もうちょっとかるくかくつもりがけっこう難しくなっちゃったな。
みんなはぜんぜんかるくてもいいとおもう。送った方が良いと思う。だって国家が演劇イラネっつってんだから、結果はどうあれ「いやいやいるっしょ」って言わんと。

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大臣官房会計課 担当者様

東京都在住の演出家、黒澤世莉と申します。
行政刷新会議の「事業仕分け」について、ご意見したくメールいたします。

まず、開かれた場での予算編成は非常に良いことだと歓迎しております。また、税金の無駄遣いを無くそうという考えにも大賛成です。大きな困難が待ちかまえていると察しますが、ぜひ担当のみなさまにはがんばっていただきたいと応援しております。

その上で、文化、芸術、教育に関する予算を大幅に削減するという現在の方針に、反対いたします。
もちろん、多額の人件費の割に働きの少ない、団体のトップに位置するひとびとに関しては、予算を大幅に削減、あるいはポストを無くすことに大賛成です。しかし、現場の優秀な人材が活動する、豊かな創造の場を軽視することはたいへん悲しく、また残念に思っております。

日本という国家は、国土が小さく、自然資源も乏しい。経済成長も緩やかになった今、将来にわたって豊かな社会を持続するためには、人材の育成、人的資源の活用こそ重要だと考えます。技術と文化は表裏です。先進技術を持っている国家、米国や英国、ドイツやフランス、イタリアなど、みな文化的にもたいへんな業績を、昔も今も残していますし、またそのための文化、芸術、教育に関わる予算もきちんとつかっています。文化が育たない国で、大変な技術のみを有している国家というものがあるのでしょうか。私は寡聞にして知りません。

いま目の前に飢えたひと、家のないひとがいるなら、そのひとたちを救うべきでしょう。しかし、そのために、明日の社会を豊かにする人材育成をやめてしまっては、その先に待っているのはより経済的にも技術的にも、もちろん文化的にも貧しいひとびとがあふれる社会ではないでしょうか。

文化庁予算はイージス艦一隻より安いのです。文化庁予算平成21年1020億円、イージス艦1席1223億円。情報ソースは http://bit.ly/2SAr0jhttp://bit.ly/dz4Cs です。はたしてイージス艦一隻分の価値もないのでしょうか。

大変難しいを舵取りを迫られているみなさまも、苦渋の選択をされていることと思います。しかし、ほんとうにこの日本国にとって必要なものはなにか、将来も日本を支える人材を育成するためにはどのような予算をとらなければいけないのか。無駄は徹底的に省いていただいて結構です。その上で、必要な部分への投資を大胆に行ってください。

どうかご賢察のほどを、よろしくおねがいいたします。

2009年11月17日
黒澤世莉