「ハンサム部」こと旅する演出家:黒澤世莉blog

Director Seri Kuroawa's blog / 旅する演出家 黒澤世莉のblog

October 2011

某日

キコ「Live forever」稽古。
昨日の通し稽古を振り返って、みんなで対話する。
みんなで作品について対話をするということは、とても重要。
話しの中身もそうだけど、そういうことよりも、声が聞きたいのかもしれない、私は。
俳優が演じる、スタッフさんが操作する、それを合わせる、そういう時間と同じくらい大切。バランスとってどっちもやる。

通し稽古。
日々すくすくと成長中。

率直に言って困難な作品です。
小栗剛の台本は一筋縄にはいかない。
いや、今まで一筋縄でいった公演なんてない。
ていうか、一筋縄てどんな縄なの。

俳優とスタッフさんの力を借りて、一マイルずつ進んでいくしかないのよね。
演出家は船長さんかもしれないが、船長さんはまとめて決めるのがお仕事で、船を進めるのは航海士やコックさんや大工さんがいないと無理。
乗組員全員に頼って、そして自分の仕事をして、極楽に行ってきます。

みんながこの作品をいい作品にする目的を共有して、一所懸命やっている。
その表現の仕方が十人十色なことも面白い。
関係者全員に愛されて「Live forever」幸せな子やね。キコ小栗剛、幸せな男やね。

日々、小栗剛という人間の器の大きさには、うらやましいを通り越してあっけにとられるよ。こんないい人間世界にいていいのかしら。

どんな演出家でも、この台本は、この俳優は、自分が一番うまく生かせるんだっ、て思ってる。この作品はオレが一番うまく演出できるので、お家でビタミンCとって暖かいお布団にくるまれながらクリスマスイブばりのワクワク感で待ってろよお前ら。

といったところで、キコ稽古終わって、明日はお休み。
時間堂「星の結び目」プレ稽古とワークショップだぜ。吉田小夏のっ、玉稿をっ、宇宙ではじめて手にするのはオレだっ。
演劇のつけもの、黒澤世莉です。

うちの劇団員大好き。

脈絡がなさすぎてTwitterみたいになっちまったな。そういう日もある。

今の悩みは、もろもろの印刷が500枚だと思い込んでたら2,000枚越えてるってことです。完全に計算違いですありがとうございます。どうやって運びませう。

ぜんぜん違う世界で生きてきたひとびとは、ぜんぜん違う考え方をするわけです。
私は足立区出身で、育ったのは品川区大田区あたりなのですが、足立区と品川区じゃひとも街もぜんぜん違うわけです。東京出身ですから東北や関西とは違うし、日本出身ですからオーストラリアやスロバキアとはぜんぜん違うわけです。

当たり前のこと書いてますね。当たり前のこと書きます。

異文化人と会ったら、そこで考え方の違いがあったら、私は私の味方なので、私が正しいと思ってしまう。
でも同じ事を相手も思うわけです。
第三者から見れば、どっちもどっちだったり、どっちだっていいわけです、だいたい。どっちかに肩入れすることもあるでしょうけど。

で、お互い主張するのは疲れるし面倒くさいわけですよ。

で、その疲れることとか面倒くさいことを、やってった方が、結局得をするわけですよ。たぶん。

自分の範囲なんてたかが知れてる、ってことは頭では分かっても身体ではなかなか分からないっていうか、わかっちゃいるけどめんどくせーです。面倒なことはやらないでしょ、嫌だもの。

成長したいとか綺麗事じゃなくて、欲得ずくです。疲れる方へ、ってか、異文化交流したほうが俺得。

んー、なんかネガティブな感じしますかね。いいよねって話です。

最近、文化違うわー考え方違うわーと思うことがいくつかあって、昔の自分よりは、なんて言ったらいいのか、頭で相手の立場をわかるとか、面倒くさくてやり過ごすとか、気を使って愛想笑いするとか、そういうのじゃないやり方っていうか態度がとれてるというか。「この人は自分と違うんだ」ということを、疲れるながら前向きに消化できるようになってきたと言うか、それが疲れるながら楽しくなってきたと言うか。相手の世界を取り込む利を身体でわかってくる時も出てきたと言うか。伝わりますかね。

