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黒澤世莉です。このペースで行くとまったく終りが見えないので、ちょっとまとめて、一エントリで複数回の稽古をまとめていきます。

19回目の稽古は、5回目の通し稽古。20回目の稽古は、通し稽古を踏まえて、その演出からはじまりました。ちなみに、20回目の稽古から30回目の最後の稽古までの11回は、集中稽古になります。劇場に入るまで、間に一回のお休みを挟んで、10:00〜21:00まで稽古するという鬼スケジュールです。

みんなの体力が持つか心配です。

さて、前回のエントリでも書いたように、演出家には「待つ」という大事な仕事があります。そういうなかで、以前のエントリに書いた「一定の間隔で通し稽古を行う」タイミングがきましたね。通し稽古は舞台監督さんがきて、もろもろの打合せをしました。

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で、今日は演出家の言葉の使い方について書きます。

いろんな演出家がいると思いますけど、基本的には「嘘つかない」てのは大事だと思います。ハッタリかますタイプもいると思いますけど、いい俳優さんはそういうの敏感なので、偽物はバレて求心力失います。まあそういうのでうまくいっちゃう場合もあるので一概にダメじゃないんでしょうけど、わたしはキライなんで無視っす。

で「嘘つかない」についてなんですけど、率直にものを言うのも、たんに本音で喋ってればいいってもんじゃないわけですよ。演出したことがやってもらえなくってイチイチ怒ってたら身が持ちません。アホじゃないんだから。し、いい効果も産みません。

最大の失敗は、個々人が挑戦しなくなることです。

「できないことは怒られる」ていうマインドセットができちゃったら、無難な選択しかできなくなります。無難な選択の積み重ねが、刺激的で面白い演劇にはつながらないですよね。だから、

挑戦するといいことある

って現場にしていかないといけない。そのためにどう振る舞うかってことです。

単純に言えば、本音で挑戦してるさまを喜んでれば、自然とそうなると思います。

そうはいっても、演出家も人間ですから、いつも喜んでばかり入られないし、挑戦すべてがいい方向に行くわけではないし、挑戦に見えて身勝手な行為っていうのもあって、ここの線引は結構難しかったりする。

仮に、挑戦は作品のための選択、身勝手な行為は個人のための選択、としておきましょうか。でも、やっぱ見分ける切り分けるは相当難儀ですねえ。。。

モノゴトを伝えるには時期と場面と信頼関係とがあります。どこを外しても上手く伝わらない。

だから、演出家は基本的に率直な言葉遣いをしたほうがいい。その上で、言葉の使い方は注意深く、時期と場面と信頼関係を見定めないと、効果は上がらない。てことになるかと思います。

だから「時期が来るまで待つ」とか「今伝えても響かないと思ったら待つ」ていう選択も、あると思います。嘘をつく必要はありませんが、なんでもかんでも思ったことを伝えればいい、てことでもないってことです。

なんでこんなこと書くかって、わたし、そう思っていたからですね。余計なことまでなんでもかんでも正直に言ってた。それはあんまりよくないな、て体験で思いました。

一方で「こう見えたい」みたいなことってあんまり言わなかったんですよね。ゴールを設定すると、それだけで満足しちゃうというか、重要な部分の取りこぼしが起きると思っていて。過程を伝えて、そこを徹底した方がいいって思ってました。

でも最近は「こう見えたい」ていう場合も増えました。それは、俳優は「こう見えたい」というゴールに向けて、最適な行為をしてくれるよな、て思うようになったからです。ずれたらまた変えたらいいし。

でまあ、稽古場のことです。

通しのあと、わたしは『ゾーヤ・ペーリツのアパート』をどう持っていくか結構悩んでいて、それをチームに正直に伝えるかどうかも悩みました。結論としては『どうしていいか悩んでます』みたいなことを正直に伝えました。

方向は会ってるけど、まだ至っていない部分が多い。し、全員のアイディアがほしいし、もっと良くしたい。ためには、もっとみんなの力を活かすために、ここは率直に、あまり良くないって言ったほうが、よい選択だと判断したわけです。

その演出家の振る舞いが、時期や場面が最適であり効果するものだったかどうかは、公演をご覧いただけば分かるかな、と思います。ていうか、それまで分かりません。

正解が分からない選択をするのが、演出家の仕事ですからね。

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