「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

January 2013

時間堂「テヘランでロリータを読む」東京公演無事に終演いたしました。ありがとうございました。13公演あっという間でしたね。毎日楽しく新しい作品の日々でした。

仙台公演に向けて準備の日々ですが、ひとまず感謝の気持ちを込めまして、蔵出し写真をおおくりします。無作為に並んでいるのでテキトーに好きなとこから眺めてください。

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集合写真、つじこ抜き
お仕事の都合で参加できなかった辻村優子さん以外のメンバー。

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辻村優子とケーキ
お誕生日サプライズの直後ですね。なんだか可愛く写っています。オノマリコさんに呼ばれて演出した「解体されゆくアントニン・レーモンド建築旧体育館の話」でもご一緒しましたね。そもそもの出会いは某研修所でしたね。ナスリーンという困ったちゃんをエネルギーいっぱいにやってくださってます。

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長瀬みなみ
おやすみモードですね。関東大会出ちゃうスポーツ女子で、元気生命体みたいにしてますがそれだけじゃないんですよ。時間堂はバルサを目指しているのに、菅野貴夫にイングランドバリのキックアンドラッシュだねと言われてそれならジェラードになりたいというくらいにはサッカー好きですが、もうこの下りが興味のない人には呪文ですよね。

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菊池佳南と、まいまいこと石井舞
時間堂には味方という制度があって、まあつまりお手伝いさんなんですけど、そんな佳南さんと、味方ではないですが、超手伝ってくれたまいまい。ふたりとも俳優で参加して欲しいなー。佳南はまだ原西さんが仙台にいて稽古に合流する前に、仙台で全部の女子の代役をやってくれました。まだ本役が誰も絡んでないのに。いやあの時は助かったです。

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猿田モンキーと木内コギト
時間堂3回目コンビですが、ふたりとも出演作かぶってないので初共演です。モンキーさんは舞台の上では素敵なのに飲み会では最低ですね。コギトさんはシャドーという相性で親しまれていました。シャドー演出家って意味ですね。時間堂ではみんなで意見を出しあって作品作るんですが、そのとき演出目線の鋭い意見が多いのでシャドー演出家と呼ばれ、いつしか演出家が消えシャドーだけが残りました。見た目と悪っぽさのギャップがいいんでしょうね。

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平佐喜子と阿波屋鮎美
おねむなおふたり。二人の共通点は何よりビールを愛しているところです。平さんとはあまり会話をしたことがないのでどんな人だかわかりませんが、綺麗ですよねというと体を震わせて「このひとはどんな悪い企みを持ってこんなお世辞を言うんだろう」という反応をします。あと男前な声が出ます。阿波屋さんはなまるところが素晴らしいですね、動画日記でも見られるので見てください。ずっとなまっていて欲しいです。寝相が男前です。

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井坂俊と菅野貴夫
井坂さんがあきらかに嫌がっているのが手に取るように分かっていい写真ですね。体は大きく気は小さい料理上手という、漫画に出てくる典型的な男がリアルに存在するものなんですね。舞台上ではあんなに怖いのに。貴夫は言わずと知れた時間堂の排水口です。今回の座組ではみなみがいちばんのお気に入りなようですが、本人の名誉のためにオフレコにしてあげてください。

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打ち上げ半ばでおもむろに歯を磨き出す 原西忠佑
仙台から東京にお呼びしてほんとに良かったですね。ド変態野郎をやってもらいましたがご本人もエロい人でした。まあ別に舞台上でド変態ならプライベートはエロくなくても良かったんですけど。熱い男です。

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渡邊亮、手創り市を徘徊する
打ち上げで撮らなかったので昔の写真でお茶を濁すシリーズです。王子とのあだ名が付いていて確かに男前だなーと思って見てましたが、いじめるとリスみたいになるのが可愛いです。いつも遠くから石を投げてくるような感じなので、無理やりインファイトさせてみたいですね。何の話か自分でもわかりません。

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とあるシーンの稽古中のヒザイミズキ
お茶を濁すシリーズです。公演中でも使っているシーンですが、どこだかわかるでしょうか。分かったらすげえ記憶力ですね。あと角度にもよりますね、どの席に座っているかで全然見えなかったりしますから。テーマは風を感じながら、だったかな。風を感じているようです。

