「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

カテゴリ: 2011年3月11日、それから先の日本のこと

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黒澤世莉ですよ。みんな、元気に生きてますか?大変なことも多いけど、生きましょう。

さて、新型コロナウィルスの流行で、いろいろと考えたり、気持ちが落ち込んだりする方も多いのではないでしょうか。ていうか、私は元気なくなりました。ばかやろーやってられっかよーこんちくしょー。

さて、そうは言っても人生は続くので、自分で自分を幸せにするべく、大きな方針を立てました。

・自分の機嫌は、自分で取る
・変えたいことがあれば、行動する


たとえば、いまの政府のやり方に不満があったり、こうしてほしな、て思うことがあれば、官邸にワンクリックで意見を送ることもできます。



わたしは、SNS上に意見を書くことが無意味とも思ってないです。多くの批判が出たら、それに対して対応するということが起きないとも言えないので。でも、もっと直接的に行動することはより有効かなと思います。

たとえば、給付を全市民に一律で30万円出してね、という要望が、1つだったら無視されるかもしれませんが、1000万人から来たら、考え直すかもしれません。

わたしは、気が向いたときにはメッセージを送ってます。そう、一回だけじゃなく、何回もコツコツおくることも可能です。

行動しないで文句言うのは無粋だなあと思うので、できるだけのことはやりながら、自分の機嫌もとりながら、生きていこうと思います。はい。

いまんとこ私は官邸にメッセージしたりchange.orgに賛同するくらいなんですが、他にもこんな行動ができるよ、ていうご意見やアイディアがあったら、共有してくださいね。

そして、いままさに最前線で体を張ってくださっている、医療関係者、行政担当者のみなさまに、こころからの感謝をささげます。ありがとうございます。

最後に、恥を忍んで、わたしはこんなこと送ったよってことを公開します。以下拙文ですが、なにかの参考になれば。1000文字くらいかいちゃったけど、べつに「家族を守りたいので、給付金を迅速に一律で全員にお願いします」とか一文でも十分だと思います。行動することが大事なので。

新型コロナウィルス拡散防止に関する施策について
外出を8割減らして、2週間後に感染者数を減少させるという方針は理にかなった目標と考えます。
重要なことは「外出を極力減らす」ことでしょう。
目標を達成するためには、市民に要請しその努力に期待するだけでは不十分だと考えます。以下により目標達成に資するための要望を提出します。

外出する多くの市民は会社員、公務員で、企業や行政機関の方針で出勤している場合が多いかと思います。
例えば、わたしの家族もその例に漏れません。本人は外出を控えたくても、会社の方針で出勤せざるを得ません。また、出勤しないことには給与の補償がなく、経済的に困窮し生活に支障をきたします。本人は外出を避けたいと思っているにも関わらず、です。

目標とする数値まで市民の外出を減らすためには、現状の施策を改善する必要があるでしょう。ひとつは、会社や行政機関に対し、社員のリモートワークを促すか、給与保証の上自宅待機をしてもらうように依頼すること。もうひとつは、給付金を各世帯に30万円条件付きで給付するという部分を、市民全員に一律20万円の支給をすると、はっきり変更すること。

結論から言えば、全市民への一律の現金給付が一番効果があると考えます。
スピード感が無くなるとのご発言もありましたが、条件付き給付の場合、各行政機関の窓口が混乱し、各職員の負担が大きくなり、スピードをあげてはミスも回避しづらく、現場の苦労がふえた上に結果として必要なひとに届かなくなる恐れがあります。
市民全員に迅速に給付することは、特別なチームを編成すれば、不可能な目標ではないと考えます。実際に諸外国ではやっていますし、日本の優秀な官僚組織から横断的に人材を集めればできるのではないでしょうか。全市民への給付の仕組みをつくることは、条件付き給付で各窓口職員の負担を増すより、公務員の負担という観点で考えても理性的に減らせるのではないでしょうか。

