「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

November 2016

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黒澤世莉です。

十色庵に大量のおやつを置いてintroが札幌に帰ってしまって寂しいけれど、大阪の皆さんは歓迎してあげてください。

intro
http://intro-sapporo.com/live/

というわけで、マイ・スイート・ホーム十色庵で稽古です。

台本の改稿を踏まえて、色々と提案をうけたり共有したりしました。そして、この週は枠組み強化週間となりました。いままでとっちらかってどんビらいた演劇の体裁を整えていきます。そしてスタッフワークを定めていきます。

今回は劇団員のみの公演なので、スタッフワークでも劇団員が活躍しますね。頼りにしています。

さて。そういうわけで、シーンをちゃくちゃくと進めていきました。

宿題では、身近な「死」にまつわる印象に残ったことをモノローグにしました。ひとつひとつ大切に扱って、いい時間になりました。

そのモノローグとあるシーンとをレイヤーさせてみました。私は大変面白いと感じたので、今回の構造にぜひ入れ込んでいこうと思いました。

俳優たちは、ポカーン、というか、ふーん、みたいな感じです。「外の人に観てもらいたいですねえ、そりゃ演出家は自信あるって言うでしょうから」ておっしゃってました。

確かに、外の人に観てもらうことは大事です。

一方で、自分の美学に忠実であることも大事です。

なんで、俳優の言うこともいいよね、て思うし、でも自分が見たいもんつくるもーん、て感じです。

稽古は毎日楽しいよ。




____________________おしらせ____________________

●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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幸せとは、明治神宮前で小田急線直通に乗車すること、黒澤世莉です。

レガシーとイノベーションについての思いつきを書きます。

伝統と革新は、対立概念、っぽい。

けど、それは勘違いで、というか早とちりで、ほんとは伝統って革新的なものだし、革新って伝統から生まれる、もんだと思う。

ていうか、最近の後輩と先輩と、別々に話したことで、思いました。

革新者のために、伝統を伝えてくバトン、みたいな居方をしよっと。

対立させなくていいこと、世の中に一杯あるよね。




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●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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黒澤世莉です。

『ローザ』は2012年に七ヶ所を回る全国ツアーをしました。そこでさんざん台本を叩き上げたので、なんだかもうオッケー、みたいな風には思ってなかったけど、それなりの強度はある台本だと思っています。

とはいえ、ものづくりをしていれば、こだわりポイントは色々出てきます。というか、現場からの声として「もっとこうしたほうが面白くなるよ」ていう声が出てきます。

ここだけの話しですが、「書くの大変だなあ。。。」と思って先延ばし先延ばしにしていました。そんな中「いいかげん書けよ」という無言のプレッシャーを受けて、もうどうにもならんね、というタイミング、まあ言っちゃえば公演の一ヶ月前ですよね、そこで年貢を納め「書きます」宣言をしました。

結論、書き直してよかったんじゃないか、と思います。たぶん、よくなった。こういうのって時間が立たないと冷静に見えないから、確定ではないけど、その場での振り返りが響いてる感じだったので、たぶん、大丈夫。

現場の俳優が知ってることって、いっぱいありますからねえ。

一方で、演出家だけが握っているビジョンもあるからねえ。どっちも大事にしたいよね。

というわけで、午前中の稽古は台本を読んで、その話をしてほぼ終了。

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午後は和室でした。シーンの稽古をちゃくちゃくと進めていきます。

スケジュール的に、基礎稽古に避ける時間がなくなってきちゃいましたね。思ったよりちゃんとシーンの稽古をしないといけなそうです。まあ、ちゃんとシーンの稽古をしないといけない、てのも変な話ですけどね。

演出家としては、いまは、俳優たちに基礎的なディティールにこだわってほしいなって思ってます。作業として面白く遊ぶためにはどうしたらいいんだろ、てよく考えるんですよね。基礎的なディティールは、作業としては基礎練習の繰り返しなんで、そんなに面白みがあるわけじゃないから。

でも、そこきっちり仕上がったほうが、楽しく遊べると思うんだよね。基礎走力がある方が、サッカー楽しいじゃない、みたいな。そんな感じ。

もっともっと、遊びたい。スリリングな遊びがしたい。きっとできるよ。




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●演出作品 Plays
花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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d47食堂に行ってきた黒澤世莉です。美味しかったよ。ちょっとセレブ価格でしたけども。渋谷駅近辺でお食事難民になったらおすすめします。

ディヨンナナショクドウ (d47食堂)
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13140335/

