場演劇研修所や円演劇研究所、ENBUゼミなどで、指導者としても活動。

●参加要項
・職業俳優としての意識のある方
・年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方

● 会場
in→dependent theatre 2nd大阪府大阪市浪速区日本橋4丁目7-22 インディペンデントシアター2nd
大阪市営地下鉄・堺筋線 恵美須町駅 1A出口 右手(北)5分

● 応募方法
下記をご記入の上、件名を「大阪WS応募」とし、[E-mail]にてお申し込み下さい。

*2009年以降に時間堂WSにご参加の方は【1】【2】と変更箇所のみで結構です。
【1】参加希望日時【2】お名前(ふりがな) 【3】年齢【4】性別【5】電話番号
【6】備考 *演技経験や健康状態など、特記事項があればお書きください
◆お申し込み後、4日以上経過しても返信がない場合、通信事故が考えられますので、お手数ですがお電話にてお問合せください。
◆携帯メールからお申し込みのお客様は、「info@jikando.com」からのメールを受信できるよう、設定してください。
[E-mail] info@jikando.com
[tel] 070-6659-3841



動画は完全しろーとの私が、なるたけ楽して動画で遊ぼうとしている様をお伝えする。

●Introduction
なんかニコ動とかUstreamとか流行っていらっしゃるんでしょうとは思っていても自分はあまり詳しくない私。ですが時間堂「ローザ」でせっかく全国ツアーをするので、ロードムービみたいなことして遊びたいじゃない。

で、やってみた。

●機材
いろいろ考えた末、どうせ実験だからとことんミニマムにしてやろうと決めた。で、
  • ファーウェイ製スマホ(WILLCOM機種変するとき無料でもらって死蔵してたのを活用)
機材は以上。

ファーウェイ製スマホはWILLCOM機種変するとき無料でもらって死蔵してたのを活用。

●工程
  1. スマホで動画を取る
    Wi-Fi経由で直接YouTubeの自分のアカウントにアップするに
    YouTubeで編集作業
    YouTubeの再生リストに追加


重要なのは、わたしは粗忽者であり、ものぐさ大将であるから、そう簡単には「こまめに動画をとってアップして編集」なんてこた出来ない。ギリギリまで工程を少なく、楽に楽にがコンセプト。

スマフォのいいところは撮影機材にWi-Fiがついてること。カメラでそのままYouTubeアップ出来るのもあるみたいだけど、なにしろ手元にあるからねえスマフォは使ってないのが。自分の電話につかってるやつだとバッテリーの心配とかいろいろあるので、動画専用機にしちゃった。メモリも最初から入ってる2Gでいまんとこ十分。500万画素のHD動画で1分25MBくらい。これがワイヤでつないでPC転送してアップ、とかだと、多分続かない。不具合としてはアップすると文字情報の日本語が化けるんだけど、これはあとで編集のとき修正すればいいから放置。

音声取るのだけが心配だったけど、アップのインタビューなら、大きな声で話せばそれほど問題ない。HD動画にしているのは、画質を下げると音声も劣化するので、どちらかというと音声のため。

ファーウェイ製スマフォは、別に動画が優れているわけでも何でもない、フツーのスマフォです。ここ1,2年に出たものであれば、この程度の撮影の機材はフツーのスマフォで十分だと思う。

YouTubeが凄い。動画編集が素人でも簡単にできる。特にお世話になってるのは、頭とオシリのカットと、手ぶれ補正。一回シーンの真ん中を抜いて結合する、みたいなこともやったけど、初めての動画編集だけど簡単にできたよ。

Ustreamも考えたんだけど、3GとかWiMAXでは、固定環境ならともかく、全国を移動しながらは厳しいだろうなと思っております。案の定、WiMAXは中央道系のサービスエリアでは全滅でした。これ全国ツアー前にしれたのは良かった。

