ほぼ週刊ハンサム部

Director Seri Kuroawa's blog / 演出家 黒澤世莉のブログ

July 2011



1900年代初頭の、ちょっと不条理やファンタジー風味が入ってる、風刺の効いた大作がたくさん。うーん、面白い作品もあるけど、好みからすると冗長で退屈な部分が多かった。

でも、手元に置いておいてまた読みたい作品群ではある。一読じゃ捉え切れない分量と深みはある。

「マクロプロス事件」が面白かった。

****

カート・ヴォネガット「さよならハッピー・バースディ
」が面白かった。ヴォネガット戯曲書いてたのねえ。

マッチョアメリカン、でもアメリカン人じゃなくてマッチョなら何でもよくて、マッチョでさえなくてよくて。ひとの悲哀というか、大切なものを自分で傷つけてしまう、見えっ張りな愚か者を、あたたかく描いてる。

時代遅れになってしまうって、悲しいけど、誰の身にも起こることよね。

7月15日に宮城で撮ってきた写真たちです。アップしていいものか考えたのですが、写真が語ることもあると思うのでアップすることにしました。

東北道や仙台市内は、地震や津波があったことなんか分からないようにちゃんとしています。仙台市内からしばらく高速道路に乗ると、少しづつ整理されていないガレキが見えてきます。高速道路が津波の被害を食い止めた、という話を実感します。

私たちが行ったのは震災から4ヶ月立っていたので、石巻でも女川でも、道路の真中に車両や船舶がある、というような風景はなく、ずいぶん撤去作業が進んだようでした。それでも、脇に寄せはしたものの片付けきれていないガレキや、満杯になりそうなガレキの集積所など、被害の途方も無い大きさ。4ヶ月という時間は、復興するには短すぎる、生々しさを感じるには長すぎる。

まだまだ、これからです。

【石巻】
IMAG0438


IMAG0439


続きを読む

こなっちゃんこと吉田小夏さんとこにおじゃましてきます。

7月31日(日)18:00~の終演後だよ。会場は傑作量産施設、三鷹の星こと「三鷹市芸術文化センター 星のホール」今回は司会者として、こなっちゃんと出演者のみんなの素敵部分を引き出せればと思います。

なんか聞きたいこととかあったら教えて下さい。すきをみて聞きます。

こなっちゃんこと、「パール食堂のマリア」作・演出で、青☆組主宰の吉田小夏さんは、次回時間堂公演「星の結び目(仮題)」に、新作を書き下ろしてくださいます。また、本出演にされる荒井志郎さん、木下祐子さんの、時間堂出演も決定しております。

以下公演情報転載です。

続きを読む

マーガレット・エドソンの初戯曲ということで、初めてこの作家の作品を読む。



ドラマなんだけど、シーンにレイヤーをかけて重層的、立体的に進んでいく。

あっさりした表現がテンポよく読ませるけど、ときとしてそれが残酷になる。
末期がんを患った中年女教授が主人公だから、医療者のサバサバ感は頼もしくも恐ろしくもなる。

長年研究してきたジョン・ダンの詩を背景に、死への一本道を淡々と歩いて行く主人公なんだけど、
鉄の女と呼ばれて事実たくましい彼女が、見失ったものや気づいたものがいちいち愛おしい。

死から逃れることはできないけれど、死に方は選べる。
おすすめ。

****
あと最近読んだ戯曲、
「ダウト」ジョン・パトリック・シャンリィ


さすがジョン・パトリック・シャンリィ、深いドラマを見やすく書いている。

キリスト教系の学校を舞台に、聖職者の教師3人と保護者1人の計4人が登場。
一人の男子生徒をめぐって、なにが真実か、なにが嘘か、そしてなにが罪なのかを探り合う。
簡単で単純な答えのない問題にするどく斬り込む手際は見事。
それなのにとても読みやすいし、演じるのも(キリスト教や人種問題というというハードルはあれど比較的)入りやすいだろう。