そう、食事に例えたらいいのかしら。和食大好き、洋食とかインドとか死ねっていうところから、まあインドもいいよね、みたいな。いんど作れないけど、インドもいいよねみたいな話。前は好きじゃない料理をイヤイヤなのに美味しそうなフリしてたのを、いまは怪訝そうにしながら、あ、意外といけるじゃん、みたくなったよっていう。違うかなあ。そんな感じ。

戦争とかパレスチナとかチベットみたいな大きな話じゃないですよ。広げればそうなるけど、いま焦点を絞ってるのはもっと個人的なこと。

自分一人でうなってても(いやそういう時間も必要だけどもさ)、自分の世界なんか広がらんわけです。ああ、ガードが下がったってことかもしれないです。自分を守るガードが下がった。自分に自信がついたというと大げさですが、人間の根っこが多少ははれてきたのかもしれないです。自分の場合は、考え方違うひとを攻撃しちゃう場合とか、あいつは違うぜオレが正しいのだぜって思考停止しちゃう時は、自分のやってることや考えに自信が持てないからってことが多い気がします。

で、ここで書いてる内容自体が、きっとひとによっては拒否反応を示すようなことです。それが文化の違い、考え方の違いなのね。

逆説ですけど、拒否っちゃうのは疲れてる場合もあるので、まあ結局、元気に日々を過ごすのがいいよね、みたいなつまらないオチになっちゃうのか、この記事は。元気→考え方違うとき、自分とは違っても、より良い方や第三案を選べられる→得する。風桶みたいな。うーん。

あ、単純に、違うひとを「うらやましい」が屈折して嫉妬っぽくなってたのを「うらやましい」って思えるようになったのかもね。もう分かんない、何が言いたいのわたし。


全然関係ないけど、「体力は世界を救う」という詩森ろばさんのブログが面白かったと言うか、ほんと体力だよな大事なのはと思ったのでそのエントリにリンク貼っときます。
http://ameblo.jp/shimorix/entry-11052378343.html

というのをプレビューしようとしたら投稿してしまった。公開しちゃったからもう公開するです。

某日
朝から意外とがんばれた。毎日これくらいがんばれ自分と言いたい。

キコ稽古。
後半をぐわっと作り変える。負荷をかけて申し訳ないが、絶対良くなる。

ヒザイミズキが来たのでカモカフェでカレーを食べる。2日連続カモカフェカレー。私には目標があるのだ。

映像音響照明入りで通し稽古。
俳優が良かった。俳優で引っ張ってた。あたりまえだけど、大事。

あの音は深く身体に刻み込まれている。聞くだけであの時のことを思い出す。あの時はあんな身体で生きていたんだな。忘れてることに驚いた。忘れないと病気になっちゃうんだろう。

とある解決されない問題点を、行動しているけども芳しくないので、もう一歩思い切ったことをしなければ、と今夜も台本とにらめっこですよ。いい本、いい役者、いい俳優たちです。いひひ。楽しいね。

稽古から付き合ってもらうスタッフさん、ほんとに感謝です。
品質で答えます。

某日
いわき総合高校の授業のお手伝いをしに、一路スーパーひたちに乗って福島県いわき市へ。
いわきに行くのは3回目。

上野駅構内の階段登ったほうにecuteなる施設ができており、ここがなかなか楽しい。駅弁よりコストパフォーマンスの良いお弁当も売ってる。駅ナカってここ10年ですごい進化よね。

いわきではKTが電車を乗り過ごすなどやや珍道中ながら、NWさんの指揮のもと、MMさんらと楽しく乗り切りました。
演劇専攻というわけでも選択授業というわけでもなく、全クラスが受けるコミュニケーション研修みたいな授業です。
クラスを見ていて、何気ない瞬間にグッと来て涙が出そうになるも、ここで泣いても意味分からん大人が来ただけで変なので平静を装って乗り切りました。

MI先生を交えて振り返り。前回も今回も、充実した時間。振り返りが充実したかどうかで、その日の内容の善し悪しもわかるものだと思う、演劇って。振り返りはほんとうに重要。そればっかやっていてもダメだけどさ。先生のご好意でいわき駅まで送ってもらい、一緒にアリオスへ。

