ハンサム部ブログ

Director Seri Kuroawa's blog / 演出家 黒澤世莉のブログ

March 2016

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20年選手の黒澤世莉です。

写真は先日の時間堂レパートリーシアターのリハーサル風景です。2月に上演した「人の気も知らなで」を、4月のレパートリーとして上演するためのリハですね。

この日は、セリフや段取りを思い出すようなことをしていました。で、それがすごくよかったんで、そのはなしをします。

「なんで思い出し稽古がいいのよ。むしろ演出いらねーじゃん」

て思う方もいらっしゃると思います。ていうか、私もそう思う節もあります。そういう節も感じつつ、プロンプ入れたり稽古観たりしてました。「じゃ、セリフと段取りだけ意識して、芝居は流してやろっか」なんて言いつつね。

そしたら、とても面白いんですよ。すげえいい。こういう演劇やりたいんだってやつが現前してる。

具体的に言うと「テキストから自由である」「その場に起きたことを行動している」「一つ一つの行動に対比が付いている」みたいなことなんですけど。言葉にすると当たり前ですが、これを高いレベルで過不足無く達成するのは至難の業です。少なくとも、わたしが足を運ぶ演劇ではあんまり観ないです。


で、なんでいいものが観られたかって色々と考えたんですけど。たとえば、稽古だから、とか、観客がいないから、再演だから、とか、そういうことも色々あると思うんですよね。でも、稽古で観客がいない状況で再演でも、こんなモノはあんまり観ない。

というと、やっぱりチームとしてかけた時間が効いている、てことなんだと思います。言語を共有して、実際に訓練して、現場を重ねる。この3つのプロセスを踏めるのは、劇団の特徴だと思います。それが面倒だという人もいるでしょうが。

でね。

話は変わってわたしの値段の話になるんですけど。

3時間のワークショップとか、授業とか、やりますよね。時給換算されるの好きじゃないんですよね。

好きじゃないっていうか、この3時間は、ただの3時間じゃなくて、わたしが演劇やってきた20年間を3時間にぶち込んでるんだってことです。

だから、その授業の3時間で勘定されるのはちょっとなあ。20年分もらわないと割に合わないなって思います。時給だったら、175,200時間分くれるんだったら東京都の最低時給でいいですよ。

まあ、それは無理。分かってる。大人だから。

だから、せめて日給換算でほしいわけですよ。20年分のノウハウをきちんと伝える人間にたいして数万円を支払うことは、教育成果でも作品成果でもいいんですが、費用対効果は高いと思います。いま自分2万円キャンペーンやってますが、これは高くないと自分では思っています。

【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
http://handsomebu.blog.jp/archives/52361098.html

別にお金いっぱいほしいんじゃなくて、生きられる分だけもらえればいいんですよ。それよりも、私の伝える演劇に対して、価値を認めてほしいだけです。

そして、わたしだけがお金もらえればいいんじゃなくて、後輩の演出家たちが買い叩かれるのもすげえイヤです。「あいつ高いから安い若手でいいや」とか、マジでやめてほしい。私じゃなくてもいいから、ちゃんとお金払ってあげてください。とくに儲かってる企業はね。

小劇場の劇団とか、手弁当の個人には、そんなこと思わないし、べつにお金だけで演劇のこと考えてるわけじゃないから、気軽に相談してくださいね。お金だけ考えてたらそもそも演劇なんかやらねえよ。


激しく共感したTweet。

こういうことは大人の業界人が発信しないとねえ、て思うのよ。

____________________おしらせ____________________

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2016年の時間堂は7月の本公演とレパートリーシアターの【12ヶ月連続上演】

【時間堂ソシオ(共同運営者)募集】時間堂主催公演の全演目がご覧いただけます。ともに文化をつくりましょう。
http://handsomebu.blog.jp/archives/52360535.html

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28
嬉しいことがあって踊る阿波屋鮎美と、黒澤世莉です。

「かけた時間は裏切らない」みたいな話がありますが、本当にそうだな、と思った話を書きます。

いくつかの演劇学校で、発表会や公演を受けもちました。

成果が高いのは、稽古時間を長くとった場合です。

「そんなの、当たり前だろう」と思われると思います。でも、十分な時間を取ってくれる場合って、それほど多くありません。学校の授業数の問題もあるし、講師への謝礼のこともあるし、なんでしょう。いろいろな事情があります。