以上、同じような番組作りを計画される方の参考になれば。
当方動画は完全に素人なので、そこはご考慮くださいね。

い、今起こったことをありのままに話すぜ。駒ケ岳サービスエリアに着いたからWiMAXが繋がるだろうと思って、ケータイのブログ更新を切り上げたら、まったく繋がらなかった。というわけでAndroidで更新中。

津あけぼの座油田さん、山中さんと、三重県文松浦さんには、本当にお世話になりました。頼れる方々です。

大森晴香と直江里美が合流したよ。

ワークショップの日は台風で、当初の予定より減ってしまったものの、最後には6名の方々がお越し下さいました。みんな無事で、良かったです。近鉄、快速が運休でどうしたもんかと特急に飛び乗ったのも、いまではいい思い出です。

直江は台風であやうかったけど、無事で帰りました。

愛知でも、たくさんのひとにお世話になりました。ありがとうございました。名古屋ではいろいろな喫茶店に行きましたよ。

明日から仙台です。3ヶ月ぶりにARC>Tのみんなに会えると思うと嬉しいなあ。なんの約束もしてないんだけど。行けば誰かしらいるかしら。

そして、明後日6/22(金)18:30~21:30からbox-5でWSを開催します。ひとりでも多くの仙台の俳優に出会いたくて、まだ応募を募ってます。以下に情報を書くので、お越しくださると嬉しいです。

****

黒澤世莉の俳優向けワークショップ[仙台]

俳優指導のスペシャリスト黒澤世莉によるオリジナルプログラム。俳優のための専門クラス。今年3月に続き、仙台に帰って来ました。

●日時
2012年6月
22日(金)18:30~21:30

定員 12名、先着順にて〆切
参加費 2,500円[通常3,000円のところ、プロモーション特価]/1回
備考 参加者には特典があります

【WS参加者限定販売】
Buy 1 Get 1 チケット
チケット1枚分のお値段2,000円で、時間堂「ローザ」公演のペアチケットがゲットできます。このチャンスをお見逃しなく。

●概要
俳優に必要な能力ってなんでしょう。「大きな声ではっきり喋る」「台詞を歌うように伝える」「切れ味のいい身体で舞台を駆け巡る」そういうことが必要な場合は、お勧めしません。

時間堂では「そこに居て、目の前の相手ときちんと関わる」ことが俳優の基本だと考えています。頭で考えることや、どう台詞を言うか、なんてことはその次の事。そんなの当たり前のことでしょうか。当たり前のことをしっかりやるというのは、なかなか難しいことです。

このクラスでは、まず身体を使います。自分の身体を意識して、深い呼吸をします。相手の呼吸を感じて、相手の身体を意識します。言葉にすると簡単そうでも、やってみると難しい。演劇はそんなことの連続です。

一度体験してみてください。一度で俳優として上達する約束はできません。全然合わないと思われるかもしれません。
けれど、私たちが大切にしているものを身体で感じていただいて、少しでも役立つものを手に入れてもらえれば嬉しいです。時間堂では、このWSの内容を、出演者一同とひたすら繰り返してきているのです。

怖くないですよ。楽しい演劇の時間がモットーです。

●講師 黒澤世莉
演出家。佐藤佐吉賞優秀作品賞、演出賞受賞。スタニスラフスキーとサンフォードマイズナーを学ぶ。新国立劇場演劇研修所や円演劇研究所、ENBUゼミなどで、指導者としても活動。

●参加要項
・職業俳優としての意識のある方
・年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方

● 会場
せんだい演劇工房10-BOX box-5
宮城県仙台市若林区卸町2-12-9
022-782-7510
○バスでお越しの方
仙台駅バスターミナル4番から約25分、
バス停「卸町10-BOX前」(旧 卸町演劇工房前)下車、徒歩3分
志波町・卸売市場経由 東部工場団地行 / 志波町・卸売市場経由 霞の目営業所行

