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黒澤世莉です。ぼちぼち高校生と創る「赤鬼」のことをまとめていきましょうかね。おとといの千秋楽から。

バラシの終わりつつあるPLAT主ホール。いい空間でした。ありがとうございました。跡形もなくなっていく劇場にはいつもたまらない気持ちになります。

でも演劇公演の、必ず終りが来るってのは、良さでもある、ていうか、もっぱら良さだと思います。「さみしいわ」て思う座組は幸福ですが「はー終わった清々した」ていう、まこのはなしはやめましょうかね。とにかく期間が決まっているからがんばれることできること、てのはたくさんあるわけです。

千秋楽も9:00に集まって、昨日のことを振り返り、演出や振付の修正改善をし、スタンバイに入りました。13:00も17:00も、満員のお客さまに見ていただけて、とっても良かったです。

終演後のポストトークも、前年の同企画「転校生」の演出をされた広田淳一さん(アマヤドリ主宰)から、こうしたほうがいいですよ、という熱いアドバイスを受けて、気をつけてやってみました。


ここから続く一連の熱いTweetは必読ものなんですが、その中に「演劇で人生が変わるなんてことないように思うけど、必ずそういう観客はいる」という趣意の一節があって、その観客に向けてのトークをしてほしい、てなことでした。さて、そうなったかしらね。

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出演者と一緒に写るとでっかく見える小林真梨恵ムーブメント担当。

なんにせよ、「赤鬼」は全公演つつがなく終了しました。ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。スタッフのみなさま、出演者のみなさま、お疲れ様でした、ありがとうございました。大きな事故もなく終われてまずはほっとしています。

演劇の公演は必ず終わります。ひとつの公演が終われば、関わったひとたちもまた別々の生活をはじめます。何事もなかったかのように。そして、たくさんのことを忘れていきます。

でも、何事もなかったわけではありません。そのひとの生活に必ず公演の跡が残っています。全てを忘れ去ることもできません。普段は忘れているかもしれませんが、ふとした瞬間に思い出すようなこともあります。思い出さなくても、そのひとの身体の経験として、消したくても消せないものとして残り続けます。

そして、次の公演企画が生まれるかもしれませんし、生まれないかもしれないけれど、ひとつの公演の死は、新しい生活の始まりです。これは間違いない。

赤鬼とあの女は死んでしまうけれど、とんびは生きる。ミズカネも生きていれば、いつか魂を取り戻す日が来るかもしれない。生きている限り明日は来るし、明日には何が起こるかわからない。未来のことは何も分かりません。

終わりははじまりです。

演劇を続けろってことじゃなくて、そんなこと思ったことないですし。この経験をどう活かすのか、ってことです。

すべての公演の関係者が、いいスタートを切れますように。

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打ち上げも大いに盛り上がりましたね。みんなに色紙やお花をいただいたりしました。ありがたかったです。こういうの照れくさいけど嬉しいもんですね。

さて、プライチという目標を立てて望んだ「赤鬼」の演劇的成果についてや、高校生と創る演劇に関わって黒澤世莉が得られたもののはなしなど、もうちょっと突っ込んだはなしも書いていこうと思います。

当ブログ読者におかれましては、もうすこしわたしの「赤鬼」は生き延びてしまいますので、成仏させるまでどうぞお付き合いくださいまし。

____________________おしらせ____________________

静謐な演劇空間「toiroan 十色庵」一般貸出スタート
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黒澤世莉 (時間堂・演出家) のプロフィールはこちら:2016年のお仕事募集中
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ワークショップ情報
http://jikando.com/workshop.html
[演技:ベーシッククラス]
11月17日(火) 19:00〜22:00
19日(木) 19:00〜22:00
23日(月・祝) 13:00〜16:00
25日(水) 19:00〜22:00
27日(金) 19:00〜22:00
30日(月) 19:00〜22:00


[演技:アドバンストクラス]
11月28日(土)19:00〜22:00

王子小劇場ディレクターズワークショップ参加者募集
http://en-geki.blogspot.jp/2015/09/4.html



【演出します】時間堂レパートリーシアター・ワークインプログレス

2015年末 at toiroan 十色庵