コロナ流行収束後の社会を考えても、給付金が最も復興に有効だと考えます。
仮に現状の支援だけにとどまった場合、市民の多くが経済的に立ち行かなくなってしまいます。その結果、行政の福祉の制度を大きく圧迫するリスクがあります。さらに、コロナ収束後の経済回復という観点で考えても、生活の破綻した市民が多い状況では、また経済の停滞を招くリスクが大きいでしょう。

反対に、いまの時点で各市民に現金給付で経済的な支援をすることが、福祉制度を結果的に救うことになり、コロナ収束後の経済の回復につながるのではないでしょうか。お金さえ残っていれば、ずっと家にこもっていた市民が、外出したくなることは自然なことだと考えます。

最後に、最前線で戦う医療関係者や公務員のみなさまに感謝を表明します。ぜひ官邸からも毎日前線で奮闘する医療従事者たちに感謝を表明してください。そして、政治にできるサポートをしてください。

みなさまの賢明な判断を期待します。


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さいごにみなさまの免疫力を高めるため、ひよこ豆チキンカレーを置いときます。美味しくできました。家にずっといると自炊がはかどりますねえ。

【3/1更新】
本日、野田秀樹さん、平田オリザさんが、明確なメッセージを発信してくださいました。






先輩たちが意思表示してくださると、心強いですね。
敵はウィルス。人間は粛々と手洗い換気など対策を徹底しましょう。

【2/27】
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黒澤世莉です。時間堂という劇団をやっていたころ、オリジナルグッズでガーゼマスクをつくってました。雨森スウさんという手芸マスターがいたおかげです。
いまならバカ売れしてたよね!10年早かったよ!

さて。落ち着いて。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、コロナちゃん)が流行しています。いまは政府のご意向に沿って、演劇公演をはじめとして、多くのイベントの中止が発表されています。野球やサッカーも大変よね。

わたしは、今の時点ではイベントを開催していいと考えています。
当然ですが状況が変われば意見も変わる可能性があります。

自分ではワークショップを以下のような注意書きをつけて実施していますし、していく予定です。

COVID-19の流行を受けて、日本感染症学会の文章
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_mizugiwa_200221.pdf
を参考に、以下の対策を行います。

◯以下の対策を行います。
・会場内のこまめな消毒、換気をします。
・来場者全員のうがい・手洗いを徹底します。
・可能なプログラム内容を、
参加者同士や床面などへの接触が少ないものに変更します。

◯参加者のかたへ以下の点のご協力をお願いいたします。
・発熱、咳などの症状がある方は参加をお控えください。
・キャンセル料はいただきません。


なにか不安なことやお気づきの点がございましたら遠慮なくスタッフにお申し付けください。
どうぞよろしくお願いいたします。


もちろん、公演やイベント企画は個々の責任者が決断することですので、開催、延期、中止、いずれにせよそのお考えを尊重します。
この機会に生配信に挑戦してもいいですし、開催して動画ログを公開するという形式もいいと思います。

その上で、個人的な考えを書かせていただきます。
これは私の意見を聞いて判断してほしいというより、対話をすることで考えが深まるのなら、書くことにも意味があるかなあと思ったためです。

根拠は以下のリンクになります。
日本感染症学会の文章2/21
http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_mizugiwa_200221.pdf

高山義浩医師のフェイスブックエントリ2/26
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2716494608404029&set=a.167956633257852&type=3&theater

致死率は2.3% 高齢者や持病ある人は注意 中国分析データ公表[NHK2/19]
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200219/k10012291281000.html


イベントを開催していいと考える理由は4つあります。

1:空気感染しない蓋然性が高い
手洗いうがい消毒をしっかりすることで感染の可能性を低くできると考えます。

2:公共交通機関や職場は稼働している
学校は休校になる発表がたったいま聞こえてきました。
しかし、勤務や通勤がある、保証や手当がないなど、家族が自主隔離できる対策の徹底は出来ていません。
その状況の中、感染拡大を防ぐ理由で、小規模イベントをやめる数字的な理由はないと考えます。

3:死亡率が低い
60代以下の死亡率は低いです。40代以下は0.4%以下で、50代は1.3%です。
そもそも感染力が強くて致死性の感染症だったら、ダイヤモンド・プリンセスでもっと大変な事態になっていたはずです。感染力もインフルエンザほど高くないと考えられています。
仮に感染してしまったとして体調管理をしっかりとすることで、快復する可能性が高いと考えます。