さて。

「毎日遊んで生きる」を座右の銘にして生きている私ですが「嫌なことなんか一個もないぜヒャッハー!」というわけには参りません。

日々思いどおりに行かなくて、ご機嫌斜めになることもあります。怒ったり悲しかったりします。

で、それは受け入れて生きていくもんだと思うんですよね。怒ったり悲しかったりすることは、不幸じゃない。きちんと味わって受け入れていけば、自然と気持ちは変わっていくものです。

怒ったり悲しかったりを、押し殺したり我慢したりすると、これは不幸せなことになっていく、ような気がします。味わう代わりに蓋をしたネガティブな気持ちって、無くなるわけじゃないです。ネガティブな気持ちを溜め込んでいくと、自分自信が本当はなにを感じてるのかとか、何がほしいのかとか、分からなくなっちゃう。

「毎日遊んで生きる」てのは、前向きに楽しく生きていたい目標設定です。たまに怒ったり悲しんだりもするけど、それは生きている限り逃げようのない感情です。殺すのではなく、ちゃんと味わってあげましょう。

凹むときはガッツリ凹んで、泣くときはギャンギャン泣いて、怒るときは迷惑のかからないところで雄叫んでください。

それから、お風呂入ったり美味しいもの食べたり、お気に入りの音楽を聞いたりして、自分に優しくしましょう。そのうち上向きます。

ポジティブでいることにあせらない。ちゃんと怒って泣きましょう。

ではみなさま、来週も良い一週間を。




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花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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稽古場が十色庵の外に出た、時間堂の黒澤世莉です。

十色庵では、intro『ブルーマウンテン号の卵と間違い探し』やってます。終演後のSUN!!ちゃんの作品と合わせて、とても楽しいようなので、ぜひぜひ観てください。11/27日14:00が最終日です。

intro『ブルーマウンテン号の卵と間違い探し』
http://handsomebu.blog.jp/archives/52390869.html

というわけで、ひさびさに稽古場ジプシー時間堂です。

スケジュールの関係で、私が稽古場に入るのがすこし遅くなるときがあります。そういうとき、台詞回しをやっているんですが、なんとなくぼんやりしてるなー、て思ったので、そんな感想を伝えました。

そのとき色々感じたことを伝えあったりして「練習の目的を明確にして始めたらいいのではないか」みたいな落とし所になりました。

ま、それはそれでいいと思います。その後、ぐちゃぐちゃ喋ったけど、結局自分は何が言いたかったんだろうなー、て考えてて、あ、て思いついたことを書きます。ていうか、それがタイトルです。

練習が退屈だったら、楽しくしたらいいじゃない。

練習は「遊び」だと思うんですよね。ていうか、「遊び」だといい練習になる、と思います。「遊び」って、やらされるものじゃないじゃないですか。大人から「遊べ!」て言われて遊ぶ子どもはいないわけで(いるかもしれないけど)。

「遊び」て常に自主的な、主体的なものだと思うんです。いやなら止めるし、つまらなかったら工夫するし。ルールを変えたり作ったりするし。

そういう稽古場が出来たらいいなあ、て思いました。そして、そうしてくために演出家はどう振る舞うといいのか、具体的な行動に落とし込もう、と思いました。

だからまず、退屈そうだなーって思ったら、やめてみりゃいいんですわな。ワシがいるときは。

もう一つの良かったことは、考え込んでいる部分を表に出して、身軽になった出演者がいたことです。

抱えている問題は個人のことであっても、結局チームプレーだから、個人の能力があがんないとチームも成長しない。なんで、基本的に、個人のもやもやでも、見える化して風通し良くしといたほうが、結果チームの能力は上がると思います。

そういうことが出来ない稽古場とか、時間配分とか、スケジュールとか、敬遠しちゃうのねえ。身勝手なのも困るけど、溜め込むよりは見える化しちゃいましょうよ、て場所のが、好き。

稽古は、宿題の「キャラクターの癖」を動きに落とし込んでいきました。そして、台本で課題になっている部分を即興で立ち上げたりしてみました。

あっという間に終わる稽古が多いです。

さて、次が正念場。がんばりますよ、めずらしく。




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花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
時間堂 最終公演 『ローザ』 [12/21~30] at 十色庵 [赤羽]
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54年ぶりに11月の雪だそうですね、東京の黒澤世莉です。さすがに前は生まれてなかった。

さて、日々いろいろなお仕事をいただいていて、ありがたい限りです。

ひとつひとつは楽しいことでも、折り重なってくると「あ、あれ?準備する時間がないぞ」となってしまいます。これは40年生きていても一向に改善されない悪い癖ですねえ。2017年からはもっと落ち着いて取り組むぞ。