練習戯曲としてもいいと思う。

あと「イギリス一幕劇集」も読んだ。
中身は「顧問弁護士」 「ランチ・アワー」「手荷物をお忘れなく」ジョン・モーティマー「窓」フランク・マーカス「アーニーの超幻覚症状」アラン・エイクボーン「階段の悪党」ジョー・オートン。1950年代から60年代の作品集。
つまらなくはなかったけど、不条理寄りが多くって、あんまり好みにあわんでした。

印象に残っている言葉を並べよう。

ARC>Tの鈴木拓さんと、アリオスの大石時雄さんが、震災後の一番重要なことのひとつは
「ひとと関わること」
だとおっしゃっていた。全然別の場所で、別の日に、同じ意味の発言が出た。

鈴木さんと大石さんは、ラディカルというか、極端というか、こういうひと好き。興味深いお話をたくさんうかがえた。

鈴木さんと、ARC>Tの川村智美さんとお話ししているときのこと。「まず変わらないといけない、そのためにも外の人たちと関わりを深めるべき」という趣旨の鈴木さんと、「まず内側の人たちで力を合わせて落ち着かないといけない、変わるのはそのあと」という川村さんのお話を聞いた。外から来た自分には想像できない、被害の大きい被災地の当事者にしか共有できない底深さがあった。仙台は一見すると活気にあふれていて、震災のことを忘れそうになってしまうけれど、ふとした瞬間にその爪痕が垣間見える。

ARC>Tの千田みかささんから、ワークショップの帰り道に伺ったこと。
「なんとなく、被災地だから落ち込んでなくちゃいけないような雰囲気を感じることがあります。被災地だからっていつも悲しんでるわけじゃないんです。私たち、けっこう笑って生きてますよ」
みかささんは活力に満ちあふれた、楽しいおばちゃん。ワークショップもとっても素敵で、新しい気づきがたくさんあったんですが、それはまた別の機会に。

女川病院の前に七夕飾りがあって、そこの短冊には日本語だけでなく、外国語の願いもたくさん飾られていた。
「にほんが☆ なおりますように☆」
という短冊があった。



導入は読みやすさもあって薄い印象。読み進めるとちょっと腑に落ちてくる面白さ。

甘さ控えめのミルフィーユみたいな小説。失楽園を上品にした感じ、失楽園読んだことないけど。違うか、あれはヤンチャしそこなった中年が今バカをやるはなしで、こっちはヤンチャした中年が今を捉え直すはなし。あ、ぜんぜん違うね。重ねて言うと失楽園読んだことないのでイメージで書いてます。

タイトルが甘ったるすぎるなあ。でもタイトルで読んだのでまあそういう意味では成功かしら。原題の「Motljus」は「逆光」とか「レンズ」とかそんなような意味で、そっちの方が内容を深く捉えてる。まあでも、引きは弱いから、この邦題で良かったのかも。

1970年代のまぶしさは、2000年代にはすっかり失われてしまう。自分が産まれた70年代は、もちろんその当時はいろいろ大変なこともあったのだろうけど、希望の時代だったんだな。

前知識なく読んだけど、スゥエーデンの著名な童話作家だそうです。

2011年7月15日(金)、16日(土)の2日、宮城と福島に行ってきました。

宮城は、仙台と10-BOX、塩釜、石巻、女川を見てきました。作並温泉に泊まって、いいところでした。
福島は、いわきといわきアリオスに行きました。

今回の東北ツアーは、「舞台制作者」を支援するNext
http://www.next-nevula.co.jp/
の川口さんが企画とコーディネートをしてくださって、私は甘えてくっついて行ったわけです。川口さん、郡山さんはじめ、ツアーの参加者の皆様にはほんとにほんとにお世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。