4:イベント自粛による経済的な被害
小劇場にかかわる人々にとって、公演ができるかどうかはお金的に死活問題なので、
リスクが許容できるイベントは開催してもいいんじゃない、という意思表示をしたいと考えます。
冬になればインフルエンザが流行するように、わたしたちは常に流行病と併走して演劇を行ってきました。
ほんとうに死者がたくさんでる、爆発的に感染する病気であれば、すぐに中止したほうがいいでしょう。しかし、そうでないのであれば、演劇をしたほうがいいと思います。なぜならば、演劇やイベントが、ある人にとっては人生の糧であり、またあるひとにとっては個々での体験が明日への活力になり得るからです。

最初に書いたとおり、公演や企画は個々の方のご判断を尊重します。
延期に反対っていうことが言いたいわけでは無いので、その点ご理解いただければ幸いです。
また、社会全体が本気で自主隔離に全ブリするっていうのであれば、それもありだし、そうであれば従ったほうがいい場合もあると思います。

コロナちゃんについて、ただ漠然と怖がるのではなく、情報を集めて、対話を重ねて、公益と自分の状況と鑑みて、是々非々で判断していけるといいなと考えます。

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カレーを食べると免疫力があがるということでしたので、サバキーマカレーをおいて本稿の結びとします。みなさまお元気で!

サッカー好きな黒澤世莉です。

なかでも元サッカー日本代表監督のオシムさんが好きです。とにかく言葉が素敵。たとえばこんなことをおっしゃってます。

確かにそういう所から影響を受けたかもしれないが……。ただ、言葉にする時は影響は受けていないと言ったほうがいいだろう。
そういうものから学べたとするならば、それが必要なものになってしまう。そういう戦争が……。

「悲惨な隣人殺しの戦争や艱難辛苦によって、現在のオシム監督が得たものが大きかったのでは?」との質問に答えて


複雑な状況のユーゴスラビアという国で、混乱の中生き延びたオシムさん。インタビューや記事から、深い洞察力と人を喰ったようなユーモア、尽きせぬ愛情を持った人柄が伝わってきます。一度いろいろ読んでみてください。

【オシム語録】イビチャ・オシムの名言集【サッカー監督】
http://matome.naver.jp/odai/2126700112547038601



私は戦争を体験したことがありません。とても幸運だと思います。でも、この先も戦争を体験せずに済むかどうかは分かりません。いま400万人の難民を出し、政府と反政府組織が激しく対立するシリアは、ほんの10年前までは世界の中でも有数の平和な国だった、と言われています。

シリアってどんな国?ニュースでは伝えない騒乱前の平和な国のエピソード
http://www.huffingtonpost.jp/triport/syria-episodes_b_8193774.html

10年後の日本が、まだ平和な国であるかどうか、私には分かりません。そうあってほしいと思います。

個人的な話を書きます。

2011年3月11日以降のことを振り返ると、やっぱり色々なことが変わったんだろうな、と思います。私はほんとうに忘れっぽいので、細かいことはいちいち覚えてられない質なのですが、にもかかわらずあの日のことははっきり覚えています。

日本の色々なところに積極的に行くようになったのはそれからです。行かないと分からないなと思ったし、言っても結局分からなかった。でも、行くことで、その場所のひとと友だちになって、美味しいものを食べて、同じ景色を見て同じ空気を吸えた。

2012年に時間堂「ローザ」で、はじめて東京以外の公演をやるのが、全国ツアーだっていうのが、自分でもイカれてると思いますね。今自分が「はじめての他地域公演をツアーにしようと思うんです」て相談されたら「やめとけ」て答えますね。間違いなく。