アリオスのTO支配人と、KT(乗り過ごした)と、パスタを食べる。7月からのお話や、いまのお話、これからのお話など、いろいろ。いい時間でした。

たなりん(乗り過ごした)とグダグダ喋りながら帰る。高校生か俺らは。仕事の話もちょびっとした。

いわき、好き。



一方キコ稽古場では百花亜希の誕生日を祝っていたようです。
http://blog.goo.ne.jp/hawaiian_aki/e/4fa524592155ee87777f4f261a316f19

某日
http://www.ustream.tv/recorded/17954591
キコ「Live forever」ギグルTVで動画配信して頂きました。
ポンちゃんありがとうございました。

シーン7の頭と、三人の生バンド、百花亜希桑島亜希サキヒナタのインタビューなど。手前味噌ですが、いいシーンですぜ。

というわけでにしすがも創造舎に入りました。
音響照明映像舞監、勢ぞろいしてのみっちりした時間。
みんながんばりましたー。
もう一歩間に合えば良かったというか、そこま行けなくてくやしいけど、現実ですからね。

キーボードになって、生ピアノの良さを実感。
うむうむ。やはり良い楽器はいいのだね。

JNとかHFさんとかHKさんとか、いろいろな人に会える、いい場所。
かもカフェでトマトチキンカレーを食べました。

明日はいわきに行くよ。

某日
ひみつ稽古。ひみつに楽しかった。
いろいろな本を平行してやるのは楽しいよ。

某日
自転車を整備すると、すっごく気持ちよく乗れる。なめらかなのねえ。なのにきちんと整備しないのよねえ。分かってるんだけどねえ。なかなかねえ。

事務作業をコツコツやったり。
時間堂「星の結び目」フライヤーができたよ。スーパーカッコイイよ。わーい。

キコ「Live forever」稽古、ジプシー最終日。翌日からスタジオ入り。
通し稽古。実寸がとれてピアノがある部屋でよかった。
YHが見に来てくれて、ありがたかった。ありがとうYH。

終わったあとオノマリコと会議会議。もっと良くなる。
「原田優理子はオレの癒し」と言ったら「優理子さんは私の癒しです」とかぬかしやがる。まったくなんにもわかっちゃいないぜ。
あ、いや、他にも役に立つ話もちょっとしました。

「毎日ブログ書くぞー」と意気込んでがんばっていたけど、昨日ついに途切れてしまった。さて何日で途切れたのかしらと思ったら11~14の4日間だった。たった四日間だった。3月の5日間より短い。がんばったつもりだったのに。

あ、栄光と挫折っていうのはブログが書けなかったってだけです。

時間堂「星の結び目」の出演者、去る10月15日に公表しましたよっ。
http://www.jikando.com/nextstage/150-2011-04-10-08-59-51.html

携帯の人はブログからどうぞ。
http://blog.livedoor.jp/jtc2009/archives/1565051.html

あいかわらず立花和政のフライヤーはスーパークールでありましょう。満足です私。紙質も素晴らしいのでぜひお手にとってご覧ください。スズナリの「風琴工房」と、こまばアゴラ劇場の「マームとジプシー」中日と、王子小劇場の「ナカゴー」から折込まれます。

某日
雨。吉祥寺まで電車でGO。
WiMAXが弱くて困る。がんばれWiMAX。

キコ「Live forever」一日稽古。せまくて困る。がんばれキコーズ。
いい稽古でした。桑島亜希さんのあるシーンの笑顔がえらい魅力的で良かった。あと小栗剛さんが本気でしてきた。いや今までも本気だったんだろうけど役者モードが本気になってきた。

稽古後スタッフ打合せ。ちゃくちゃくと。小屋入りする前に勝負はついてんだよ、てことでスタジオ入りする前の準備で勝てるようにしていく。平野耕太「ドリフターズ」2巻の織田信長の言うとおり、戦争というのは始まる前に何ができているのかが勝負だ。ノブリンいいこと言うな。