でもねえ、そんな事情はねえ、うっちゃりましょうよ。成果が上がることのほうが大事じゃないですか。

どんだけ時間をかけたって、足りないのが演劇。ましてや演劇教育は、なるたけ時間使ってくださいな。

生徒と演劇の未来の為に。

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3月は満員御礼だった黒澤世莉です。

4月5月も、経験者向け演技クラスを行います。「リラックスして集中する」「シンプルに相手と関わる」部分を掘り下げたい方、メンテナンスしたい方、お待ちしてます。

俳優:演技アドバンストクラス [2016年4月6日(水)19:00/20日(水)19:00]
http://jikando.com/workshop/553-201604ad.html
抜粋情報
●日時 2016年4月
6日(水) 19:00〜22:00
20日(水) 19:00〜22:00

●定員:10名(先着順)

●参加費:2,500円

●講師:黒澤世莉

●対象
・集中クラスにご参加頂いた方
・ベーシッククラス(旧オープン)に5回以上ご参加頂いた方
・黒澤の演出作品に出演した方

● 会場:十色庵
東京都北区神谷2-48-16 カミヤホワイトハウスB1

● 応募方法
以下の内容を明記の上、件名を「アドバンストクラス応募」とし、[E-mail]にてお申し込み下さい。
【1】参加希望日時
【2】お名前(ふりがな)
【3】年齢
【4】性別
【5】電話番号
【6】メールアドレス
【7】住所
【8】備考 *演技経験、健康状態など
*2009年以降に時間堂WSにご参加の方は【1】【2】【8】と変更箇所のみお願いします。

info@jikando.com 03-6454-4308
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54
抜け殻のような黒澤世莉です。写真はイケセイの北海道物産展。新幹線開通おめでとうございます。

横浜まではるばるご来場のみなさま、ありがとうございました。

3月は「ちゃりてぃ庵」「時間堂レパートリーシアター」「近代戯曲研修セミナー」そして「ヒューマンアカデミー横浜校パフォーミングアーツカレッジ進級公演」と、様々な企画がありました。それぞれご来場いただいて、ありがとうございました。

無茶なスケジュールでしたが、どれもやってよかったです。

やってよかったですが、もうこんなスケジュールは組まないぞとも思いましたね。

自分のパフォーマンスが確保できなくなっちゃうからね。

自分のパフォーマンスが確保できなくなっちゃうと、結果が出せなくて、悔いばかりが残るからね。

もうすぐ不惑になります。若いころは「来た仕事ジャンジャン打ちかえすぜ」でした。若いうちはそれでいいと思います。日々が修行だし、何事も経験ですし。

これからは、残りの人生も20年くらいしか残ってないし、きちんと自分の価値を認めてくれる/自分が価値を認められる場所で「ひとつひひとつ納得の行く仕事をする」に変えます。

カラダヤココロが壊れてしまったら、結局損するのは自分だからね。周りにも負担をかけるしね。周りを幸せにするためには、まず自分に余裕が無いとね。


ヒザイミズキはいいこと言わはる。

なんだかんだ言って2016年は「12ヶ月連続公演やるんだし」ってんで、最低でも月一では公演するんですが、正直レパートリーも大変ではあるんですが、これだけであれば全然だいじょうぶです。半月後に4月レパートリーがありますが「わー半月もある、よゆうー」みたいに思ってますからね。狂ってます。まあでも、面白いんで観に来てください。

時間堂レパートリーシアター:4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
http://handsomebu.blog.jp/archives/52365685.html

15日(金)15:00の会は、作家の横山拓也さんも観に来てくださるよ。お楽しみに。

さ、夜は演技:アドバンストクラス。明日はレパートリー稽古。がんばります。

……あれ結局毎日演劇しちゃってる。。。

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昨日のBlogの「STスポット」表記が「STスポッと」になっていたことにいま気づいた黒澤世莉です。ちょっと、誰かおしえてよ。

せっかくなので放置します。

昨日無事に二日目を終えて、本日が千秋楽です。はやいですが、三日間6ステージできることは、足りないといえば足りないし、でも一ステージよりはよっぽどいいなとも思います。

学びのための公演数は、ある程度ステージ数を確保してほしいものです、どの学校も。

なぜかといえば、観客が演劇をつくり、俳優を育てるからです。

生身の俳優として、生の観客と出会う、というのは、本当に特異な経験です。学級会でも会議でも結婚パーティーでもいいんですが、人前にたつてのは緊張するし心臓バクバク言うし変な汗かくし、疲れませんか。俳優なんてやったこともなければ、やりたいとも思わない、世の中の殆どの方が共感してくださるかと思います。