でも、やってよかったです。楽しかった。赤字だったし、やってる最中は大変だったけど、いまは楽しかったことしか思い出せない。

その経験は、消えることがない。忘れてしまうかもしれないけど。

そして、いままでいろいろなひとの話を聞いて、大変な経験をしたひとは、やっぱり傷ついてるんだな、て思っています。それに対して他者が出来ることは本当に少ない。

私は、特別なことをやろうっていうつもりは無くて、もともとそういう意識薄いっていうのもあるし、続けられないことを続けようとしても、続けられないし。だから、自分にできること、続けられることをやったらいいんだよなって思っていて、だからそれは「楽しい」ことで「習慣」にできることがいいよな、て思ってます。

だから私は旅に行きます。出来るだけ色んなところに行きます。新しいところにも行くし、再訪もするし。そして、いろんな人にあって、喋って、ごはんたべます。お酒は飲めないので、飲んでるのを見守ります。

これは支援ではないです。どこかの誰かのためのことじゃなくて、自分の生き方の話です。私みたいにフラフラしてるひとが役に立つ場合もあるだろうけど、そんなことはまあ、ないほうがいいわけです。フラフラするのは、そういうことをしたら私の人生が充実するからするだけ。

ていう「覚えていることも忘れることも、できない事柄について」いま考えていることを言葉にしてみました。

それで、このカテゴリに記事を書くのはもうこれでおしまいにします。いろんな事が終わっても始まってもいないんでしょうが、私は私の日常のなかに、私の習慣のなかに、自分も周りもハッピーになるようなことをしのばせていく、ていうことならできそうなので、そういうことをやっていきます。

それは特別なことじゃなくて、日々の生活の中にあるもの。

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【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
http://handsomebu.blog.jp/archives/52361098.html

2016年の時間堂は7月の本公演とレパートリーシアターの【12ヶ月連続上演】

【時間堂ソシオ(共同運営者)募集】時間堂主催公演の全演目がご覧いただけます。ともに文化をつくりましょう。
http://handsomebu.blog.jp/archives/52360535.html

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黒澤世莉です。

フランス、パリでの同時多発テロに心を痛めています。現地のみなさまのご心痛はいかがばかりでしょうか。想像もつきません。これ以上パリの方々に被害が及ばぬよう願っております。何人かの知人はみな無事が確認できましたが、ほんとうに心細い日々をおくっていることと思います。私にできることはなにもないですが、ただよりそっていることだけは伝えたいと思います。

We love Paris, We are always with Paris.

フランス語は出来ませんので英語で勘弁してください。

大切な人を奪われた方々が、怒りや憎しみにとらわれませんように。
絶望に近いときほど、隣人を愛せますように。
罪人を許せますように。

テロは許せないものですし、許すべきでもありませんが、怒りに我を忘れることは我々をテロリストと同じ人格に落としてしまう可能性があります。

どうか強い心で、愛を持ってください。

フランスの同朋のために祈ります。

パリ同時多発テロについては、以下の記事が参考になります。

【パリ同時多発テロ】オランド大統領が会見「ISの犯行」 死者は127人以上(UPDATE)
http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/13/french-paris-shootout-explosion_n_8560338.html
フランス・パリの複数箇所で11月13日、銃撃や爆発があった。BBCによると、コンサートホール「バタクラン劇場」で人質に取られていた約100人が死亡したという。オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言し、国境を封鎖。テレビ演説では「前例のないテロが起きた」と述べた。


Twitterをやっているかたは #PrayForParis のハッシュタグでつぶやくことで、パリの人々を勇気づけられるんじゃないかと思います。一人ひとりの声は小さいものですが、何万もの声が集まってることは意味があると思います。日本語でいいと思います。

そして、このテロが、たくさんの難民の生活に悪い影響を及ぼしませんように。イスラム教徒に対する差別が広がりませんように。多くのイスラム教徒は善良ですし、たまに悪い人もいるのはイスラム教にかぎらず、あらゆる宗教においてそうでしょう。

少なくとも、私の周りのムスリムはつねに善良でした。

本当に悲しい事件ですが、憎しみの連鎖を生まないように、理性ある人間として適切な振る舞いをしたいと思います。

____________________おしらせ____________________

静謐な演劇空間「toiroan 十色庵」一般貸出スタート
http://toiroan.tumblr.com/


黒澤世莉 (時間堂・演出家) のプロフィールはこちら:2016年のお仕事募集中
http://jikando.com/member/seri.html ご連絡は info@jikando.com まで続きを読む