● 応募方法
下記をご記入の上、件名を「仙台WS応募」とし、[E-mail]にてお申し込み下さい。*2009年以降に時間堂WSにご参加の方は【1】【2】と変更箇所のみで結構です。
【1】参加希望日時【2】お名前(ふりがな) 【3】年齢【4】性別【5】電話番号【6】備考 *演技経験や健康状態など、特記事項があればお書きください

◆お申し込み後、4日以上経過しても返信がない場合、通信事故が考えられますので、お手数ですがお電話にてお問合せください。
◆携帯メールからお申し込みのお客様は、「info@jikando.com」からのメールを受信できるよう、設定してください。

[E-mail] info@jikando.com

●企画/運営 時間堂


【速報】地域WS参加者に次回オーディションの機会を提供

2012年6/16静岡、6/19津、6/22仙台、6/25~27大阪、6/28福岡で開催される時間堂 黒澤世莉のワークショップに参加された方は、時間堂次回公演「テヘランでロリータを読む(仮)」出演オーディションにエントリすることが出来ます

●条件
1)7月7日に東京で開催が予定されている最終審査に参加できる
2)2013年1月の公演と、11月下旬から予定されている東京での稽古に参加できる
3)過去の時間堂作品/DVDを見たことがある

●応募方法
WSにお申込いただいたメールアドレスから「地域オーディション希望」と言うタイトルの空メールをinfo@jikando.com宛てに送信して下さい。折り返し詳細とともにお返事のメールをいたします。

夜行バスで名古屋から仙台に移動中に書いてます。WiMAXがキレる若者バリに切れるので、慣れぬAndroidで更新中。耐えられるか最後まで、フリックでの日記。なんで手短に。

津あけぼの座で2泊3日お世話になりました。

大竹悠子ことゆうこりんに会ったよ。元気そうで良かったよ。

あ、サービスエリア入ったぽい。おわり。

ふだん日記を書くときは、まず本文を書いてタイトルを付けてみる。
が、今回はタイトル先行で書き始めてみた。
慣れないことをしているので非常に書きづらい。ので、早々とタイトル合わせは放棄して、普段の近況報告的な日記としたい。

えーっと。
6/14,15と一日マイズナー講座をやり、打上げ。今回も充実したクラスで、みなさん勇気を持って挑戦をして下さいました。ありがとうございました。

6/16朝のバスで静岡に出発。6/23まで、静岡、愛知、三重、仙台を周ります。ワークショップや時間堂「ローザ」全国ツアーの前パブをします。

で、6/16は静岡市民文化会館主催のワークショップを一日中。大盛況のクラスで、静岡初めてなのにとてもうれしかったです。こちらも打ち上げでおいしいものをいただき、旅先でおいしいものを食べるのは本当にうれしいことです。ありがとうございます。
静岡は窪田優と行きました。お疲れ様。日帰りの予定が一泊に、名残惜しかったんですね。地域に行くと、そこを離れるとき本当に名残惜しく感じます。
夜中にすげー雨ふりましたね。

本日6/17は、舞台芸術公演の散策ツアーに参加。D&Department(シャレオツ)の主催企画で、シャレオツさんと演劇好きなおっさんのいいバランスの良いツアーでした。
午後は劇団渡辺「ニホンショキ」観劇。攻め攻め、キレキレでした。トークゲストでお呼ばれして、ちょっと喋り過ぎちゃったかもと反省しつつ、アトリエみるめはカッコイイなあと思いつつ。劇団渡辺「ニホンショキ」は6/17、18両日共に19:30、東京のセンティバルに参加するので、観たらいいよ。出演者の蔭山さんが美しいです。

静岡編の締めとして、佐伯風土さんに、ほんとうにありがとうございましたです。お世話になりすぎました。

でね。
6/16は時間堂「ローザ」全国ツアー発売日でした。さっそくご予約をいただいていて、ほんとにうれしいです。ご予約の方には特典として、ツアーの前の公演会場の名物おやつを差し上げますので、ふるってご予約下さい。

