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黒澤世莉です。
おかげさまでroom42「朗読劇」(というタイトルの演劇)無事に千秋楽を終えることができました。ご来場のみなさま、窮屈な中にお運びいただき、ありがとうございました。立ち見になるほどお越しいただけるって、ほんとにうれしいんです。うれしいんですよ。みんな喜んでいました。

さて閉幕したらネタバレしてもいいだろうってんでうらばなしでも書きますかね。ちなみにタイトルは見切り発車なので、書きながら7つ考えます。

その1:おはなしのラスト
「朗読劇」見た目は若者だがアルツハイマーの4人と、それを介護する2人という戯曲でした。
國吉咲貴さんの戯曲は仙台短編戯曲賞の冊子で読めますよ。
https://www.gekito.jp/?pg=1435147714#%E7%AC%AC6%E5%9B%9E

元の本では、主人公の介護職員が「あの」と言ったところで終わります。
思いをぶちまけちゃうことを示唆して終わっています。

今回は、そこにちょっとシーンを足しました。わたしが演出として考えたというより、作家や俳優たちと相談して、方向を定めつつ、話し合いながらつくりあげたものです。
國吉さんの戯曲はドラマだと御本人がおっしゃっていたので、主人公が現状を乗り越える、成長する方向に向かってみました。
ドラマとは超端折って言えば「主人公の変化を描く」ものなので。

あとは、その同僚に「他者の心が読める2301歳の宇宙人」というトリッキーな設定があるので、それを活かして「主人公の葛藤を全部分かった上で、乗り越えようとする彼を優しく応援するハグ」を繰り出して全部回収する流れをつくりました。
結果的には、ハマったんじゃないかなーと思います。

その2:短期決戦
全部で70時間前後の稽古時間で80分の演劇作品をつくるというチャレンジでした。
これがどれくらい大変なのか分かりやすく例えると「若手有望選手が多いJ2チームのシーズン途中で監督交代があって就任し、天皇杯優勝を目指す」みたいな感じ。

2017年に演出したプロデュース公演、コメディの会と日本フィンランド演劇プロジェクトの経験が活きたなーと思います。
それぞれのきっかけになった吉川璃紗さんとユハ・マケラさんに感謝ですね。

具体的に行った取り組みは「ほぼ台本の稽古しかしない」てことです。ふだんの黒澤は演劇作品を豊かにするためにいろいろなエクササイズを取り入れていきます。だけど短期決戦でそれをやるとシーンの稽古が不足するリスクが高まるので、今回は割り切ってみました。

シーンの稽古だけするのって、なんか、物語の可能性を拡げたり俳優の意外な魅力を知るのをいらんてするみたいで、あんまり好きじゃないんですけど、限られた時間で最大効率を得るためには、これで良かったかな、と思います。

せっかく短い時間で効率よくつくった作品なので、今後成熟させるためには再演をやったらいいと思いますね。


7つのって書いたけど眠いのでとりあえず2つね。おやすみなさい。