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顔ケーキ直後の樹香
お茶を濁します。なかなか顔ケーキをする機会はないと思うんですが、日暮里のイラン料理屋さんで顔ケーキされるという珍しい経験をしましたね。そんな目に遭いながらこんだけ嬉しそうに出来るのは樹香の人徳だと思います。いいやつです。あとは言われたとおりに動けるようになるだけだね。

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鈴木浩司と直江里美
お茶を濁しますね。劇団員コンビです。直江はめずらしくものを食べていない写真があったのでこれにしました。浩司は何をしているんでしょうか、携帯を観ているのでしょうか。私はなぜこんな写真をとったのでしょうか。窪田優卒業式の時の一枚だと思われます。

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大森晴香と森忠治
プロデューサーズですね。仙台のオシャレカフェで打ち合わせしているところを激写しました。おしゃれカフェ多いんですよねー仙台。仙台公演もよろしくおねがいします。

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オノマリコと黒澤世莉
最後は、よーく見ると写っている、本公演の劇作家オノマリコと、わたくし黒澤世莉の誰かが書いた似顔絵です。彼女が書かなきゃこの公演はありませんでした。ありがとうございました。岸田とるんですかね。早く取ればいいです。オノマリコと長瀬みなみは、顔の下半分がとても似ていると思います。

以上、ゆかいな仲間たちです。仙台公演もよろしくね。

時間堂「テヘランでロリータを読む」仙台は2月6日(水)19:15、7日(木)14:00/19:15 。絶賛ご予約受付中。
3,000円で足元ひっくり返す演劇体験を。【ペア割】【学割】【リピ割】【時間割】あります。

公演情報/ご予約はこちらから
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

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辻村優子お誕生日おめでとう

原作ものを演劇にしてるんですけど、文学ものを演劇にしてるんですけど、原作も取り上げられてる文学も、いっっっっっっさい読んでないで楽しめるなんて、大前提で作ってます。

良くわかる紙とか、関係図とか、いれてますけどね、そういうのはあくまで観劇前後のお楽しみであって、本編はやっぱなんも無くても楽しめないといかんと思うわけよ。

つまんなかったと言われるのは、ま、納得するんだけど、分からなかったというのはよく分からん気持ちになります。分かりたいんですか、みたいな。分かるものの演劇観たいんですか、みたいな。

ごはんを食べるときに理解するなんてこと考えないじゃないですか。美味しいか不味いかだけでさ。演劇だって美味しいか不味いかだけで、理解とかまったく必要ないと思う。理解したいことは止めないけど、感覚を鈍らせて味が分からなくなるような演劇の観方は、もったいないと思う。

なんだか分からないけど美味しい、みたいなことをやりたい。
もっと言えば、なんだか分かったつもりでいたけど、ぜんぜん思ってたより美味しかったし、そもそも味の系統が違ってた、てかそもそも分かってなかった、みたいな体験をさせたいし、したい。

敷居をできるだけ低くしたいんだけどなー、なんか敷居高く見えるんだけどなー。エンタメ指向じゃないっていうのは、難解って意味じゃないんだぜ。

てか私にとっては、イリュージョンとかドルビーサラウンドとかプロジェクション・マッピングやらムービングライトやら、笑えるギャグやら5オクターブの歌声やらより、シンプルで熱量高い人間模様のほうがよっぽどエンタメです。

そんな気持ちで作品作ってますよ。しつこいけど、男女7人青春群像劇です。イランとかテヘランとか関係ねーよ、人間のはなしだ。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/28(月)16:30 東京千秋楽。会社午後休とって来て良かったと言わせるよ。3,000円で足元ひっくり返す演劇体験を。【ペア割】【学割】【リピ割】あります。
仙台は2月6日(水)19:15、7日(木)14:00/19:15 。待っててね。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

おまけ
オフィシャルでは使えない樹香の非道写真。本体は美女なのに
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猿田モンキーと原西忠佑、オフィシャルで使えなさそうな写真

男女7人青春群像劇をやってます。
オノマリコさんの台本の特徴は、観に来たお客さまが「これは自分のことだ」と思う率の高さだと思います。あんまり他の作家の作品をやって「自分のことだ」って思われること少ない気がします。