特別な行為なんですよ、演劇の上演って。稽古場でやったことを、ただそのまま物理的に劇場に持っていけば出来る、ってものじゃない。稽古場で俳優たちが行うことは「稽古」であって「上演」ではない。

観客が入って、はじめて「稽古」したものが「上演」になるんです。作った料理が、人様の口に入ってはじめて「味」になるのと一緒だと思います。

「上演」について。まず、最初のステージは、いままで稽古でやってきたことがが出来たり、それ以上に上手くいったりします。もちろん失敗もあります。当たり前です、はじめての本番で、なにもかもがうまくいくわけ無い。むしろ失敗から学ぶわけです。

二度目のステージでは、観客が見ている状態というものより積極的に味わっていきます。その怖さがわかってくるのも二度目からです。一度目は無我夢中だったりもしますから。その中で、前回うまく行かなかったことを修正できるか、チャレンジしていきます。

やがて「俳優」にとって、「観客」とともに時間を過ごす「上演」というものが、どういうものなのか、おぼろげに掴めてきます。これを三度、四度と繰り返したあとのことです。

しっかりその営みの意味が分かるとか、それこそ何年も何十年もたたないと無理です。すくなくとも、私も未だに分からないことだらけです。分からないことが分かるための二〇年弱だったんでしょうね。

一度目より二度目のほうが、驚くほど伸びるんです。未熟であるということは、伸び代が大きいということです。上演の回数が多ければ多いほど、成長曲線は早く、高くなっていくでしょう。

ぜひ、演劇学校の関係者のみなさまは、予算や人材や予定など様々な予定を万事お繰り合わせの上、学生たちに数多く、観客と触れる機会をつくっていただきたいと思います。

この文章で、俳優や声優の発表公演が「一回上演したらいいだろう」というものでないことが、ご理解いただけたらうれしいです。

本当に、観客が演劇をつくるんです。本当に、本当に。

いつも足をお運びくださる観客の皆様、ありがとうございます。

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リノリウムばりの床面を、諸事情ではがしたりしましたよ。バミリをするとか、張り替えるとか、そういうことも学びですねえ。

というわけで千秋楽なんですが、ご興味あったらお越しくださいよ。おかげさまで完売御礼みたいですが、ま、演劇ってもんは来りゃなんとかなる場合が多いじゃないですか。こういうとこ私ほんとに無責任ですねー。あはは。

授業してます:ヒューマンアカデミー横浜校パフォーミングアーツカレッジ進級公演「花のゆりかご、星の雨」3月26日(土)〜28日(月)at STスポット
http://handsomebu.blog.jp/archives/52366389.html

悔し涙は成長の糧です。そこからがスタート。応援してます。

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【キャンペーン】黒澤世莉を2万円で売ります【先着5名様】
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2016年の時間堂は7月の本公演とレパートリーシアターの【12ヶ月連続上演】
4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
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初日を終えた黒澤世莉です。

ヒューマンアカデミー横浜校パフォーミングアーツカレッジ進級公演「花のゆりかご、星の雨」ご来場ありがとうございました。あと2日、3/28(月)まで、様々な名作が生まれたSTスポットでやってます。公演情報はこちら

授業してます:ヒューマンアカデミー横浜校パフォーミングアーツカレッジ進級公演「花のゆりかご、星の雨」3月26日(土)〜28日(月)at STスポッと
http://handsomebu.blog.jp/archives/52366389.html

小屋付きに範宙遊泳の田中美希恵さんがいてびっくりした。田中さん好きなんだよね、面白い。Tweetも面白いので観てね。

田中美希恵
https://twitter.com/chamgmu

無事に初日の幕が下りて、本当によかったです。

大げさですかね。大掛かりな仕掛けモノもないんだから怪我なんかしないですかね。大げさじゃないと思います。初舞台のひとがほとんどなわけです。暗転中に何が起こるか分かりません。

演劇をやり慣れると、暗転中に動くこととか、客席の間近で何かをすることって、当たり前になっちゃいますよね。でも、生身の人間が目の前30センチのところで何かしているんですよ。何が起こったって変じゃないわけです。