そして、ディスプレイ越しに見ていた風景を体感したりもしたんだけれど、それよりも人との出会いが心に残っています。仙台の10-BOXやARC>T
http://arct.jp/
の、千野さん、鈴木さん、川村さん。
いわきアリオス
http://iwaki-alios.jp/
の大石さん。貴重なお話をありがとうございました。ほんとうに勉強になりました。

毎月行きたいです、東北。なにしろ私には、何も出来ないです。なにも出来ないことが分かったので、せめて東北の人達と関係を築けたらいいなと思いました。

ひとも良かったですが、場所も良かったです。10-BOXは10年ぶりくらい、アリオスは初めて行きましたが、ほんと、いいところです。あんなところで公演したい、って思わせてくれる場所ぢからがあります。

細かくはまた次のエントリーで。書けるかしら。書きたいけどなあ。
IMAG0432

インターチェンジで見かけたツバメさん。

来月久々に10回30時間の演技ワークショップを開催します。お知らせ遅くなってすみません。年に一回くらいしかできないクラスですが、一回時間堂の公演に出るくらいの得るものはあるんじゃないかと思います。楽しい出会いを待ってまーす。

●日程 2011年8月
6日(土)
7日(日)
8日(月)
9日(火)
10日(水)
11日(木)
13日(土)
14日(日)
15日(月)
16日(火)
時間 全日18:15-21:15

定員 12名、先着順にて〆切
参加費 30,000円/10回
備考 原則として全回参加できる方

●概要
俳優に必要な能力ってなんでしょう。「大きな声ではっきり喋る」「台詞を歌うように伝える」「切れ味のいい身体で舞台を駆け巡る」そういうことが必要な場合は、お勧めしません。

時間堂では「そこに居て、目の前の相手ときちんと関わる」ことが俳優の基本だと考えています。頭で考えることや、どう台詞を言うか、なんてことはその次の事。そんなの当たり前のことでしょうか。当たり前のことをしっかりやるというのは、なかなか難しいことです。

このクラスでは、オープンクラスで行われていることをベースに、テキストから自由になる技術を深めます。身体と呼吸を意識しつつその場に存在し、共演者との魅力的な関係をつくること、30時間かけて探って行きます。時間堂が公演までに行う稽古を圧縮し、ほぼ同じ過程を辿ることになります。

とっても疲れますけど、怖くないですよ。楽しい演劇の時間がモットーです。

*2011年12月公演のオーディションも兼ねての開催となります。出演をお願いする方にはこちらからご連絡差し上げます

●講師 黒澤世莉
演出家。佐藤佐吉賞優秀作品賞、演出賞受賞。スタニスラフスキーとサンフォードマイズナーを学ぶ。新国立劇場演劇研修所や円演劇研究所などで、指導者としても活動。

●参加要項
・職業俳優としての意識のある方
・年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方

●会場 豊島区、杉並区、世田谷区など

●応募方法
下記をご記入の上、[E-mail]にてお申し込み下さい。*2009年以降に時間堂WSにご参加の方は【1】【2】と変更箇所のみで結構です
【1】参加希望日時【2】お名前(ふりがな) 【3】年齢【4】性別【5】電話番号【6】メールアドレス【7】住所【8】備考 *所属劇団、事務所等、最近の舞台出演等、があればお書きください
[E-mail] info@jikando.com
[Tel] 070-6659-3841

●企画/運営 時間堂

今日2011年7月15日(金)から、宮城と福島に行ってきます。

3月11日以降、初めて被災地に行きます。ずっと行きたいと思っていたんだけど、機会がつくれなかった。今回はありがたいことに、とあるツアーにお邪魔させていただくことになりました。現地で活動されている演劇人のおはなしも伺ってきます。

