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黒澤世莉です。保坂萌撮影の『ローザ』写真をさっそく蔵出しします。照明は黒太剛亮さんです。オシャレね。

衣裳、美術、メイク、会場は時間堂でお送りしております。

さて。
照明仕込みも終わって、通し稽古のスチール撮影も終わって、何をしたかといえば、みっちり稽古をしました。

朝は通しの演出から。それから、空間に慣れるような、いつもと同じ練習をしました。スモールダンスと高速台詞回し。ほんとはリピテーションもやりたいけど、泣く泣くカット。

照明が入ると、空間は劇的に変わります。いままで慣れ親しんだ十色庵といえど、それは変わらない。

新しい環境に「負けちゃう」ときもあります。緊張しちゃったりね。平常心が保てなかったり。

ですから、この空間と馴染めるように、そして公演に望む前に、あらためて自分の身体と向かい合うように時間を使いました。

身体と向かい合うことと空間と向かい合うこと、これは他人と向かい合うことに通ずる、演劇の基礎です。基礎はいつでも大事。帰ってこられる場所。遠くへ行くための場所。

で、作品はできたんで、シーンの頭から細かく詰めていきました。

時間堂はいっつも、一回作ってからが勝負です。俳優たちの主体性において出来上がった演劇に、演出家が観た「このアイディアならもっとこうした方が素敵だよなー」とか「ここは隙だから埋めたほうがいいよねー」てことをやっていきます。

私にとって演劇は、私の演出をやってもらうというより、俳優たちが持ってきたものを、より素敵に見せることです。

こういうこと書くと「自分でプランしねーのか」的なこと思う人もいるだろうと思います。それって私に言わせればナンセンスな発想です。

だって、俳優たちが主体性をもって作品作ってれば、演出家は演出家である以上、素敵なアイディアを出しちゃいます。だってそういう生き物だから。そして主体的な俳優たちは、絶対演出家の素敵なアイディアには乗っかってきます。だって自分たちの演劇をもっと素敵にしたいから。

誰がプラン出すとかね、まじでどうでもいいことですよ。現場で作れ。以上。

あ、人のアイディアパクって「自分が思いつきました」とかいうのは言語道断なんで。やめてね。

だから、如何にして「主体的な俳優たちが自由に好き勝手アイディアだして作り込める」て環境を整えるのかが、わたしが演出家の仕事で大事だと思ってること、ですかね。

簡単そうですかね。結構大変です。演出家に甘えたがるからね。俳優は。そして演出家も俳優に甘えたがる。相手に委ねて、やってきてとか、やってこないとか、そういう話になっちゃう。

チーム全員が対等にものづくりするって、なかなか出来ないんですよ。

だから、そういう作品作りが出来ているときは、いい作品になると思います。関わるみんなが「これは自分の作品。自分がいい作品にするのだ」て、考えて行動してくるところは。衝突もあるけど、作品に献身するって目的が共有できてれば、必ずいい作品になる。

そういうチームは、いい作品を生む。

『ローザ』面白いですよ。




____________________おしらせ____________________

●演出作品 Plays
女性革命家の生涯を、花束で抱きしめる物語
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
http://handsomebu.blog.jp/archives/52390095.html


【ご利用受付中】静謐な演劇空間「toiroan 十色庵」
http://toiroan.tumblr.com/


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