彼女の本のどんな特徴が、見た人をして「我がこと」と捉えてしまうのか、その秘密はいまだにわかりません。私は自分で読んだり見たりしても、そういう風に感じないです。でも、そう感じる人が多いということは事実です。

前回一緒にやったときは、女子大の体育館が壊される、というはなしで、大学時代の思い出と接続したみたいです。今回は1995年のイランです。イランにいたひとなんてめったに来ていないと思うのですが、やっぱり「自分のこと」に繋がるみたいです。

なかなか、そういう作家は少ないと思うので、すごいなと思います。

あとは、もっと遊び倒したいなと思います。
子どもは「楽しもう」遊ぼうと思って遊ばないでしょう。鬼ごっこでもファミコンでも、やりたい勝ちたいが、かってに楽しむモードに接続しているだけで。
明日もそんな舞台にします。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/27(土)13:00 / 18:00 1/28(月)16:30 東京ラスト3公演。
27 13:00は市原幹也さん、18:00は原西忠佑さんをお迎えして、北九州と仙台のいまを語ってもらいつつ、作品についてお話します。
3,000円で足元ひっくり返す演劇体験を。【ペア割】【学割】【リピ割】あります。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

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劇団員のこどもと辻村優子

残すところあと5公演。いままでもあっという間だったけど、なおさらあっという間に終わってしまうのだろうね。

嬉しい感想も、率直なご意見も、どちらもありがたいです。もぐもぐして明日に生かします。

今年の抱負は「隣人愛」なんだけど。
もっと愛したらいいんだなーと思った。
愛って多分、自分に向かないもんね。

というわけで、もっともっと「好き」じゃなくて「愛する」でいきます。
愛があれば死守できるし、愛があれば手放せる。
台本を、14人の出演者を、作品を、もっと、愛するよ。
男女7人の青春群像劇、毎日生まれ変わってます。明日も生まれ変わるでしょう。やがて活動が止むその時まで、歩き続けるぜ。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/26(土)13:00 / 18:00 公演。
3,000円で足元ひっくり返す演劇体験を。【ペア割】【学割】【リピ割】あります。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

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青森名物大王当てと阿波屋鮎美

ペダルを踏むのは身体にも心にもいいものです。お天気もいいし、北千住まで自転車で動くと、電車の時より風通しのいい身体になります。

北千住の美味しいところを発掘しようと思っていたのですが、なんだかんだであと金土日月の4日間になってしまいました。足立区生まれだけどおとなになってから住んでたこと無いから、分からないんですよね。

作品はどうかっていうと、いいんじゃないでしょうか。
よく分からない感じになってきました。
それ、いいのか、って思うかもしれませんが、いいんです。
自分で理解しきれるものなんて、自分の範囲のものでしかないんだから。

手を離れて、不安定なところに身をおいて、初めて浮かぶ瀬もある。それは俳優も演出家もおんなじことです。あ、評判がいいので、それには大分助けられてます。ありがとうございます。

Togetterでいただいた感想をまとめております。良かったら読んでね。
http://togetter.com/li/441581

でもね。
評判よりも自分の美味しい美味しいを貪欲に追求します。もっともっと美味しくなる。筋道は分からないけど、知らない道は知らないのだから、勇気を持って進めばいい。その進むことを楽しめれば、どこにたどり着いても、結果オーライだよ。過程を楽しむ、てのは演劇の本質だ。楽しんでるやつは無敵だ。だから私達は無敵だ。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/25(金)19:15公演。
3,000円で足元ひっくり返す演劇体験を。【ペア割】【学割】【リピ割】あります。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

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1010前で出会った原西忠佑を激写

6ステージ目も無事終了しました。
たくさんのお運び、本当にありがとうございます。

お客さまのため、ってなんだろう、と考える。
今日は開演に遅れていらっしゃるお客さまが、普段よりたくさんいらっしゃった。
開演前に来てくださっているお客さまと、遅れていらっしゃる客さまと、どういう塩梅でご負担いただければいいんだろう。遅れていらっしゃる方にも事情はあるでしょうし、かといって先にご覧頂いているお客さまの鑑賞はできるだけ邪魔したくはないし。かといって開演10分遅れてもご覧頂きたいですし。
お客さまみなさんが開演前に揃ってくだされば、一番ありがたいんだけど。