で、
【明日〆切】時間堂 次回公演出演者 & 劇団員オーディション、たくさんのご応募ありがとうございます。6/18(月)23:59で〆切となります。みっちり腰を据えて演劇作品づくりをしたい方、お待ちしております。
http://ow.ly/bD6C3

さらに明日6/18(月)、私は愛知三重あたりにいるのですが、東京の時間堂ワークショップ情報。6/18(月)田中圭介さんを講師にお迎えして「生身ラブプラス」いつも満員なのに今回余裕あるようです。この機会に是非。 http://ow.ly/bD6vU

でで、
明後日は津で演技ワークショップやりますよ。ふるってご参加くださいです。
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/1748251.html

他にも全国ツアーに向けて、動画日記企画など進行中です。機材とかサイトとか、良い情報があったら教えて下さい。

時間堂とか公演とかWSの情報、いろいろあるので、webとかblogとかご参照おねがいしまっす。
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/

本日2012年6月16日土曜日10時ちょうど、時間堂「ローザ」全国ツアーチケット発売開始しました。ご予約の皆様には、全国のおやつを差し上げる特典付きです。静岡、仙台、福岡、大阪、津の順に周ります、旅好きな私は今からワクワクドキドキです。愛する「ローザ」が各地域の人とどんな出会いをするのかしら。劇場に会いに来て下さい。

公演情報とご予約は、こちらから。
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52086654.html

今はちょうどバスに乗って静岡に着くところです。これから2週間、静岡、仙台、福岡、大阪、津に、ワークショップでお邪魔します。まだまだご参加できますので、ぜひお越しくださいねー。

ワークショップ情報は、こちらから。
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/cat_57666.html

ただいま静岡に向かうバスの中です。ワークショップをやりますよ。静岡を皮切りに三重、仙台、大阪、福岡と周ります。次回時間堂公演のオーディションにもなるように配慮してるので、興味があったら飛び込んじゃって下さい。こちらのリンクを参照のことね。
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/cat_57666.html

で、明日17日は劇団渡辺2012「ニホンショキ」の、終演後のトークゲストにお呼ばれしたので行ってきます。

会場は「アトリエみるめ」です。時間堂「ローザ」ツアーでもお世話になります。鉄骨が男らしい空間を、渡辺さんがどう使っているのか、楽しみです。日本書紀も気になる題材。マハーバーラタみたいな感じかしら。ぜんぜん違うか。観れば分かるさ。

****公演情報****

劇団渡辺2012
『ニホンショキ』
http://www.mirume.org/html/event.html

 原案 日本書紀 ほか
 構成・演出 渡辺亮史
 出演 大石宣広、蔭山ひさ枝
 
 日時 6月15日(金)20時〜
       16日(土)19時〜※終演後トークあり
       17日(日)14時半〜※終演後トークあり
                     トークゲスト 演出家・時間堂堂主 黒澤世莉
 チケット 前売 2000円、当日 2500円、学生 1000円(要予約、要学生証)

   劇団渡辺2012夏公演はニホンショキ!
   何がどうなるかは、まだ誰にもわからない
   わたしたちの日本が始まって、今に至る物語

「ローザ」東京公演が終わってから半月、何をやっているのかというと、演劇学校系で働いてます。ENBUゼミのマイズナークラスは、あと2日4コマの佳境。前回受講者が見学に来てくれたりして、そういうのはうれしいね。時間堂では演技:オープンクラスをやって、中級クラスをやってて、とても充実した時間を過ごした。このあと静岡6/16津6/19仙台6/22大阪6/25~27福岡6/28の順に回るけど、これもどんなクラスになるのか楽しみ。