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オクラと豚コマのカレーと黒澤世莉です。

いわゆる安保法案が可決しましたね。賑やかな話題になってます。

オオカミ少年は誰なんだろうなあ、て考えてるんですよね。オオカミが来ると思って騒いでいるけど、本当に来るのかしら。もしオオカミではなかったとしたら、騒いでいるうちに誰にも聞いてもらえなくなって、本当にオオカミが来たときにも信じてもらえなくなっちゃう。そういう状況になっちゃうんじゃないかなって。そういう状況のほうが、よっぽど怖いんじゃないかなって。

「地獄への道は善意で舗装されている」てよく言いますよね。多くの人が良かれと思って行動しているんだと思うんだけど、その善意に知性が欠けている場合、たいへんな事態になっちゃうんじゃないかな、て思います。これはモラルではなく知性。じつはモラル自体はあんまり問題にならない、ていうか規律を重視する人ほど、タガが外れた場合に危険なことをしてしまう可能性が高い。セイラム魔女裁判なんかはその顕著な例だよね。最近だと、良かれと思って福島に人は住めなくなる系のことを喧伝した方々なんか、モラルあっても冷静さが足りなかった例だと思うのよね。結果として、福島の方々に非常につらい思いをさせた、あるいはいまもさせている、と思うんです。

10年後20年後にならないと、あのとき平和に貢献したのは誰か、なんてことは分からないわけで、それこそ岸首相が退陣した安保条約改正は、何十万人もデモにひとが来て、でも少なくともそのあと50年の日本は平和だったわけでね。そりゃベトナム戦争やイラク戦争に加担して平和も何もあるかって話もできるけど、じゃあ安保破棄して武装したほうが良かったのか、あるいは安保破棄して武装しないってウルトラCがあるのか。わたしには、そのほうがより平和で豊かな国になったっていう仮説は、ちょっと信じられないです。

わたしは、別に自民党の支持者でも安部首相の支持者でもないです。し、この安保法案が日本をより良くするとも思ってないし、なんならダメな感じだと思ってます。ただ、この法案によって戦争への道が開かれる、みたいなことはないんじゃないの、て考えてる。それこそ10年後に、あのときは間違ってましたって泣いて謝るかもしれませんが、でも、これ言っとかないのも腰が引けてんなと思うので、書きました。

今この国における、戦争への筋道っていうのは、もっと別のところにあるんじゃないかな。それは、興奮状態における思考停止と同調圧力が問題になるんじゃないかな。前の戦争の時も、市民一人ひとりが冷静さを失い、正義感にかられた結果だったんじゃないかと考えてます。

具体的に問題はなんだって聞かれると、分からないんだけど、いまの政権がずっといて対抗する政党がないみたいなことは、大きな問題だと思う。

政治が社会が狂っているとして、それに対抗する有効な手段、投票率を上げるとか、まともな野党を育てるとか、そういうことしか思いつかないけど。そのためには、ひとりひとりの国民が知性を上げるしかないんじゃないかしら、て思ってます。

いまの日本はわたしがつくっていて、そこに起きていることには責任がある。

____________________おしらせ____________________

ワークショップ情報
■東京
http://jikando.com/workshop.html
[演技:オープンクラス]
7月 20日(月) 19:00〜22:00
7月 25日(土) 13:00〜16:00
7月 27日(月) 19:00〜22:00

[演技:中級クラス]
7月 31日(金) 19:00〜22:00

黒澤世莉 (時間堂・演出家) のプロフィールはこちら
http://jikando.com/member/seri.html

【演出します】高校生と創る演劇「赤鬼」
2015/11/7~8 at 穂の国とよはし芸術劇場PLAT

時間堂がつくった、演劇をみるつくる体験する場所「toiroan 十色庵」リノベーションの記録。気軽に遊びに来て下さい
https://note.mu/jikando

