17黒澤世莉です。ENBUゼミ2012秋夜クラス「花のゆりかご、星の雨」が無事終演して、今週は時間堂ワークショップや6月の時間堂共催「劇作家女子会!」稽古やそれにまつわるいろいろ、時間堂次回公演「森の別の場所(仮)」プレ稽古やそれにまつわるいろいろ、をやってます。もう金曜日、月日が立つのは早いものだ。

最近ブログをサボりがちなので、ていう書き出しでもう何回ブログを書いたんだろう私は、て思っているんですけど、今回はENBUゼミ公演のことを振り返ろうって思って書き始めました。この次はいまさら感満載で、4月に大阪でやった、おやつの時間堂「世界の中心で演劇をつくる」を振り返ろうと思っているんですが、さてはてどうなることやら。

13今回のENBUゼミで、はじめて言葉になったことは、前回ブログに書いた「劇場は祝福される場所である」です。日常生活って、自分のために何かが行われることってそうそうない。だけど、劇場に立つ俳優は、作家と、演出家と、スタッフたちと、彼ら全員の仕事と、集まってきた観客に祝福されている。そう思うと、俳優っていうのはなんて素敵な商売なんだろうと思います。

そんな俳優にとって、舞台の上で楽しむ、っていうのは、権利ではなくてもはや義務だな、と思った次第です。そういうことに気づかせてくれてありがとうございました。

テクニカルなことで言えば、14回2:30の稽古で、教育的にも作品的にもどれだけ伝えられるだろうか、挑戦でした。円演劇研究所と比べたら、人数同じで時間は1/4くらいですかね。マイズナー的な練習を一切行わず、シーンの稽古だけで進めていく、という手法でやりました。多くのことが伝えられたかは、正直わかりません。ただ、一番伝えたかったことが、なんらかのカタチで、たとえ俳優を辞めることになったとしても、種になってくれているといいなあ、と思います。

伝えそびれたことの一つは「演劇作品の到達点は、稽古初日に全て決まる」ていうことです。結局演劇は他者と自分の持ち物の総和だから、個々人がどれだけ持ってきて稽古初日に望めるか、が肝要だと思います。だから、次の公演や撮影もそうですし、これからずっと、稽古初日にどれだけたくさんの物を持っていけるか、を準備してほしいなと思います。

09楽しかったですよ。ああ、演劇をはじめたばかりってこんな感じなんだって、続けていくとさっぱりわからなくなりますし、出来なかったことが出来るようになる瞬間というのは、ワークショップや他の学校でも何度も観て来ていますが、何度観ても飽きないくらい、劇的で豊かです。

ENBUゼミのみなさん、また会いましょう、ワークショップでも、なんでも。願わくば作品作りの現場で。