リコとカレー食って帰る。楽しい。

某日
9時から時間堂「星の結び目」稽古。自転車の鍵が見つからず、朝からハッスルプレー。
楽しい稽古でした。前半は身体的なこと、後半は吉田小夏さんの作品の位置シーンを抜き出し、4つの男女のペアで。時間が足りずに一巡しか出来なかったけど、やはりいい俳優たちだなあとオレが惚れぼれ。ペアによって起きる関係性が全く違うのが、演劇の楽しさ、戯曲の懐の深さ。一番の収穫は、互いの演劇感の違いをはっきり自覚できたこと。演劇言語のすり合わせに早い段階で手が付けられるのは、とってもいいこと。

何かと楽しい毎日です。演劇も楽しいし、演劇の合間にお喋りしているのも楽しい。でも疲労が蓄積しているのも事実で、うまいこと調整して行かないと、いい仕事できねえな。

某日
SOと和食ランチして、すずめやのどら焼きを食べて、ロケットカフェでお茶を飲むという、のんびり時間。楽しかったです。ありがとうSO。

演技 : オープンクラス10月2回目。ドタキャンなどあり、12人での濃い時間。演劇の稽古って8~12くらいが一番いいと思うのね。出会う機会と内容のバランスの話だけど、3時間12人は非常に良い。後半のダイアローグの時間を重めにとって、ミッチリ目に出来た。
ご参加の皆様、ありがとうございます。

その後、劇団員貴夫とミズキでだらだら喋る。楽しいものでした。ありがとー。

明日15日に、時間堂「星の結び目」出演者全員発表します。アノ人やアノ人が出るよ。うわーい。うわーい。貴夫とミズキとも盛り上がったけど、12月はほんとすっごい公演になるだろうから、楽しみです。期待していいよ、アゴラ劇場の時間堂「星の結び目」まず役者がいい。その上、吉田小夏の本だぜ、つまらないわけがない。いやー、早く稽古したいなあ。

その前にキコ「Live forever」ですね。これも貴夫はじめ、サキも百花もいい仕事しますし、小栗剛の台本も最高にバカでクールでロックンロール。ぶっ飛ぶぜ。

某日
HOと時間堂のプレスリリースの作業を云々。遠隔援助のKSも含めて、頼もしくありがたい。明治堂でランチしたり。

K企画の打合せ。MKとMIと。その後KTと。一緒にお仕事したかった人たちとの機会をいただけて、ありがたい。

キコ稽古。三鷹より近いと助かるし、時間が30分長いと助かる。ピアノのある場所で、音付きの部分を詰められたのが良かった。

その後、下高井戸のカレー屋さんで、大勢とばんごはんを楽しく食べる。そういえば稽古前のたい焼きも美味しかった。

某日
自転車で行きたかったけど、時間が間に合わないので西武新宿線に乗って小平へ。とある中学校で演劇の授業のアシスタント。正確にはコミュニケーション選択授業なのかな。
なんだか心のすこやかな中学3年生たちで、こちらの心が現れました。びっきーと自分たちの中学生時代の暗黒さを思い返して黄昏たりしてた。
リーダーたーにゃのプログラムも効果的だったし、創作とかほんと良かった。いい中学校だな。
関係者の振り返りで、俳優だとうまくいく「拍手回し」とか、盛り上がる「フィードバック」が、うまくいかなかったり、しおしおとした時間になったりした、と言ったら、たーにゃが「まさにそれを経験して欲しかった」とか言ってまんまと掌の上で踊らされた感がありくやしかった。

帰りに西武多摩湖線とやらに初めて乗った。た、た、単線だよ。荒川線でさえ複線なのに。

某日
キコの稽古。
前回の通し稽古の振り返りから。みんないいこと言ってた。
価値観が違うことや、そもそもどういう価値観を持っているかとか、現場でやってりゃ伝わる部分もあるけど、言葉ですり合わせる部分も必要。そういう意味でほんとにいい時間だった。

稽古も順調といえば順調。順調に進んでも作業が多く、時間は少ないので、悔しさは残る。
次の通しまであと稽古1回。

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東北や関西に行った記事も書きたいが、なにしろ帰ってくると業務は滞ってるはメールは山のようだわで、なかなか手がつかぬよ。遠くに行くと心に余裕ができて大変結構なのですが、帰ってきた時の皺寄せも間違いないところですな。

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