****

タフな話し合いがあった。必要だと思ったからやって、いまはやって良かったと思う。まだ結果は出てないから、そのうち分かるだろう。

タフな話し合いには大失敗の思い出もあるから、そうならなくて良かった。同じ失敗を繰り返したくない。繰り返したらは失敗を本当には理解してなくて、その要因を変えてないってことだから。

話してすっきりしたい、というのは単なるエゴで、でもモノづくりをするアーティストなんだから、モノづくりについてとか、モノをつくる姿勢については忌憚なくやりとりするほうが、結局作品に献身することになると思うんだな。

考え方は違う。それはいい。違いを提出しあい、磨き合うことが、その過程が作品の奥行きとか深度になる、と思う。面倒だけど面倒を見ないふりすると肝心なところで踏ん張りが効かない。そんなのやだ。でも大失敗もしたくない。ので、なんだ、あれだ、つかれたよ。

こんなことを考えたよ。

****

夢があるとする。
夢を叶えるためには、いまいる場所でベストを尽くせ、という話を書く。

夢を叶えるためには、いまより競争の激しい場所で競争をすることになる。いまここで一番になれないのに、夢の場所ならなら成功できる、というのは発想が甘い。「○○は自分の夢だからがんばれる」というのは、論理的には難しいと思う。

「この場所は自分の場所ではないかも」という不安感は誰にでもある。「どこかに自分の頑張れる場所があるんだ」「子供の頃の夢だから」などなども、これと似た発想。だけど、「自分の場所」を探し続ける限り、それは見つからないのではなかろうか。「自分の場所」は探すものではなく、覚悟して決めるものだと思う。
この場所で得られないものは、他の場所でも得られない。そういう理由で活動の拠点を移すひとは、違う場所でも同じパターンに陥る。

自分を変えるためには「過ごす場所」「付き合う人」「時間の使い方」の3つ以外の方法は無い、一番無意味なのは決意を新たにすることだ、と言った人がいる。これが本当だとして、新しい環境を選んだとき、そこに最低3年はいないと、有意な経験値は得られないと思う。3年いたって、先ほどのマインドセットが変えられるかはあやしいものだ。だが1年ではほぼ間違いなく変えられない。

そのマインドセットは、職業倫理とかプロフェッショナリズムと呼ばれるものなんだろう。逆に言えば、それがある人はマックのバイトでも治験でも、自分のキャリアに有意な経験が蓄積できるのだろう。

俳優というのは、作品ではなく演劇そのものあるいは映画そのものを深く愛していないと出来ない、というか、やっても一流になれないと思う。売れっ子になって作品を選び放題、なんていうのは100人にも満たない人で、何十万人の俳優が来た仕事を選ばず俳優活動を続けていくんだと思う。その大多数のなかから100人の売れっ子になる人は、実力と運が兼ね備わっている人だけだと思う。そういうひとは、自分の役の大小、作品の良し悪し、関わる人の好き嫌い、を越えて、演劇や映像に対する愛があるから、人一倍考え、努力をし、その結果として作品に貢献し、いい俳優だと評価されるんだと思う。その結果として売れっ子になるか、売れっ子になるために必要な実力を手に入れるんだと思う。

多くの自称俳優に欠けているのは、この演劇愛や映像愛みたいなものではないかしら。いまいる場所を出て夢を目指せば、演劇映像愛が発揮されるという論理はあんまり成立しない気がする。今いる場所でがんばることが、そのなんとか愛を持つことにつながるかは分からない。しかし、今いる場所に信頼出来る仲間がいる場合に限り、問題を「環境の変化」で解決しようとするより「経験値と理解者との切磋琢磨の積み重ね」で得られる果実のほうが大きいんじゃないかと思う。それが知らない演劇の魅力を体験できる一番の近道だと思うし、魅力を体感することが愛することに繋がる可能性ではないかしら。

他の人の持っていない強烈な魅力を持っている人は多いが、それを武器にする以前の問題で躓くことがほとんどだ。つまみぐいのように場所場所を渡り歩いても、それだけでは有意な経験にならない。覚悟を決めないと何も得られない。