生身の人間が密集してるところだから、悪意があれば、それこそなんでもできる。残念だけど、古くから劇場での暗殺なんかもおこってますよね。リンカーンとか。フランスのテロだってそうです。もちろん悪意があるひとなんてめったにいないけど、悪意がない状態だって事故は起こります。

人が集まるってだけでリスクなんですよね。

だから、無事に終わって本当に良かったです。俳優業を勉強しているみなさんには、劇場という場所で安全にものごとを運営するために、どれだけ多くの方が心を砕いているのか、知っていただければなと思います。てか、知らなきゃダメです。

……ま、そういうこと全然考えてない運営もいるけど。

ま、そういうわけで、安全に幕が上がって降りたことが、まずなにより良かったです。

作品は、がんばってましたね。これから学校を出るまであと一年ありますが、学校でぶっちぎりの一番を取るくらいの勢いでないと、学校出た後の業界でなんかしら成し遂げるってのは無理だと思います。から、そういう意気込みでやってほしいです。そういう意気込みに全員がなれば、作品としてもっと全然、お客さまの心に届くものになるんじゃないかな。

演劇ってチームプレーですけど、強いチームは強い個の集合です。まず個が自立して成長すること。それ以外にチームプレーの質を上げる方法はありません。というわけで、あと4ステージがんばってください。

たまに、とても良い瞬間はあるので、それが持続するといいですねえ。

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冷蔵庫専用シュークリーム。差し入れいっぱいもらえてよかったねえ、みんな。

もうすぐ4月か、はええな。お花見に行ったら大変なことになった、ていうお話を上演しますので、季節もちょうどいいし観に来てね。

時間堂レパートリーシアター:4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
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黒澤世莉です。王子駅から石神井川沿いの桜もほころびはじめました。

最近、そういえば自分が「なぜなぜ子ども」だったなあ、てことを思い出しました。モノでも考え方でも、いちいち「なぜこうなの?」て聞いてました。いまだに「なぜ?」ってなることが多くて、普通は、とか、みんなは、ていう発想に馴染めません。

ていうことにつづいて、思い出したことがありました。そういえば、子どもの頃から「AだしBだ」という考え方をしてたなあ、って。モノゴトはなにごとにもいい面とわるい面がある、みたいなことですね。

どういうことかっていうと、ひとつの事実について、断定的なものの見方が出来なかったんですよね。

たとえば、親に怒られてるとき、反抗できれば楽なんですけど「ムカつくけど一理ある」と思っちゃう。

たとえば、同級生が学校の先生の悪口を言ってるとき「それはお前のワガママで、別におかしな事言ってないじゃん」て思ったり。

「何かに対して確固たる意見を持ったほうがいい」て言われたことがあって、いちじきそういうもんかと思って、確固たる意見を持とうとしたんですけど、よくよく考えりゃ、子どもの頃からずっと「断定的なものの見方が嫌い」だったんだなあ、て、思い出しました。

モノゴトは球形なんです、かならず。それ、わたしにとってはとても大事なことです。

そういうこと、思い出させてくれる、最近の新しい環境は、とてもいいな、て思ってます。

春だし、あたらしい環境に飛び込むみなさん。しんどいこともあるだろうけど、素敵なこともいっぱいあるよ。

というわけで、春らしいお話を4月に上演しますので、観に来てね。面白いよ。

時間堂レパートリーシアター:4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
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お花見も企画しようかなあ。来週末だよなあ。いま公演中であんま考えられん。だれか企画してください。

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2016年の時間堂は7月の本公演とレパートリーシアターの【12ヶ月連続上演】

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越寛生という演劇人がいます。まだ20代中盤の、作家・演出家・俳優です。彼の作品をいつも公演を楽しみにしている黒澤世莉です。

(劇)ヤリナゲ『緑茶すずしい太郎の冒険』を拝見しました。今回も満足だったので紹介します。くわしい公演情報は最後の方に。その先にネタバレを書くよ。

まず笑えていいですよね。どうでもいいところから、黒い笑いまで、笑いを取り揃えている。見やすい。

越さんはトリッキーな筆をてきとうに遊んでいる「風」で書いたほうがいいんだろうな、て今作を観て思いました。最近は引き算に振りすぎてたけど、今回くらいのポップさというか、雑然とした構成のほうが生きる気がします。

それもミニマリズムに振った後だからこそ、演技演出やシーン自体の力強さが増したってことは有るんだと思います。ごまかしが減ったというか。だから挑戦は無駄じゃなかったんでしょうね。

