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写真は北海道文化財団のライブラリー、黒澤世莉です。演劇含めた文化芸術の、名作から最新のものまで揃っていて、だれでもアクセスできるまちなかにある、札幌のひとは恵まれてるなあ、と思ったよ。

福岡ぽんプラザホールのライブラリーも良かったなあ。あれいまどうなっちゃったんだろう。

演劇関連書籍の旧作は、需要が少ないからか絶版になることが多いです。一般市民のための図書館に、ある特定分野のものを充実して揃えるっていうのは、まちぐるみで演劇研究が盛んとか、司書さんの趣味とかで無い限り難しいですし。

東京はいいんですよ。デカイ図書館も売るほどあるし、専門だって早稲田の演博もあれば、新国立劇場のライブラリーもありますから。なんなら洋書だって紀伊國屋書店とかいけば結構な量がある。でも、他の地域では、重要な書物の確保って超重要だと思うんですよねえ。

知性って劣化するんだよなあ、て思ってて、昔の人の常識は今の人の常識ではなかったりする。知的な成長の場合もあるけど、知的な劣化も相当数起こってる気がしてて。たとえば知性ではなくて技術みたいなことでもいいんですけど、使われないものは劣化していくんですよね。これは当たり前で。寺社仏閣がなくなれば宮大工も減るし。そうすると、高度な大工の技術は失われるだろうし。日常生活で困ることはないかもしれないけど、ひとつの文化は滅ぶし、ひとつの文化が滅ぶことで、その国の価値っていうのはしずかに下がっていくんだと思います。

いま、新国立競技場でわいわいいってますけど、ほんとにレガシーになって、観光に役立つ遺産になるなら、金かけていいんじゃないって思いますよ。ギリシャのパルテノン神殿だって、搾取の上になりたってる建物で、かつ現在貴重な外貨をもたらしてるわけで。京都奈良の寺社仏閣が、飢饉でバタバタ死んでいく民衆を尻目にバンバン建てらてて、それがいまの観光業の目玉になってるんだから、そもそも建物をつくるってのはそういうことでしょう。

けどま、ザハさんには申し訳ないけど、ザハ案がそこまでの価値が持てるかどうか、わたしには分かりません。ただ一回コンペで通したんだから、なんらかの落とし前は付けないといけないんじゃないの。あたらしい自民党本部でもつくってもらったらいいんじゃないの、て思います。イラン人女性の建築家を無碍に扱うとか、結構なレベルで許せない感ありますからね。なら最初からコンペと通すなですから。予算の問題で2位の案にするんなら、それ相応の責任をザハプロジェクトに払うべきです。

話がそれたけど、集団の知性は一度落ちたら上げるのがむずかしいと思うの。だから、有効な書物はできるだけ多くの人が触れられるところにあったほうがいいのよ。それでも手に取らない人はもう本質的にその業界向いてないかもしれませんが、いいんです。淘汰されていきますから。なので、いい本いっぱい持ってる人は、うまくシェアできるかたちにできるといいよね。

いま無知なことは恥じゃないけど、無知でいつづけてもいいと思うのは恥だと思います。で、そういうひとたちにはさっさとご退場いただいたほうがいいので、やる気のあるひと、なぞの足の引っ張り合いとか無気力人間に負けないで、あなたのためにがんばってください。

____________________おしらせ____________________

ワークショップ情報
■東京
http://jikando.com/workshop.html
[演技:オープンクラス]
7月 20日(月) 19:00〜22:00
7月 25日(土) 13:00〜16:00
7月 27日(月) 19:00〜22:00

[演技:中級クラス]
7月 31日(金) 19:00〜22:00

黒澤世莉 (時間堂・演出家) のプロフィールはこちら
http://jikando.com/member/seri.html

【演出します】高校生と創る演劇「赤鬼」
2015/11/7~8 at 穂の国とよはし芸術劇場PLAT

時間堂がつくった、演劇をみるつくる体験する場所「toiroan 十色庵」リノベーションの記録。気軽に遊びに来て下さい
https://note.mu/jikando