「こんなときだから、演劇をがんばろう」

私は演劇業界にいるから、こんな声を良く見聞きする。やる側が言うのも、応援してくれてる人も、こんな時は演劇やめておこう、という人もいる。

でも「こんなとき」なんてないと思う。明日死んでしまうかもしれないし、それは昨日も10年前も同じ。
誰しも明日死んでしまうかもしれない。それを忘れるどころか、意識の片隅にも置かないもんだから、非日常が訪れると浮き足立ってしまう。

応援されても、批判されても、自分の仕事をまっとうしたらいいと思う。それは平時でも、非常時でも変わらないことではないのかしら。
私は演出家なので、演劇をやる。強度のある演劇作品は、強い影響をあたえることができると思いう。作品が、いつ誰と出会ってもいい時間が過ごせるように、強度強度を持たせることが、私の仕事。
恥ずかしい話だけど、私は3月11日以降考えや行動が変わった一人だと思う。だから「こんなとき」って言いたくなる気分は分かるし、言っちゃっていたかもしれない。いつも振れない軸を持つなんて難しい。

どんな一日も、大切な一日。


*「ハレとケ」というのはあるから、メリハリはあるものだし、あっていいのかな。
たしかに、私も昼行灯と呼ばれたいわ、という欲求があるし、またそういう人がいてもいいかも。
という反証がいま自分の中ではじまっているんだけど、またこれは別のお話。