なんてことを考える日でした。

劇作家のオノマリコさんにもお越しいただいて、ポストパフォーマンストークもして、中日打ち上げもいたしました。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/24(木)19:15公演。
3,000円で足元ひっくり返す演劇体験を。【ペア割】【学割】【リピ割】あります。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

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スクープ、木内コギト劇場でぐっすり

5ステ目も無事終演しました、みなさまありがとうございますっ。
ミニシアター1010は、ガラス張りのエレベーターがあって、天気のいい日には富士山が見える。今日は雨上がりで、いまいち見えなかったです。

余裕って大切。
気合が入っている時ほど、力を抜いてリラックス。リラックスしてるほうが集中する。
時間がなくても、1分でいいから、呼吸に集中すること。落ち着くと能力が上がるのは、不思議なことではなくて自然の理だ。

呼吸を深く、視界を広く、他人を手を繋ぐ。
そうすれば、もっと美しい景色にたどり着く。
早く行きたい時ほど、余裕を持ちましょう。そのほうが、早い。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/23(水)14:00公演。
【劇割】演劇関係者であれば、メカでも宇宙人でも2,500円です。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

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時間堂「テヘランでロリータを読む」4ステージが終了。今日もたくさんのご来場、ありがとうございます。来週の月曜日1月28日(月)16:00千秋楽まで、あと9ステージ。

小屋入りするとあっという間に時間が経ってしまう。きっと千秋楽までもあっという間なんだろう。今回は仙台公演があるので、ちょっと余計に楽しめる。そう、稽古から公演中も、私は楽しいのだ。この楽しい時間が少しでも長く続くといい。

私が楽しむためには、来てくれたお客さまに楽しんでいただく必要がある。足を運んだ人たちが不服そうにしていて楽しいわけ無い。自分の歓びのためにも、みなさまに喜んでいただくためにがんばる。

「テヘランでロリータを読む」は、もっともっと観ていたいなあ、と思う。あと東京仙台で、リハーサル入れても12ステージしか見られないと思うと残念だわ。

どんな演劇作品でもそうだけど、毎日成長する。初日は初日で自信を持って公演しているし、楽日は楽日で同じくやる。「テヘランでロリータを読む」は、成長っていうか、脱皮してる。今日第3段階くらいになって、どこまで脱皮できるのかしら。

天井が未だ見えてこない。もっともっと遠いところまで、もっともっと深いところまで、もっともっとひっくり返るような、作品になる。

お楽しみに。誰より私が楽しみ。
ようやっと小屋入りが遅くなったからと洗濯したのに、雨に降られてしまったけれど、気分よく帰ろう。

明日もがんばりまーす。

時間堂「テヘランでロリータを読む」1/21(火)19:15公演。
【紳士割】男性ならワイルドでもフェミでも2500円です。

公演情報はこちら
http://blog.livedoor.jp/handsomebu/archives/52153007.html

1月4日金曜日、イランを発つ日。
昨夜相談して、ムサビが「チェックアウトは14時だけど、何時でもいいよ」と言ってくれたので、お言葉に甘えて宮殿を目指す。その前に郵便局に行こうと思ったら、金曜日はお休み。困った、絵葉書が出せない、これは由々しき事態である。絵葉書が送れないことにはイランに行った意味が無いくらいに感じる。むむむ。

タジリシュまで行って、サーダーバード宮殿を見ようと思う。宮殿より庭園に興味があってね、ペルシャの庭園はキレイだからね。タジリシュはムハマドもお勧めしてくれてた街だから、ひとつ行ってみようじゃないかと、イマームホメイニー空港からLINE1に乗る。イマームホメイニ広場も心なしか人が少ないのは、金曜日の祝日だからかしら。

ながなが揺られてタジリシュ到着。山の手って感じ。テヘランの北側がアルボルズ山脈よりで標高が高く、南側が低いんだけど、そのまま所得の高低差と繋がってる。東京の山の手と下町みたいで興味深いね。タジリシュは山の手の臭がする、成城学園的な。

人気のあるスープ屋さんがあって、そこでスープを食べる。そしてサーダーバード宮殿行きのバスを探すが、タクシーに乗れとすげない返事。バスで行く事に執着していたのでがんばるが、無理。結局タクシーで行くが、タクシーの中で他のお客さんがすげえ剣幕で怒り始めて、居心地の悪さを楽しむ。そのお客が降りたあと運転者がペルシャ語で「あいつ頭おかしよ」みたいなこと言ってたのが面白かった。