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黒澤世莉です。東日本大震災から4年が経ったということで、いろんな方が思いを馳せていらっしゃいますね。いいことだと思います。

こういうところで、いきり立っていろいろ「思いを馳せよう」とか「行動しよう」って、言いたい気持ちも分かるんですが、まあ、ちょっと落ち着きましょうよと。いや、被災地域やひとびとに思いを馳せたり考えたりすることは、いいことだと思いますよ手放しで。でも、急にガーッと勢いでいろいろ来られたりしても大変だと思うんですよね。受け入れる方も。そういう時期は終わったんだろうな、て、何回か行って思ってます。他の地域はともかく、仙台は東京からくるいろいろなことに「おなかいっぱい」になっている感じがしてします。(一方でケアが届いていない部分があることもまた事実でしょうが、部外者が手を入れられる部分ではなくなっちゃう)

じゃあ、なんもするなとか、そういうヤケなことを書きたいんじゃなくてですね。

あんまり難しいことをしようとしても、日常ではなかなか続けられないので、自分にも出来る、簡単な、続けられるようなことをやったらいいと思います。気長に。たまに。

それだけ。

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10-BOXではいろいろな方に出会い、お話を伺いました。去年ここで公演できたことはとても嬉しいことです。

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牛たん美味しいよ牛たん。仙台駅でも美味しいのが食べられますが、国分町のICHIRYUがお気に入り。

今年は仙台、いわき以外の、東北のどこかに行こうと思います。もしお声がけがあったら、ワークショップでもリーディングでも、なんでも行きますよ。

足を運ぶこと。それが、私にとっては続けられること、です。

きっと誰にでも、負担にならずに、でも誰かの役に立てること、てあると思う。

____________________おしらせ____________________

黒澤世莉 (時間堂・演出家) のプロフィールはこちら
http://jikando.com/member/seri.html

演劇ワークショップ講師
http://jikando.com/workshop.html
■東京
[演技:オープンクラス]
3月 22日(日) 13:00〜16:00

[演技:中級クラス]
3月 26日(木) 19:00〜22:00

■一般向け
ブレイブ・シード[演劇メソッドを使って身体で掴む。恐れ、羞恥の向こうにある可能性と楽しさ]
https://docs.google.com/forms/d/13FJYsTok8nB0Mg6fAdZ552oAJlywPMEPHcvU3PtaD70/viewform(日)10:00~13:30 at toiroan 十色庵

■大阪
http://jikando.com/workshop.html
3/30(月)【ご好評に追加開催決定】14:00~17:00 / 19:00〜22:00 at in→dependent theatre 2nd

トークゲスト
(劇)ヤリナゲ『スーサイド・イズ・ペインレス』3月27日(金)19:30終演後トークゲスト
http://yarinage.wix.com/home

オーディション
http://toyohashi-at.jp/news/news.php?id=69
高校生と創る演劇『赤鬼』出演者&高校生スタッフ募集

新作書きおろし・演出
東京ハートブレイカーズ「スーパーエンタープライズ」
http://www.tokyoheartbreakers.com/
2015年4月29日(水・祝)〜5月3日(日)
吉祥寺STAR PINE’S CAFE

時間堂がつくった、演劇をみるつくる体験する場所「toiroan 十色庵」リノベーションの記録。気軽に遊びに来て下さい
https://note.mu/jikando

2011年3月11日の東北大震災からまる二年が経ちました。節目という言葉がある通り、なにかの区切りというのはあっていいと思います。復興活動や復興支援は日常的な行為こそ価値がある、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、書きますよ私は。震災から3年目に思うこと。

結論から書くと、
世界中に友だちをつくろう
と思いますし、おすすめします。

そんなに難しいことじゃないです。
ちょっとお金をためて、一人旅とかすれば、すぐできます。
趣味がある人は、趣味に絡めて旅をすればいいでしょう。きっといい出会いがあります。

2011年3月11日と2013年3月11日の、私にとっての一番の違いは、具体的な友だちの顔がどれくらい浮かぶかってとこです。
2011年には、盛岡と福島に住んでいる友だちのことしか考えられなくて、あとはぼんやりとした「みなさん大変だなあ、ご無事だといいなあ」との思いがありました。
2013年の今は、宮城や福島で出会った友だちの、ご家族とか、お友だちとかのことを思いました。そこには名前と顔がありました。そして、具体的な方がより、強く思えるものだと思います。

