東京は雨。明日、日付変わって本日3月10日(土)14:30に、KATO企画「あの日、あの雨」江戸川橋 絵空箱にて、公演がはじまります。

雨のお話をするときは、雨も悪くないなと思います。ただ冷たい雨はご遠慮願いたいと本音もちらほら。

「東日本大震災があって、寄付や物資の援助だけでなく、なにか行動できないだろうか」という思いは、多くの人にあると思います。「あの日、あの雨」は、加藤素子さんが主催されてます。加藤さんはリタイアされてからさいたまゴールド・シアターで演劇をはじめられました。何年か前の時間堂のワークショップに来ていただいて出会いまして、今回のお話をいただきました。この公演には加藤さんの「なにかできないか」という思いがぎゅっと結実した作品です。

もちろん演劇公演なんか主催するのは、加藤さんにとって初めての経験です。ご苦労も多いと思います。だいたい60歳すぎて新しい事を始めようなんて、すごい体力、好奇心だなあとあっけに取られます。自分に置き換えて考えると、それなりに社会的な地位や立場もあるなか、まったく素人として子供たちより若い世代の人間と関わる、ことを積極的に出来るか、あやしいもんです。だから、すごいなあと思います。

「あの日、あの雨」はほぼモノローグドラマなのですが、今回の公演は前半は表題作の上演、後半は朗読とライブ、という構成になってます。これも全部加藤さんが考えたことです。相談しながらやりたいことを全部詰め込んだ公演です。後半は、横山大地さんという、ナイスガイなギタリストを迎えます。彼のギターソロと、「つなみ」という冊子の小学生の作文の朗読、「黙礼」という和合亮一さんの詩の朗読、最後は歌で終わります。

「つなみ」は、とにかく読んでほしい文集ですので、ご紹介しておきます。声に出すことで、一層深く潜り込めるところもあるんだな、と思いました。


やりたいことぶっ混みすぎて、休憩込み90分の予定が、100分になってますが、いいと思います。やりたいことやれるのが自分のカンパニーのいいところ、加藤さんのやりたいことはぜんぶやりゃいいです。

出演者の話をしましょう。芝原弘[のブログ]さんと、石井舞[のブログ]さん。お二人は昨年の3月11日のとき、共演者として稽古中だったそうです。それから1年、いまこうして共演しているのも、趣深いものがありますね。

芝原さんは小ネタが面白いです。ネタそのものが爆笑、みたいなことじゃなくって、そのネタにいたる思い切りの良さが気持ちいい。
芝原さんのブログは、ぜひ読んでほしいです。理由は読んでいただけば分かると思います。

舞さんは突発形です。ぐるぐるしてる時間が長いんですが、ある時「ガッ」と掴むと急に光る。
モノローグドラマって一人芝居みたいなもので、俳優の負荷が大きいのですが、楽しそうにやってる二人はほんとに頼もしいし、こっちも見てて楽しいです。
舞さんはピアノも弾きます。役柄もピアニストですから。開演前にミニコンサートもやりますので、時間があったらお早めに起こしくださると、大変お得かと思います。

今日ゲネプロがあったのですが、堀奈津美さんが来てくださいました。とてもありがたいご感想をいただけて、座組一同で胴上げしました。「伝わるんだな」ということと「伝わって良かった」て思いで胴上げしました。胴上げは嘘ですが、感想は本当です。

私はといえば、Amazing GraceをMORNING GLORYと言い間違え続けるなど、健忘症も甚だしいですが、心強い参加者に囲まれて、楽しくやっております。

当日券もあるので、気が向いたらお越しください。たぶん明日も雨ですが、雨の日に見るにはいい演目だと思います。お待ちしております。

追伸
むかいの大衆居酒屋「すみれ」はいい店でした。