で、タクシーを降りたら、そこは岩山だった。宮殿とか庭園て雰囲気じゃないよ。ここ、どこ。
よく分からないけど、せっかく来たんだし、登ってみよう。

周りのひとは登山フル装備のひともいれば、おしゃれカフェにお茶飲みに行くような女子もいれば、コンビニ行くような格好のひともいれば、いやコンビニないけどテヘラン、みんな楽しそう。岩山の参道が猛烈に商店街化してて、商店街っていうか喫茶店街っていうか、すげえ細い登山道に無理やり店を作ったようなところが何件も何件も軒を連ねてる。

昨日のラヴィザーンが物足りないとか思ったからか、たっぷりに時間登ってもまだ登頂できない。自分がどこにいるのかさえ分からずにずんずん登って、ペルシャ語のサインは何一つ分からず、ただ数字だけが標高2100メートルを超えていると知らせてくれている。そんなところで出会ったのがホマさん。

ホマさんたちは女子大生で、テヘランの大学で勉強しているそうだ。たまたま英語で話しかけてきてくれた。イラン人の女性と関わる機会がなかなかないなーと思っていたら、願ってもない機会到来。そのまましばらく登って、登頂まではあと2時間と言われてそれは帰りの飛行機に間に合わないかがするので、一緒に帰ることにした。宮殿に行かなくて本当に良かったよ。タクシーの運転手さんありがとう。

どうやら私がいた場所は、ダルバンド山のシーパラというところ、らしい。結局良くはわからない。テヘラン人は週末、家族や友達とここに来て楽しむそうだ。高尾山的なやつの、もっと週末といえばあそこだよね化したところか。低いところは普段着で、てか女子はみんなブーツとかで登ってた。登山用じゃなくて、黒のロングブーツとか。泥だらけにしてたよ。たしかに、ペルシャ絨毯とか、シシャとか、キャバーブとか、ポットとチャイとか、持ち込んで思い思いに楽しんでたわ。てか、かなり寒いよ、ここ。みんな寒いの平気なの、て思ったよ。

英語が喋られるのはもっぱらホマさんだけなので、会話はホマさんとしてた。ホマさんは私より歳上な感じで、あとの二人は若者で、なんだか音楽がなると踊りだすような人だった。

ファヒーメさんはペルシャンダンスとアラビアンダンスをやってるらしく、頼んでないのに勝手に踊ってた。個人的に、女子大生がペルシャンダンスを踊るさまはぜひ観たかったので、とてもありがたい経験となった。お上手だったなー。

イラン人は、わりと知らない人とよく話す。もてなし好きなんだろうな。ファヒーメさんも、休憩中に果物向いたりしたとき、見知らぬ通りがかりの人に「一個どう?」みたいに話しかけてた。誤解を恐れずに言えば、すげえいい意味で昭和っぽいな、テヘランは、てよく思った。そんな昭和はないんだけど、三丁目の夕日にしか。

下山してファヒーメの車でタジリシュ駅まで送ってもらって、ホマさんが送ってくれるというので、色々話しながら帰る。イラン人じゃないと行かないようなお店で買い物させてもらって、良かった。

ホテルに帰ってシャワーを浴びてパッキング。スカスカがパンパンになる。もうダメかと思ってたけど、入りきって良かった。チェックアウトして、ムサビにポストカードを託す。
彼のアドバイスに従い、安いルートで空港へ向かう。メフラーバードからバスに乗るより安いっていう、本とかね。再び地下鉄LINE1でシャヘド駅まで行って、そこで空港行きの乗合タクシーを捕まえればいいよって言ってた。そのとおりにしたら、50万リアルとふっかけられたので、ほかの運転手に話して12万になった。基本的にテヘランのタクシーは乗合で、チャーターすると高くなるから、12万はまあ妥当かなって感じ。

イラン人は働きながらめしを食う。てか、座る。遊ぶ。例えばレストランに行ったとき、仕事があればそれをやる。仕事がなければ遊んでる。で、お客さまがまた来たら働く。
あと日本であまりみない光景としては、まちなかをパンを持って歩いている。食パンくわえてかどで激突、みたいなシチュエーションじゃなくて、ナンを何枚も重ね持って歩いている。なぜかは知らない。