でまあ、いまは折り重なってる。

そうなっちゃったときに、どう振る舞ったらいいのか。

心を亡くすことを味わうしかない、というのがいまの結論です。忙しい!て思っちゃうのは仕方がないので、それで準備が足りない、とか、考えが足りない、とか、眠い、とかなっても。

受け入れて、いまいちな状態を味わうしかない。

出来ることしか、出来ませんからねえ。無理にジタバタしても余計にややっこしいことになったり、傷口を広げたりしちゃう。それより、せめて心だけでも落ち着けて、被害を最小限にした方がいい。てことは、心はあるんだな。

心があれば、なんとか楽しいポイントを見つけたり、他人に頼ったり、待ってもらったり、できる。

そう、だからやっぱり、心を亡くしちゃいけないんだな。時間は無くしても、心はある。

あ、スケジュール管理がダメなことは猛省しまーす。

来年から。




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花束で抱きしめるような体験を、あなたのために
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黒澤世莉です。

演劇づくりは、旅に似ているのかもしれないな、と思いました。

一泊二日で観光スポットを一気に巡る旅行も、疲れるけど楽しいと思います。

一方で、わたしは一ヶ月くらいぶらぶらしたいです。観光スポットはほどほどにして、知らない町の路地裏で、美味しい屋台を見つけて食べたりしたい。観光名所でもなんでもないところで、ふと見かけた町の人と目があって、一言二言交わした会話なんかが、ずっとあとに思い出されるような深い印象を残したりする。

稽古もね、似てるんじゃないかな、て思うんです。短い期間でダダダだっとつくっても、勘所さえ押さえれば面白く出来る。一方で、稽古で紆余曲折を経ると、なんでもないシーンのどってことない台詞が、あとあとまで思い出されるような深い印象を残したりする。

時間があったら遠回りをするのは、旅や演劇の醍醐味を味わうことになるよ、てはなし。

閑話休題。

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10年来のフィンランド人演出家、ユハ・マケラさんと、『野うさぎの年』という戯曲を上演するプロジェクトをやっています。

『野うさぎの年』は、もともとフィンランド語で書かれた「Janiksen vuosi」という小説でした。「The Year of the Hare」というタイトルで英訳されてます。


で、ベストセラーになって、映画にもなりました。日本語でも、英語版から翻訳された小説が出版されてます。


で、2005年に演劇化されました。その戯曲をフィンランド語から日本語に翻訳したのが、今回のプロジェクトの台本です。

来年はフィンランド独立100周年。その記念事業のひとつとして上演する予定です。日本で初めて、フィンランドの戯曲が上演される、それもフィンランド語から日本語への翻訳というのは非常にまれなことらしいので、色々楽しそうです。

前置きが長くなりました。というわけで『ローザ』稽古真っ最中だけど、2年前からユハさんとワークショップを重ねてるご縁で、今回時間堂と、木内コギトさん、中谷弥生さん、松本一歩さんにご協力いただいて、台本読みをして、感想を共有しましたよ。

『野うさぎの年』は、人間の再生の物語です。人生に不満ばかり溜まっているさえない中年男ヴァタネンが、車で引いてしまった野うさぎとの出会いを気に、本当の自分を取り戻していく、ていうお話。人生迷子中の私には、ヴァタネンの破れかぶれが、自然や人間との出会いを経て生まれ変わっていくさまが、すごく響くはなしです。

演劇的には、構造が工夫されてるおはなしで、原作のエッセンスは活かしながら、小説とはぜんぜん違う遊びゴコロに溢れた戯曲です。でも軸になるヴァタネンが自分を取り戻す、てことにしっかり見据えられてて、その上で、誰もがヴァタネンでありえるし、またヴァタネンとして生き延びていかねばならないよね、ていうメッセージが響くいい戯曲でした。まあ、下品ですが。

『ローザ』と『野うさぎの年』は、メタ構造を遊び倒そうとしているところが重なって、そういう意味では意外と役に立つ寄り道だったんじゃないかなあ、て思ってます。

面白いプロジェクトになりそうです。ご期待下さい。

で、プロデューサーを募集しているので、興味がある方はご連絡をください。ほんとふんわりでいいので、話だけでも聞いてください。




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陽気な北海道のみなさまwith黒住尚生の写真を撮った、黒澤世莉です。『衝突と分裂、あるいは融合』のときですねえ。