雑然と乱暴に配置されたモチーフが、見事な円環構造で落ちる気持ちよさがありますね。前に不満だった、一つ一つのシーンの密度の薄さは、今回は全然なかったです。全シーン楽しめる。

ただ、一部冗長だな、って思うところはあります。涼しい太郎が対話するところは、ああいう個性の人物だとしても、もう少しタイトにしたほうが、全体のドライブ感が増していいと思います。

あーでもねー、そういうテクニカルは実はどうでもいい。いちばんの痺れるポイントは「他人の痛みには鈍感なのに自分の痛みにはすげー敏感なひとたち」を見事に活写してるし、それぞれの人物に愛があるのがいいなって思います。

人間は愚かだけど愛おしいよねえ、ていう、そういう根っこの部分がとても愛せる。

俳優もみんないいし、てことは演出がいいと思うんですけど、花子の三澤さきさん、お顔が面白くてよかったです。日本のラジオでもよかったので、いい俳優さんなんでしょう。

いい演劇だと思います。オススメ。

そういえば、最近テクニック的には全然違うけど、観劇後感が似てるいい作品があったなって思ったんですけど、弦巻楽団「サウンズオブサイレンシーズ」でした。札幌公演4月13~18シアターZOOですんで、みんな札幌観光のついでに行ったらいいよ。定山渓温泉とか豊平峡とかオススメだよ。

弦巻楽団「サウンズ・オブ・サイレンシーズ」
http://tsurumaki-gakudan.com/?p=2144

ヤリナゲのはなしが弦巻楽団の話になってしまい最後は温泉になってしまった。
ヤリナゲ、あとはネタバレ。


越くんが北運動公園のアスレチックで楽しむ様子です。公演とは一切関係ありません。


明日から横浜STスポットでヒューマンアカデミー横浜校の進級公演ですが、再来週にはレパートリーの公演なんだよね。

時間堂レパートリーシアター:4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
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あっというまに7月の「ゾーヤ・ペーリツのアパート」の公演を迎えて、2016年も終わるんだろうな。あっというまに死ぬんだろうな。

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(劇)ヤリナゲ『緑茶すずしい太郎の冒険』
http://yarinage.wix.com/home
佐藤佐吉ユース演劇祭参加作品

「産むべきか産まざるべきか、それが問題だ/か?」
2014年3月荻窪小劇場にて初演され、賛否両論を呼んだ問題作を、「母と子」にクローズアップして改定!「出生前診断と中絶」に後ろめたさとナンセンスをまぶした、「ボーイ・ミーツ・マザー」な物語。

2016年3月24日(木)-28日(月)
王子小劇場
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30
黒澤世莉です。

ヒューマンアカデミー横浜のことを書こうか、フラット化にこだわる自分の思考のパターンについて書こうか悩みつつ書き始めました。

俳優指導の現場で若い方々に接していると、色々な学びがあります。社交辞令じゃなくてほんとにね。いまは「俳優として舞台に立つとき、最低限持っていなければいけないものは何か」ということを考える機会をもらっています。

俳優なり声優なりを学び始めた初年度に上手になるわけはないです。

そもそも演技において「上手い下手」というのは、実は私にはよく分かりません。「魅力的か否か」とか「説得力があるかないか」なら分かりますが、上手下手に関してはやればやるほど分からなくなります。だから「○○は演技が上手い」みたいな言説に接すると、とても居心地が悪いです。「上手い」と称されているひとが「セリフをそれっぽく言うことに長けている」だけで、ちっとも魅力的でないこともザラにありますし。閑話休題。

学生たちはみんな下手なんですよ、基本的に。技術も経験もないから。それがプロフェッショナルの俳優と同じように出来るわけがない。でも、そのまま舞台も何も経験しなかったら下手なまんまだから、進級公演とか卒業公演とか、そういうものがあるわけです。

じゃあ、そういう「経験が浅くて出来ることが少ないひとたち」を舞台に上げるとき、最低限持たせてあげないといけないものって何なのか。これは難しい問いかけです。なぜなら、与えられた環境によっても変わってきますからね。

理想を言えば、3~4年間かけて一人で一クラスを受け持って、予算もスペースも指導者も潤沢で、みっちり基礎をやりこんで土台を作り、いろいろな実験を経て応用力を付け、ギリシャ悲劇からシェイクスピア、平田オリザや岡田利規までやって、チェーホフやアーサー・ミラーに行く、みたいなことができりゃ、そりゃあんま考えなくてもいいですが、この国にはそんな桃源郷的演劇学校はございません。わたしは不勉強で知らないだけかもしれないので、ご存知だったら教えてください。