1月3日木曜日、旅の4日目。やっと調子が出てきた気がする。今日はアルバイーンという祝日なので、博物館は軒並み休み、らしい。ムサビが言ってた。なので、お休みでも問題無さそうな公園に行く事にした。
いつもはイマームホメイニー広場の方から行くんだけど、気分を変えてバハーレスタンの駅の方から行く。こっちは魚屋街があって、それが終わると国会があるという、築地即国会議事堂的な風景になっている。

その目抜き通りを、文字通り人並みで動けないくらいの量の人間たちが更新してきた。街宣車みたいな車が、おそらくありがたいアルバイーンにまつわる法話をしているのだろう、その周りを100メートルはくだらない距離で囲んで、私が進みたい方向とは逆方向に流れている。鶴ヶ岡八幡宮の初詣以来の、人に囲まれて動けない経験をした。人々は、あるものは泣き、あるものは頭や胸を叩き、あるものは携帯で写メっている。あ、写メっていいならとろっと、遠慮してたんだよね神聖な感じだったから。イスラム教はこういうところ、なんていうか、アバウトっていうか自由だなって思う。絶対のこと以外はおおらかなんだな。

目的地はラヴィザーン公園。ろくすっぽ調べもせず、とりあえず近くの駅まで行ったらバスでもあるだろう、とたかをくくる。で、行ってみたら、バス無いんでやんの。タクシー捕まえようとしたら、おじさんが乗ってけというので、白タクかなと思って乗せてもらう。お金払おうとしたらいいよいいよって言って、いやたぶん言ったんだよペルシャ語わかんないけど、で無事到着。

新宿御苑的イメージで行ったラヴィザーン公園は舗装路が通ってる山みたいなところだった。テヘランより標高が高いぶん寒いし、空気も綺麗。テヘラニアンが遊びに来てるのを尻目に歩く。水も買ってきてないことを悔やんだら、売店とかトイレは完備、レストランもある。と、そんなに歩かないうちに登り切って、下りになってしまった。結構広いけど、本気で歩くと物足りないくらい。こんな事思ってたからのそしっぺ返しが次の日に来るんだが、そんなこと知る由もない。

レストランでお昼を食べたら、日の丸の旗を持ってきてくれた。イラン人は基本的に日本人好きね。あと、よく中国人かって聞かれることが多くて、10年前に海外に行ったときはそんなこと言われなかったから、経済力ってこういうところに出るんだなあとか思った。あ、ここにも英語のメニューはありません。てかラヴィザーン公園自体、英語の何かは道路標識以外皆無。

で、そんな山なんで、どうやって帰ろうか逡巡してたんだけど、また親切なイランのおじさんが乗ってくって言ってくれて、乗ってくって乗った。中国人かって聞かれて日本人だよと答えると「マジで、オレ日本に10年住んでたんだよ、10年前。足利市に住んでた。いまそこのホテルのオーナーなんだ」とか日本語で喋り出した。足利市での人探しを頼まれて、袖すり合うも他生の縁といいますし、お引き受けしました。メトロの駅まで送ってもらう。また来たらホテルに停めてねと言ってバイバイ。

なんだかんだいい時間なので、いい店探しにカリムカーン通りからヴァリーイェアスル通りを目指す。と、あっというまにカフェやらチャイハネが固まっているところを発見。チャイハネ、いい感じそうだけど、やたら敷居が高そうだけど、なんていうか、「これがイランの男の世界だ」みたいなにおいがプンプンしてたので、おずおず入ると、素気無く門前払いに会う。「水タバコ吸わないなら帰れ」みたいな。なので水タバコをお願いする。ここでも親切なお兄さんに英語通訳してもらって、なんとかかんとかなった感じ。地元の人用のチャイハネは、外国人が物見遊山で入るには敷居の高い世界でした。

そのまま隣のコーヒーショップにはしご。ここはヴィエナカフェといって、ちゃんとスイスなカフェな感じだった。スイス行ったこと無いから想像だけど。私の席の後ろの親子が、ずっと英語で会話してて、可愛かった。

なんだかんだしてたらホテル22時。ムサビと明日の話を色々する。ほんとにいい人よこのひと。
いろいろやって、おやすみなさい。明日はテヘランを立つ日。

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