というわけで、歪んだ家族を描かせると面白い、イトウワカナ率いるintroが、明日から東京にやってきます。

観て。

あ、本音が溢れちゃった。

イトウワカナさん(写真真ん中で思いっきり腕伸ばしてる女の人)は、時間堂レパートリー最多上演作『言祝ぎ』の作家です。音楽大好きですけど演劇やってますね。

『言祝ぎ』は、近親相姦やセクシャルマイノリティを描きながら、普遍的な再生の物語を、面白くほがらかに描かれた作品です。今作も家族のお話ということで、ぜんぜん違うんだろうけど、きっと同じように面白いと思うよ。わたしは11/26土19:00トークゲストで出ます。


無事に20人越えました。ありがとうございます。じゃあなんか用意するか。

で、オススメは私がトークやらない日です。SUN!!一人芝居「マジカルシティライツ号の卵と間違い探し」とやらがあるらしいので、わざわざ大阪のSUN!!さんが札幌まで行って作ったようなので、私のトークなんかよりよっぽど観がいがあると思います。

みなさまぜひ、私がいない日に観に行ってください。

「そんなこと言われても、お前がいる日しか行けないよ。SUN!!ちゃん観たかったな。。。」というかた、ぜひぜひ起こしください。その残念さのうめあわせにならないていどかもしれませんが、おめざをご用意してお待ちしております。

intro『ブルーマウンテン号の卵と間違い探し』
flyer_tokyoosaka_omote
http://intro-sapporo.com/
東京公演
11月25日(金) 19:00♡
26日(土) 14:00♡ 19:00☆
27日(日) 14:00♡

♡終演後、SUN!!一人芝居「マジカルシティライツ号の卵と間違い探し」を上演いたします!
詳細は下記をご参照ください。

☆終演後、ゲストをお招きしてのアフタートークがございます!
11月26日(土)19:00 
ゲスト:黒澤世莉さん(時間堂)

会場: 十色庵
東京都北区神谷2-48-16 カミヤホワイトハウス B1

料金:
前売2,500円 当日3,000円
高校生以下無料(要予約、学生証提示必須)

ご予約
カルテットオンライン https://www.quartet-online.net/ticket/bluetokyo
演劇パス http://engeki.jp/pass/events/detail/135

intro×時間堂コラボ企画 秋のイトウワカナ祭り
『ブルーマウンテン号の卵と間違い探し』会場で『ローザ』を予約してプレゼントをもらおう
intro『ブルーマウンテン号の卵と間違い探し』の東京会場では
時間堂最終公演『ローザ』の前売券を特別販売します。
そこでご購入の方には、時間堂オリジナルてぬぐいか『ローザ』台本のどちらかお好きな方をプレゼント。
お渡しは『ローザ』のご来場時です。

時間堂最終公演『ローザ』 最新公演情報はこちら
http://jikando.com/





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黒澤世莉です。今日の地震は東京もけっこう揺れました。津波含めて、それほど被害が大きくならなそうなので、まずは良かったです。

でも、首都圏に大きな地震が来るのは、歴史的にも間違いないだろうから、いまいちど避難場所なsど、確認しておいたほうがよいなー、と思いました。

さて、時間堂『ローザ』11/20にチケット発売しておりまして、おかげさまで売れ行き好調です。とくに初日と千秋楽は売り切れが近いようなので、ご検討されてる方はお早めに。11/30までは早割もあってオトクです。くわしくは公演情報をチェック。

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最終公演 『ローザ』公演情報

11回目の稽古。全部で29回の稽古なので、わたしの中では2回の通し稽古を終えたこの回からが中盤戦です。

なんとなく、作品の形状が見えてきたな、て前回の稽古と、それにまつわるみんなのコメントで思いました。ので、その形状を確定させようかなー、てのを中盤でやります。

形状っていうのは、たとえばスタッフワークであったり、台本の中で固めておかなきゃいかないところだったり。具体的に指定しにくいですが「今回の作品の軸になる部分」

みたいなことです。

前回の稽古の振り返りなんかをやりながら、「思いつきなら、やりたくありません」的なコメントが出てきました。

わたしはしょっちゅう思いつきを実験してしまうので、そういうのやなのかなと思ったら、聞いていくと「思いつきで本番に出るのは嫌」みたいなことでした。稽古場で思いつきを試すのはいい。良かったです。

なんでかというと、稽古場で思いつきを試すのが、私の演出家のわくわくポイントだからです。
わたしは熟慮、沈思黙考の上決断、というタイプではありません。うろうろ動き回って思いつきを試し、トライアンドエラーで良い瞬間を発掘していくタイプです。