新国の研修所でも、円の研究所でも、ENBUゼミでも、ヒューマンアカデミー横浜でも、限られた時間と資源の中で、最大の成果を求められるわけです。

気分は「大戦末期に学徒出陣を見送る教官」みたいな場合もあります。大丈夫って顔しながら、内心は準備不足に臍を噛んでいる。みたいな。

たとえどんな状況であっても、現実に目の前にいる学生や、その公演を観に来る方々のために、出来る限りの成果を出したいと思います。

そこで「最低限持たせてあげないといけないものって、なんだろうな」て思考にいくんです。その環境によって、最低限の線引が変わってくるんですよね。だって、時間や対象によって、スタート地点も、出来ることも、違ってきますからね。

「人前で演じる」てことは、特別な行為です。そして「上演芸術」には様々な種類があります。その全てに対応するのが「俳優」です。私の基本はマイズナー・テクニックですから、関係性の演劇を通じて基礎を伝えるわけです。いつもそこから出発してました。

そしていまは、それ以前に「人前に立つ」という部分で、乗り越えなければならないものがあるんじゃないかな、それをしっかり伝えて、出来るように、というか、在れるようにしておかないといけないんじゃないかな。と考えています。

「人前に立つ」ために最低限必要なこと。いまわたしが演劇について考えていることです。もし、その答えを知っていたら教えてください。

とはいえ。

ヒューマンアカデミー横浜のみんなも、ここ何日かの稽古でぐんぐん伸びてます。楽しんでくれるといいな、と思います。舞台の上で作品をつくるって、とっても素敵で、何より楽しい遊びだから。しかつめらしくしてたって、面白くないじゃない。本人も、見ている人もね。ふざけるんじゃなくて、満喫してほしいな、て思います。

明日はSTスポットに小屋入りです。数々の伝説的な作品が生まれ、現役で活躍するアーティストを多数生み出してきた場所です。敬意を持って、その場の力を取り込んで、楽しんでもらいたい。

授業してます:ヒューマンアカデミー横浜校パフォーミングアーツカレッジ進級公演「花のゆりかご、星の雨」3月26日(土)〜28日(月)at STスポット
http://handsomebu.blog.jp/archives/52366389.html

再来週はもうレパートリーの公演らしい。2月に横浜でやっての再登場だからパワーアップすると思うよ。
時間堂レパートリーシアター:4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
http://handsomebu.blog.jp/archives/52365685.html

ところで。

最近ヒザイミズキが、時間堂ブログでわたしについて書いてくれたので、紹介します。
黒澤世莉という人。:時間堂blog
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/2010202.html

ありがたいことです。

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モーニング大好き黒澤世莉です。

「知らない町のモーニング体験」が趣味ですが、知ってる街でも行きますよ。楽しいよね、モーニング、朝は捗るしね。

デニーズが235円税込、つまりおかわりコーヒーを頼むと、ハーフトーストとゆでたまごをつけてくれるという真似をしでかしました。

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これが235円ですよ。いいよね。

ジョナサンのドリンクバーが430円する時代です。ロイヤルホスト>デニーズ>ジョナサンの序列なのに、デニーズのほうが安いんです。オレ調べ。まあ、普通のモーニングはやっぱり600円以上するのですが、いやしかし、思い切りましたなあ。

デニーズはセブンイレブンWi-Fiが飛んでいるのもポイント高いよね。朝活もはかどります。108円でスープやサラダもつくよ。オススメ。

参考記事
たった235円でコーヒーにゆで卵&トースト付きな上、コーヒーおかわり自由とコスパ極限レベルのデニーズ新モーニングセット:GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20160318-dennys-morning/

【20160326更新】
雑司が谷ご近所デニーズ、池袋明治通り店、池袋東口店、北池袋店のうち、駅から最も近い池袋明治通り店と池袋東口店はこのサービスやってません。話を聞くと、この二店舗だけやってないみたいです。北池袋店はやってました。実際行ってみないとわかんないもんですねえ。

来月のレパートリーシアターも、ご予約受付中ですよ。女三人、軽妙にして奥深いエンタメ対話劇です。面白いよ。

時間堂レパートリーシアター:4月15日(金)16日(土)『人の気も知らないで』『ロミオ中止』at 十色庵
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