え、一番て何かって。それを聞いちゃうあたりが甘い。なんでもいいんだよ。実力はもちろん、努力でもいいし、外してもいいし、爆発力でも突破力でも、深遠さでも軽佻さでも、コメディでもシリアスでも、頭使っても美しさでも、なんでもいいの。分析して競争のないとこに行くのだって立派なやりたかよ。

なんでもいいんだよ。本気で愛してれば。

私の劇団、時間堂で新劇団員を募集している。あと一週間後の6/18(月)〆切なので、ふるってご参加下さい。

さて。表題の本文。

劇団Aの劇団員Bと、その後輩の劇団員Cについて話してた。劇団Aは時間堂よりキャリアも動員も多い劇団。私とCは、Cが劇団Aに入るか入らないかくらいから顔見知り。

手短に言えば、Cは成長したよねえ、としみじみ話した。実際に3年を過ぎたあたりからメキメキ音を立てて伸びた。でも、そんなに伸びるなんて思っていなかったから、正直びっくりした。もちろん嬉しく思ったし、それを読みきれなかったのが悔しくもあった。

フリーの俳優として活動する道を否定はしない。一時期劇団というものが廃れて、プロデュース公演が流行った時期もあった。時間堂も1997年に活動をはじめてからしばらくは一人で活動している、いわゆるプロデュースユニットのようなものだった。だから、実際自分もそうだったので、フリーやりたい気持ちはよく分かる。

たしかに、劇団は面倒な事が多い。人間関係でも、運営でも、ひとりでならサクサク決められることが決められなかったり、やりたくない雑務や、さほどノリ気でない作品に出ないといけないこともあるだろう。しがらみは増える、自分の時間は減る、それは間違いない。

それでも時間堂を劇団にしたのは、同じ俳優と長時間過ごして密な共同作業をしないと、やりたい演劇に近づけないと感じたから。劇団としては、本気で取り組んでいて、劇団の方向を理解し、美しいと思うものを共有し、同じ言葉で演劇作りをする仲間は、とっても大事。技術や経験のあるなしは関係ない。そんなの経験を積めばつくから。
俳優としても、成長しようとおもったら、劇団に入って信頼出来る仲間と切磋琢磨する方が、フリーでいるよりはるかに効率的だと思う。

楽しちゃいけないと思ったんだよね。人と関わることに。演劇づくりを突き詰めたいならさ。いや、いらん苦労はしなくていいけど、苦労をゼロにすることは出来ないし、ならば苦労を他者と分かち合う歩み方をしたほうが、より大きな果実が手に入ると思うんだ。

で、ここから先が重要なんだけど、最低3年は一緒にやったほうがいいと思う。これはCの例を見てて思うことでもある。1年2年ではお互い分からないことが多すぎる。いい時期があって、うまくいかない時期があって、またいい時期があって悪い時期があって、を何度か繰り返して、ようやっとお互いに「成長したね」て共有できる場所に移動できるんだと思う。

俳優としての成長って、ドラクエみたいに経験値を貯めたら突然レベルが上がるって類のもので、コツコツ努力したら右肩上がりの斜め線で実力がつくもんじゃないと思う。ずっとずっと暗いトンネルを歩いていて、急に道がひらけるようなことが多いはず。経験のある俳優でも、方々で仕事をして、自分のスタイルを見失う時があると聞く。自分のホームといえる活動拠点は、あったほうがいいんじゃなかろうか。

Bは映像や商業演劇でも活躍している、いままさに上り坂のいい俳優。おちゃらけて見えるけど、演劇に対して、劇団に対して真剣で、何より愛がある。Cはいまでは劇団Aの中でも欠くべからざる存在として、Bも信頼を寄せている。

時間堂と黒澤世莉も、そういう出会いを待っている。一緒になるからには、面倒みます。続きを読む

↑このページのトップヘ