もし被災地に行ったことがなかったら、ほんとに何気なく、観光気分で行ってみたらいいと思います。一人でふらふらしてたら、絶対何か出会いがあります、約束します。そして帰ってきてから、顔と名前の分かる人がいる場所のことを、身近に感じるようになります。
例えば私は、九州に友だちがいなかったわけですが、去年福岡や枝光に行ったことで、昨夏の大分の洪水について思いを馳せました。福岡と大分は全然遠いですし、思いを馳せたからなんだって話かもしれませんが、でも、もし九州に行ったことがなかったら、私は多分、大分の洪水になんか気にも止めなかったと思うんですよね。でも、今は九州に友だちがいて、そうするとやっぱり気になる。覚えようとしなくても勝手に覚えてしまう。
その、意識しようとしなくても、自然と考えちゃう、ていう状態にしてくれるのが、友だちをつくることだと思うんです。

いまは北に被災地があり、私が生まれ育った東京は支援する立場ですけど、それはいまたまたまそうなっているだけで、明日関東大震災が起きたら、私たちは支援される側になるわけです。被災者/支援者の立場なんて、あっというまにひっくり返るものだと思います。
支援して欲しいから友だちをつくるわけではないけれど、きっと、ゆるやかに手をつなげる関係が日本中にあったほうが、お互い得だと思います。神戸でのノウハウが東北に役立った、みたいなことが、きっとこれからどんどん起きると思うんです。

今年のはじめにイランに行って、イラン人ていうものに親しみが増しました。いまもうイラン人ていうだけでウェルカムな気持ちです、それくらいいい出会いが多かった、もちろん嫌なこともありましたけど、基本的にはほんとうに旅人に対して寛容を通り越して世話好きな民族です。

核実験とか、人権侵害とか、国境紛争とか、いろいろあるかと思いますが、いや、実際あって話をしてみたほうがいいですよ。話したことないのにイラン人が怖いとか酷いとか決めつけるのはどうかと思います。

で、これはイラン人だけじゃなくて、韓国人や中国人もそうだと思うんですね。
で、もっと言えば、反原発とか、そういうところもそうだと思うんですよ。いま、原発反対の人と、原発容認の人って、お互いディスってるというか、相手をバカだと思ってるフシがあるというか、考えが違う相手の話を聞いてない感じがするんですが、いやいや、違うだろうと。対話の道を閉じてどうするんだと、私は思うわけですよ。

だから、考え方が違うひととも、友だちになってですね、きちんと対話をした方がいいと思うわけです。「自分絶対正しい、相手はバカだから分からない」て思ったら、ほんと、その時点で負けですよ、何に対して負けかというと、人間として負けです。

まあ、そういうわけで、とにかく、世界中に友だちをつくるぞと、そういう気持ちで生きてみるのがいいんじゃないかと、そう思うわけです。難しくないです。

いろんなところに行って、たくさん見て、たくさん聞いて、少しを話せばいい。そんなに世界中を回らなくても、隣の町でも、駅でも、県でも、島でも、隣の家でもいいかもしれない。今自分がいるところから少しはみ出してみる。

私はそんなことが、世界を救うと思います。

仙台で3月23日から25日まで、ワークショップをやることになりました。

色々考えたんですけど、結局いつもやってることをやろう、と思ったので、基本的にはいつも東京でやってることをやります。ここ1年で、いろんな地域の人と出会って、「異文化」と「交換」ていうのが、すごく面白いな、と思っていますので、たくさんの背景を持ったひとたちと、お互いの持ってるものをやりとりできれば、充実した時間になるだろうと思ってます。単純に、泊まりこみで演劇やるのとか、すっげー楽しいので、もうぜひ来ちゃってください。東北の友人知人への転送も大歓迎です。