「なぜ被災地に行くのか。行きたいと思うのか」ということを考える。芸術家のはしくれとして「未だかつてない、願わくば二度と起こって欲しくない事柄」を身体で味わいたい。綺麗事ではなくて、そういう欲求が一番強いんだと思う。少額ながら寄付もしてるし、機会があれば清掃作業のボランティアにも行きたいと思ってるけど、ひとの役に立ちたいから行くんじゃない。自分の為に行きたいと思う。

味わった結果、出来ることがあるかもしれないし、ないかもしれない。向こうに行かないとなにも分からないから、行きたいし、行ってきます。もちろん、それが結果的に誰かの役に立つことにつながったら、とても嬉しい。

4ヶ月というのは遅すぎるだろうか。自分にとっては、6月じゃ早過ぎたし、8月じゃ時間切れな感じなので、7月が一番いい気がする。自分が万が一なにかの役に立つとしたら、この時期以降な気がする。

いってきます。また写真や文章で、短いですがご報告します。

母が御宿に引っ越すというので、2トントラックを借りた。

梅雨も開けて馬鹿みたいに暑い日、江戸川区役所近くの母の家に8時到着、ここはひきつづき弟が住むらしい、で荷物を積み込む。それから、千葉の隣にいるのにわざわざ西永福まで行く。母が間借りしている店、説明が面倒なので細かいことははぶく、に寄って什器なんかを積む。近所のひさしをうっかり破壊してしまって申し訳ない。それから、首都高に乗ってレインボーブリッジを経由して湾岸を気持よくぶっ飛ばして、京葉道路で自己渋滞に巻き込まれて、予想時間を2時間近くオーバーして、17時ちょっと前に、御宿に着いた。

御宿に引っ越すと聞いたとき、へー千葉なのね、くらいにしか思ってなかったんだけど、引越し準備のために調べたら、房総半島の外側で、しかも南のほうなのね。フツーに遠い。雑司が谷から100キロ以上あって、神奈川こえて静岡県の沼津に行くのと変わらない距離。

IMAG0429

新居っていうか、廃墟。
加藤まさをさんが住んでた、って言うけど、本当かしら。
海まで歩いて3分。

IMAG0430

下田に似た白浜で、気に入った。いままで実家に寄り付かなかったが、こんな家ならたまに寄ってもいい。

帰りは順調で、途中で弟を降ろし、休憩なしで3時間ぴったり。それほど遠くもない。

それから気になっていろいろ御宿情報を調べたよ。以下自分のためのメモ。

●交通
バスで2時間15分2,000円で行けるみたい。
http://www.keiseibus.co.jp/kousoku/day/tokyo04.html

電車だと特急わかしおで、東京駅から1時間22分3,700円。普通列車で2時間14分1,890円。

大きな地図で見る

でまあみんな大好き、私も大好き温泉がないかと探してみましたよ。歩いていけるところに一件「クアライフ御宿」なる施設発見。見よこの古きよき技術力の、ホームページと呼ぶにふさわしいリンクを。
http://www.kurlife.com/index.html
逆に期待できなくて、いいよね。「とろみの湯全国2位」ってほんまかいな。いちおう10%割引になるページもあるよ。1,000円→900円てことね。

http://onsen.nifty.com/cs/catalog/onsen_255/catalog_onsen001389_1.htm
まこっちの方が信ぴょう性あるよね。ふむふむ、施設はアレだけどお湯は良さそうね。

花火大会が8月4日20時からあるそうです。御宿町観光協会公式サイトより。
http://www.onjuku-kankou.com/index.html
へんに自粛とかしないところ、いいね。観に行こうかしら。てか母の家から見えるんじゃないかしら。

そういうわけで、今まで自分の人生に千葉県とか御宿とかまったく関わってこなかったけど、にわかに脚光を浴びている御宿。図書館らしき施設がないのと、車がないとそうとう不便そうなとこが気になるっちゃ気になるが、別に自分で住むわけではない。年に何回か遊びにいく場所と思うと、なんだかうきうきする。海も町も下田に似た感じで気に入ったよ。

↑このページのトップヘ