思いつきのまま公演になったらそりゃ嫌だろうけど、思いつきで目一杯遊んだほうが、今回の形状は品質が上がるよね、て思います。し、そういう話をしました。

ある劇団員は「いっつも言うことは変わるけど、やることは同じでしょ」て言います。半分はあっているけど、半分は間違ってると思います。

あるべき演劇を作り方をしているときと、よろこびのある演劇の作り方をしているときと。自分の細胞がはっきり違います。

それが、観客にとっての演劇の品質とどう結びついているか、ていうのはまた別の話で。愛情はどちらにもそそいでますし。

ただ、私個人の健康で言えば、よろこびのある演劇をやってるほうがご機嫌ですし健康です。どんな演劇もよろこびの要素はありますが「これぞ演劇だぜ」て思える瞬間がドシドシ出てくる場がいいですね。

で、それって、シーンやってるときじゃなくて、実は振り返りのときに見えてくるもんじゃないかな、て思ってます。

この話は、また次回。

今日は作品の方針の話しをしたあと、出演者の「墓についての思い出」を演劇化していきました。もう何言ってんだか分かんないですよね。時間堂でやってるオープニングアクトやエクササイズを組み合わせてみたりして、『ローザ』のオープニングを構成してみました。

明らかな間違いとか、すげえ爆発する瞬間とがあって、やっぱ思いつきの実験は面白いです。

この日は話の時間がながかったのであんまり進まなかったんだけど、でも、大事なことが話せたので、それはそれでよかったです。

ゆっくり、でも確実に、いままでどおりで、いままで観たこともない時間堂の演劇、に近づいてってますね。過程は満足。

でも今回はやっぱり、ものすごく、いろんな部分が変わっていくだろうな、て確信しました。稽古中もそうだし、初日と楽日もぜんぜん違うだろうなって。それは芝居が成熟するとか、そういうはなしじゃなくて、たぶん、構成や構造が変わっていくと思います。


稽古を見た松本一歩くんの動画日記はこちら。

演劇が出来るのは幸せなことだなあ、て、地震がきたりすると思いますよね。出来る環境がなければ出来ませんからねえ。




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黒澤世莉です。

10回目の稽古。全日程の1/3を消化。週一回は7時間稽古。この日がそれ。
3時間半の稽古で、基礎練とシーンとやるのは、意味はあるけどやっぱり短い。一日あれば、基礎をしっかりやって、先にすすめる。

とはいえ、今回はダブルキャストなので、初の通しで一日に通し二回とかになってんだけどね。

この先も毎週通し稽古になるんですが、このペースで二回通すのかなー、て思うと、俳優って大変だね★、うふふ。

つうわけで、コンタクトインプロと、マイズナーテクニック基礎、リピテション。基本は大事です。基本を大切に演る人ほど、応用も深まる。

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この日は、ソシオの
方と、ここ3回の本公演に出演をしてくださっている中谷弥生さんが遊びに来てくれました。差し入れもありがとうございます。手ぶらでいいからでいいから遊びに来てね。差し入れごちそうさまでした。

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意図的にそうしている部分もあるんですが、意図していないところもてんで成立してなくてびっくりしました。こりゃ参ったなー。あはは。

とかいって、ぜんぜん困ってないんですけどね。紆余曲折は絶対作品の糧になる。人間も演劇も一緒です。効率よく最短距離で作られたものなんて、味気ない気がしませんか? 無駄に思える時間にこそ、豊かさが含まれているんだと思います。

ただの無駄とか、馬鹿騒ぎとか、内輪受けじゃなくてね。外に向かって開かれた、演劇的な遊びのある廻り道。

今回の『ローザ』良い成長の仕方をしていると思います。

前回の『ローザ』も良かったけど、ちょっとお母さん、スパルタにしすぎちゃったかな、て思った。お母さん、良かれと思って厳しくしすぎたかも知んないね、あんたに。

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一方出演者から「やっぱ真面目なとこ真面目に作んないと意味分かんなくない?」て話が出て、みんな「うんうん」てなりました。わたくしも、そうねー、なんて思ったので、つぎのフェーズでは以下の2つをやっていくことになるでしょう。

・物語色の強いシーン、キャラクタライズやシーン理解を通し、物語演劇としての密度を上げる
・スタッフワークを固めて、足場と枠組みを固める


分かりやすく作ろうとは思ってるけど、難しい政治用語とか、説明不足な人間関係はあるんだよねー。そういうの、説明されないと付いてこられない、て方と、説明されるとついてくきをなくす、て方と、どっちも取るにはどうしたらいいんかねー、なんてね。

不条理な構造の演劇を万人に分かりやすく、てのはなかなか無理めな作戦ではあるからなー。結局、私はコレめっちゃ面白いんでてことにこだわってくしかないよね。

分けわかんないけどすげー面白い、ってどうすりゃなっかっかなー。がんばるわ。主に俳優が。




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