仙台で会いましょう。

http://arct.jp/walking/index.html
以下webから転載です。

****
Street 6 黒澤世莉と歩くと。。。

はじめまして。東京で演出家をしている黒澤世莉と申します。
ご縁があってARC>Tでワークショップができて、とてもうれしいです。
「多地域から集まったひとびとが交換する面白さ」が味わえる、ARC>Tならではの凸凹した集まりが出来るんじゃないかしら。
でも、特別なことはしません。いつも東京で、俳優たちと真剣勝負をしている内容を展開します。
東北と言わずいっそ全国からのご参加をお待ちしてます。

時間堂 黒澤世莉

ガイド:黒澤世莉(時間堂)
アシスタント:菅野貴夫(時間堂)
ナビゲーター:原西忠佑

●Aトラック
全日程を通して行われるプログラム。
日時:3月23日(金)18:30〜21:30
   3月24日(土)13:00〜19:00
   3月25日(日)13:00〜19:00

●Bトラック
イントロダクションとして「共通言語」を獲得する時間。
1回のみでも参加出来るプログラム。
日時:3月23日(金)18:30〜21:30

会場:せんだい演劇工房10-BOX 別館 能-BOX
場代:一般2,000円 学割1,000円 あるくと券1,500po(各回)
募集人数:15名程度 ※申込人数が多数の場合は抽選
お申込み:こちらのフォームからお申し込みください。
【応募締切:2012年3月16日(金)】

□参加条件
東北で舞台表現に携わる、または志す16歳以上の男女。
Aトラックは全日程参加可能な方。
※23日はAトラック、Bトラックの同時開催となります。
※主に実演家向けの内容になると思いますが、スタッフの方でも参加可能です。

■黒澤世莉 プロフィール
佐藤佐吉賞優秀作品賞、演出賞受賞。スタニスラフスキーとサンフォードマイズナーを学び、時間堂として活動を開始。劇団の他「王子小劇場プロデュース」「劇団朋友」等の演出も手がける。「俳優の魅力を活かすシンプルな演劇」が一番面白いと考えて、俳優と観客の間に生まれ、瞬間瞬間移ろうものを濃密に描き出す。指導者としても新国立劇場演劇研修所や円演劇研究所、俳優指導者アソシエーションなどで活動中。

この間気づいたんですが、原子力発電が悪いわけじゃないんじゃないかしら。

反原発とか、脱原発とか、そういうことを論点にすると、よく分からなくなってしまう。

考えがまとまらないで気持ち悪くなってたのだけど、論点を発電方法から、政治の体制や東京電力という組織に移したら、納得がいった。

発電方法はともかく、東京電力は、賠償責任を果たして、破産したらいいと思う。

会社組織や政治の仕組み、メディアの制度疲労は明らかに起こっていて、改善したらいいと思う。具体的な方法は分からないけど、変えないといけないのは間違いない。

そして原子力発電は、いままでがんばって電気を作ってくれたことをねぎらいつつ、だんだん無くなっていけばいいと思う。

問題の主語を原発にすると、頭が混乱する。


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明日は仙台に行ってきます。芋煮会ですって。山形だけかと思ったら、宮城や岩手や東北いったいにある文化なのねえ。


キコ、第三稿があがったそうです。VIVA TSUYOSHI OGURI!

7月15日に宮城で撮ってきた写真たちです。アップしていいものか考えたのですが、写真が語ることもあると思うのでアップすることにしました。

東北道や仙台市内は、地震や津波があったことなんか分からないようにちゃんとしています。仙台市内からしばらく高速道路に乗ると、少しづつ整理されていないガレキが見えてきます。高速道路が津波の被害を食い止めた、という話を実感します。

私たちが行ったのは震災から4ヶ月立っていたので、石巻でも女川でも、道路の真中に車両や船舶がある、というような風景はなく、ずいぶん撤去作業が進んだようでした。それでも、脇に寄せはしたものの片付けきれていないガレキや、満杯になりそうなガレキの集積所など、被害の途方も無い大きさ。4ヶ月という時間は、復興するには短すぎる、生々しさを感じるには長すぎる。

まだまだ、これからです。

【石巻】
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