振り返れ2010、ということで私黒澤世莉の2010年を演劇で振り返ってみたいと思います。

●演出
3月:時間堂「月並みなはなし」
4月:スカラベ「わたしのこの目で」
5月:Mrs.Fictions「15 minutes made vol.8」
6月:キコ「カナリアの心臓」
7月:シアターKASSAI「ON THE WAY HOME」
8月:スミカ+時間堂「のるもの案内」
12月:北京蝶々「あなたの部品 リライト」
計7本

●俳優指導
10月:円演劇研究所試演会「月並みなはなし」
他、俳優指導者アソシエーションやら時間堂やら俳優のためのレッスンスタジオやらでいろいろ講師やりましたね。

●ざっくり
演出7本は短編とか共同演出も含まれてるけど、俳優指導で試演会一本やってるので、実質8本ですかね。3月から8月までの毎月公演ラッシュはなかなか味わい深かったですが、今となってはいい思い出です。教訓としては、演出の仕事を引き受けすぎると劇団の仕事が止まる、ということでしょうか。いや私が怠惰なだけですねごめんなさい。教訓を活かして、2011年は3月12月ともう決まってますし、2012年の計画も着々と進んでおりますので、

指導はいろいろやらせていただきました。2011年はぜひ地方でワークショップをやりたいです。ご依頼お待ちしております、スケジュールがあえば飛んでいきますので。

●3月:時間堂「月並みなはなし」
勝負の公演。長い時間を書けてスクラップアンドビルドしたのはほんとうに楽しかった。後日キコ「カナリアの心臓」のあと徳永京子さんに「かけた時間は舞台の上での豊かさにつながっているから」と言われ、ほんとうに嬉しかった。ここから時間堂のスタート。

●4月:スカラベ「わたしのこの目で」
演出家降板につき急遽うけたお仕事。初めてのミュージカル。スタッフワークの重要性に気付かされる引き金が多かった。松本大介さんと仕事できたのも良かった。アナリゼと戯曲読解の共通性とか、面白かったな。5人の歌を聞いている時間が本当に幸せだったし、いまでも聞きたくなる。こういうのはストレートプレーでは味わえない。

●5月:Mrs.Fictions「15 minutes made vol.8」参加「池袋から日暮里まで」
そういえば短編書き下ろしたんだった。この本15分ものとしてはよく書けてるなあと思う、作家としてお気に入り。全団体見せ稽古の時に台本だけ出来ていて、あと何にもなかったのも今では良い思い出です。フィクションズの皆様にはご心配おかけしました。お祭りみたいで楽しかったなあ。

●6月:キコ「カナリアの心臓」
小栗剛と邂逅、サキヒナタとひさびさに。楽しかったね。打ち上げでワールドカップ日本初戦を観て、しかも勝ったという、いやー2010年で一番おめでたい日だった。

●7月:シアターKASSAI「ON THE WAY HOME」
時間がない、切迫がこのあたりから影を落としてくるんだった。オノマリコの力にいろいろ助けられた2010だったけど、特にこの改稿作業はマジ天使のエンジェルだった、みたいなイミフなことを書いてしまうくらい助かった。シアターKASSAIのこけら落としシリーズを、いい形で始められたと思います。

●8月:スミカ+時間堂「のるもの案内」
これも楽しかったなあ。原田優理子を焚きつけて演出やらせた責任とか、まあそんなことおいておいて楽しい公演だったなあ。なにしろ「自分が楽しむ」という目標でやりました。他は全部お客さまのためにやりました。いやこれだって結局お客さまのためにやってるんだけど。

●俳優指導10月:円演劇研究所試演会「月並みなはなし」
いちおうこれも2ヶ月付き合って公演の形にしたので。いろいろ意義深い気づきを与えてくれた公演。ちょうど9月から転機が訪れていて、それは極めて個人的なことだったのだけど、それを試されるような公演であり、俳優指導だった。彼等円の研究生の成長を第一の目的に据えて取り組み、結局は「真摯に作品に貢献すること」を延々考え続けたんだと思う。礒貝保徳と仕事できたのは楽しかったな。

●12月:北京蝶々「あなたの部品 リライト」
これも楽しかったなあ。大塩哲史が精算会で「犯された」とか言ってて面白かった。ちょっと演出でしゃばりすぎてる気もしたけど、それがベストだと判断したら自分の好みは切って捨てようと思ったよ。台詞のないシーンをもっと煮詰めたかったなあ。

●つれづれ
北澤ふまこ制作の現場が月並み、スカラベ、キコと続いたのが面白かった。どんだけ一緒にいるんだと。

文章の長短は、その公演の思い入れとはあんまり関係ないんだな。どれもこれも大事な我が子ですよ。

いちばん辛かったのはダントツで時間堂「月並みなはなし」主宰としても、演出家としても、正念場だった。いままでより一歩先へ、一歩先へともがいていた。だから、結果が一番良く分からないものでもあるし、不完全燃焼も正直これが一番。それは、もっとやれたことがあるとかではなく、理想の演劇にどれだけ近づけたのか、観ても分からなかったから。もっともっと欲しかった、もっともっと先へ行きたかった。

どの現場も、与えられた環境でのベストを尽くしている。単純にその方が楽しいしね。でも、どこか冷静な目が持てている。この環境ならここまで、お客さまの前に出すにはこうしよう、とかね。時間堂の公演だと、冷静な目が持てないのかもしれない。それは愛かもしれないし、執着かもしれない。良いのか悪いのかはよく分からないけど、きっとどちらもあるのだろうな。

9月あたりから、友人からの忠告や、身辺の変化などあって、他者と対等である、誇りを持つ、愛されていることを自覚する、あたりを明確に意識するようになった。また、自分がどうなりたいのか、明確に意識するようになった。

自分には、まだまだ成長の余地がある。至らなさを受け入れるのは恥ずかしいことだけど、そこは頑張って耐えないといけないな、と思う。

今年は「対等」という主題で生きてみる。いままで目標とか主題とか抱負とかは、自分の内面のことばかりだった。生まれて初めて、他者との関わりに焦点を当ててみようと思う。

あと、具体的な目標は、以下の4つ。
●本多劇場か新国立劇場で演出の仕事を受ける
●単価***万円の仕事を受ける
●地域にワークショップの講師として呼ばれる
●時間堂のスタジオを持つ


最後に、演劇が出来ているのは、観に来てくださるみなさまのおかげです。観客のみなさまが、演劇を完成させる最後のピースです。本当に、ご来場ありがとうございました。

みなさま、2011年もどうぞよろしくおねがいいたします。
さ、まずは3月の時間堂だ。わーい楽しい演劇の時間だー。